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2023年9月8日【イベント】

コンチネンタル、IAAで未来のモビリティを語る

坂上 賢治

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コンチネンタルは9月8日、ミュンヘンで開催のIAAモビリティ2023に於いて「Making future mobility happen, today!(未来のモビリティを実現するのは、今)」をキャッチフレーズにソフトウェアベースのモビリティソリューションを提案した。( 坂上 賢治 )

 

その内容は、高性能コンピューターとソリューションを組み合わせたモビリティ社会の実現を示唆するもの。出展会場のプレスブリーフィングで挨拶したコンチネンタルのニコライ・ゼッツァーCEO(Nicolai Setzer)によると、「当社のポートフォリオの範囲は広範であるため、モビリティ市場に於いて独自のポジションを確立しています。

 

またコンチネンタルは、未来のモビリティへの新しい推進力となるものを開発しており、今日の世界の新車の5台に4台が、コンチネンタルのハードウェアやソフトウェアソリューションを搭載。安全性、利便性、持続可能性の実現に貢献しています」と述べていた。

 

 

コンチネンタルブースにおいて、オートモーティブグループ担当取締役、フィリップ・フォン=ヒルシュハイト(Philipp von Hirschheydt)による記者会見を開催しました。

 

なおIAAモビリティ2023開催に先駆け、9月4日のブリーフィングで登壇した(ホールA2・B10ブース)、同社オートモーティブグループのフィリップ・フォン=ヒルシュハイト担当取締役(Philipp von Hirschheydt)は、以下の複数テーマを掲げて自社の強みと先進性について語り掛けた。

 

そのアジェンダは以下の通り

 

• 路面からクラウドまで:コンチネンタル、IAA MOBILITY 2023で独自のポートフォリオを発表。
• ソフトウェアベース、そしてサステナブルなモビリティを焦点。
• 私たちは、未来のモビリティのための新たな推進力を開発しています。
• インテリジェントでパワフル: 革新的な高性能コンピューターが運転を変える。
• 車内のウェルネス:コンチネンタル、デザインコンセプト「SPACE D」を展示。
• 高エネルギー効率の都市走行向けコンセプトタイヤを公開。

 

 

スーパーブレイン:インテリジェント高性能車両コンピューター
先進的なハードウェアだけでなく自動車業界に於いて、ソフトウェアも重要度を増しています。

 

コンチネンタルは、ソフトウェア定義車両への移行を積極的に支援しており、約21,000人のソフトウェア・ITスペシャリストが、ハイ・パフォーマンス・コンピューター(HPC)などの製品の新たな開発や改良に取り組んでいます。

 

コンチネンタルの幅広いHPCポートフォリオに新たに加わったのは、スマート・コックピット・ハイパフォーマンス・コンピューターで、計器クラスター、インフォテインメント、先進運転支援システム(ADAS)を組み合わせた構成済みのシステムです。

 

IAA MOBILITY 2023会場のホールB2/ブースA12では、パートナー企業とともに、デモ車両を用いてスマート・コックピットHPCが最小限のコストと短い開発期間で未来のモビリティを実現できることをご紹介します。

 

 

アマゾン ウェブ サービス(AWS)でバーチャル開発が容易に
自動車メーカーが新車をより早く市場投入し、継続的にソフトウェアアップデートを提供するためには、自動車用ソフトウェアの開発とテストを加速し、拡大するための新たなアプローチが必要となります。

 

これまでは、多くの機能や安全上の問題は、物理的な電子制御ユニット(ECU)があって解決可能であり、後段階で問題を解決するには、開発コストが最大で10倍になることもありました。

 

そうしたなかでコンチネンタル・オートモーティブ・エッジ(CAEdge)をベースに開発したソリューションが、バーチャルECUクリエーターです。

 

CAEdgeは、コンチネンタルとアマゾン ウェブ サービス(AWS)が2021年に発表したハードウェアとソフトウェア開発のためのプラットフォームです。

 

自動車ソフトウェア開発者は、vECU クリエーターを使用することで、ハードウェアとソフトウェアを切り離し、デジタル機能の仮想シミュレーションによって、エンジニアはマイコンベースのECU、ゾーンコントローラー、ハイパフォーマンスコンピューターを迅速かつ継続的に改善することができます。

 

vECUにより、ソフトウェアアプリケーションは、対象となるハードウェアに実装される前に90%をプログラムすることができるため、製品開発の効率が大幅に向上します。このように、新しいvECU Creatorは、自動車システム開発の次のステップを指し示すものです。

 

 

自律的な未来を目指して
コンチネンタルは自律運転開発を引き続き推進しており、戦略的パートナーであるアメリカの半導体専門メーカーであるアンバレラ(Ambarella)と提携しました。両者は共同で、運転支援と自動運転のための統合フルスタックシステムを開発していきます。

