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2017年11月16日【テクノロジー】

ソフトバンクとホンダ、第5世代通信を活用するコネクテッドカー技術の共同研究へ

NEXT MOBILITY編集部

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ソフトバンクと、本田技研工業の研究開発子会社である株式会社本田技術研究所が通信分野での共同開発を加速させる。なおこの動きは、第5世代移動通信システム(以下「5G」)の普及を想定したもの。

より具体的には、自動車を中心としたモビリティーとさまざまなモノが“つながる”ことで、新たな体験や価値を提供するコネクテッドカー技術(自動車のインターネット接続や車車間通信の技術)の強化を目的に共同研究の検討を開始した。

実際の共同研究にあたって2018年度には、ソフトバンクが本田技術研究所の鷹栖プルービンググラウンド(北海道上川郡鷹栖町)に、5Gの実験用基地局を設置し、5G環境下での共同研究を本格化する予定としている。

上記に関わる共同研究概要は以下の通り
クローズドのテストコース(鷹栖プルービンググラウンド)を活用して5G環境を作り出し以下の技術開発を行う。

高速ハンドオーバー技術
・高速移動中の自動車で、通信する基地局を安定的に切り替える技術および車載アンテナの開発。
弱電界、圏外域でのリカバリー技術
・弱電界におけるデータ送受信性能を確保する技術およびデータ処理技術の開発。
その他、さまざまなユースケースを想定した技術開発。

 

なおこれで現段階に於いては、トヨタ陣営がNTTとKDDIとの連携していく動きに対して、ホンダはソフトバンクと次世代開発を進める形となった。

 

ただ自動車業界側では、通信技術の提供を受けることに際して、陣営を分ける判断をしている訳でなく、いずれは優れた技術を求めて、自動車メーカー間では、枠組みを超えた協力関係が進む可能性はあり得るだろう。

 

そもそも5Gの通信速度は既存4Gの100倍超。瞬時に大量のデータがやり取りできることから、道路交通網との情報連携の他、運転補助機能に於ける他車との情報連携など、自動車メーカーにとっては活用の幅は無限大だ。

従って次世代車の開発を勧めるには5G搭載は欠かせない。ゆえに現段階では海外に於いても自動車メーカーは、通信会社とグループ化して搭載技術の連携深化を図っている段階にある。

 

今後、高速通信網が一旦完成した暁には、現在の自動車メーカーとバッテリーメーカーとの納入価格を巡る争いに似た、自動車産業と通信産業との主導権争いになっていく可能性もある。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。