トヨタ自動車・トヨタ不動産・トヨタアルバルク東京、お台場・青海地区に次世代アリーナ
トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社は8月29日、東京都内で記者会見を開き、お台場・青海地区(東京都江東区)のショールーム施設メガウェブ跡地に、次世代アリーナを建設すると発表した。開業は2025年秋を予定。(佃モビリティ総研・松下次男)
次世代アリーナはバスケットボールのBリーグ1部に所属するアルバルク東京がホームアリーナとして利用するほか、多くの室内競技や観戦・利用者、地域住民に開かれた施設として広く開放する。
また、トヨタが関わる施設ということもあり、次世代モビリティを積極的に活用。アリーナまでの移動や店舗に、モビリティがそのままショップに早変わりするトヨタの自動運転シャトルEV(電気自動車)「e-パレット」などを展開する構想を掲げる。
記者会見した早川茂トヨタ自動車副会長はトヨタとスポーツの関わりについて創業者の「豊田喜一郎の時代に、陸上部を創設したのが始まり」と長い歴史を紹介するとともに、スポーツの持つ「挑戦する」姿勢がトヨタの企業活動に通じると強調した。
トヨタ自動車の豊田章男社長も「今までスポーツに何度も助けられてきた。社長となって13年、平穏無事と思えるときは一度も訪れず、そんな中で元気づけてくれたのがアスリートたち」とメッセージを寄せる。
次世代スポーツ・未来型モビリティ・持続型ライフスタイルを掲げ2025年秋開業
そして、アリーナの計画に2つの想いを込めたという。一つが「スポーツ/アスリートへの感謝」、そしてもう一つが「可能性へ挑戦する人をサポートし続けたい」という想いだ。
メガウェブ跡地に建設する新アリーナはトヨタ自動車が土地、トヨタ不動産が建物をそれぞれ所有し、運営をトヨタアルバルク東京が行う。敷地は、約2万7千平方メートルの広さ。収容人員は約1万人で、国際大会が開催できる世界水準の規模という。
新アリーナは、「TOKYO A-ARENA(トウキョウエーアリーナ)プロジェクト」の名称で展開し、コンセプトは「可能性をかけていこう」。
施設はアリーナ本体のほか、サブアリーナ、アルバルク東京のクラブハウスなどを配備。合わせて、建物の屋上にファミリーパーク、スポーツパークなどを配置し、来場者、地域住民に施設を開放する。
運営母体となるトヨタアルバルク東京の林邦彦社長は、施設を「もっと観たくなる、やりたくなる」次世代スポーツエクスペリエンス、「もっと便利になる、楽しくなる」未来型モビリティサービス、「もっとつながる、変わり続ける」持続型ライフスタイルデザインの発想で展開したいと話す。
次世代モビリティとも融合させ、バレーや卓球など幅広い室内競技にも提供
モビリティの楽しみでは、アルバルク東京のグッズショップや未来型フードトラックなど、様々なサービスを提供するモビリティを会場内外に登場させることなどを構想する。
さらに、地域や周辺施設とも連携し、モビリティを活用しながら、臨海副都心の活性化、街づくりにも貢献したいとした。
また、前身のメガウェブでは、トヨタ車の展示、試乗のほか、主要な新車発表の会場としても使われてきた。これに対し、早川副会長は新アリーナでは試乗は難しいとしながらも、「新車発表や車両展示については新たな形で検討したい」と述べ、継続の意向を示した。
当日の発表会では、トヨタ所属の川合俊一ビーチバレーボール部ゼネラルマネジャー、パラ陸上競技短距離の佐藤圭太氏、三好南穂女子バスケットボール部アンテロープス・サポートコーチ、それにアルバルク東京所属の田中大貴氏が登壇。
それぞれバーレーボールや女子バスケットなどの大会も「是非、新アリーナで」と実施を要請するなど、世界水準の会場にかける思いをトークショーで語った。
これに対し、林社長は「こちらからもお願いするところだった」と述べ、アリーナの多様な活用を検討していることを表明。ビジネスシーンでの活用可能性なども考えられると追加した。