 

これはスケーラブルなマルチセンサーシステムはAIによって動作し、両社のモジュールで構成されるフルソフトウェアスタックや、アンバレラの非常に強力でエネルギー効率の高いAIシステムオンチップ、コンチネンタルの高解像度カメラ、レーダーおよびライダーセンサー、アシステッド・制御ユニットなどが含まれています。

 

コンチネンタルはこのほど、完全なレベル4フォールバックシステムとしてアンバレラと共同開発したソリューションの初受注を獲得しました。当社はIAAモビリティ2023に於いて、システムソリューションが如何に相互作用し、モビリティをより自律的で安全なものにするのかについての見識を提供します。

 

交通弱者の保護を強化
コンチネンタルにとって、交通弱者の安全は最優先事項であることに変わりはありません。その主眼は、旋回時、後退時、駐車時のドライバーの運転操作ミスによる事故を防ぎ、それらから保護することに置かれています。

 

ドイツ連邦統計局によれば、ドイツ国内だけでも昨年、このような運転操作ミスによる人身事故が5万件以上発生しています。

 

 

IAA MOBILITY 2023でコンチネンタルは、マイクロLED技術をベースとした近距離予測動作用のコンパクトかつ容易に統合可能なシステムソリューションを発表します。例えばこのシステムより、車両が方向を変える際に、マイクロLEDで車両の近辺に警告を行う、あるいは車両の大きさを警鐘することで、注意を促すことができます。

 

安全でサステナブルなブレーキシステム
ブレーキは自動車における最重要安全機能のひとつです。危険な状況下での運転の安全性を確保するだけでなく、車両効率の向上も求められています。

 

言い換えれば、摩擦ブレーキにおけるCO2排出量と粒子状物質排出量の削減に貢献しなければなりません。コンチネンタルはIAAモビリティ2023で、安全性とサステナビリティを同様に高める将来のブレーキシステムのロードマップを発表します。

 

その一例がセミドライ・ブレーキシステムで、ブレーキ液を必要としない「ドライ」電気機械式ブレーキを後輪に採用しています。

 

自動車メーカーにとっての利点は、製造においてブレーキシステムの充填とブリーディングを行う必要がないことです。更にこのシステムは、ブレーキ液の使用量がはるかに少なくて済むため、廃棄量を大幅に削減することを意味します。

 

 

車内のウェルネスを追求するSPACE Dデザインコンセプト
現在、お家時間のトレンドは、心が休まり、安全で快適な場所としての家の重要性を強く反映しており、その大部分はサステナブルで利便性の高いソリューションが占めています。

 

ウェルネスという考え方はカーインテリアにも大きな役割を果たすようになり、自動車は生活し、楽しむための新たな空間へと捉えられています。IAAモビリティ2023では、SPACE Dデザインコンセプトによる、自律走行モビリティの室内空間を覗くことができます。

 

ちなみにこのSPACE D の「D」は、この先見性のある高度なコンセプトのデザイン基準を表しています。

 

また色褪せないビジュアルとヴィーガン製品としてPETA認証取得を両立した表面素材ベノバ・エコ・プロテクト(Benova Eco Protect)、バイオ由来の原材料とリサイクル素材により特に持続可能性が高く、高度なカスタマイズが可能なアセラ(Acella)、斬新なデザインと機能性を備え持つ半透明の表面素材エクスプレシュン・ハイライト・コンセプト(Xpreshn Hylite Concept)などの展示も行います。

 

これら持続可能性のある、魅力的でナチュラルなデザインや、様々な技術により、車内の快適さと運転時間を新しいレベルに引き上げます。

 

 

コンチネンタルタイヤで路上でのサステナビリティが向上
コンチネンタルの卓越した素材に関する専門知識は、サステナブルタイヤのイノベーションに反映されています。コンチネンタルはIAAモビリティ2023で新コンセプトタイヤを初公開する予定です。特に都市走行におけるエネルギー効率に重点を置いています。

 

新UltraContact NXTは、コンチネンタルのサステナブルな製品がいかに早く生産され、上市されるかを示しています。

 

今夏のコンチネンタル TechShowで、業界で最も持続可能な生産用タイヤを初公開しました。再生可能素材、リサイクル素材、マスバランス認証素材を最大で65%使用したUltraContact NXTは、サステナブルな素材と最大限の安全性を兼ね備えています。

 

このタイヤは7月から生産が開始され、全19サイズがヨーロッパ中のタイヤディーラーで販売されています。これらのタイヤはすべて、転がり抵抗、ウェットブレーキ、車外ノイズのカテゴリーでEUタイヤラベルの最高ランク「A」を獲得しています。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。