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2023年1月20日【イベント】

ゲキダンイイノ、神戸三宮で自動低速走行モビリティ実証

坂上 賢治

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関西電力傘下のゲキダンイイノ合同会社は1月20日、自社の自動走行モビリティ「iino type – S712」の公道走行実証実験を三宮中央通り地下通路( サンポチカ )で実施( 2023年1月27日〜29日 )すると発表した。

 

これは来年度の道路交通法改正を見据え、各地で自動運転技術の導入が本格化する中、同社としては初の公道走行となる。

 

今回の実証実験は、三宮周辺地域で歩行者中心のまちづくり( ウォーカブルシティ )を進める神戸市と協力して行うもので、歩行者の回遊性向上、賑わい創出へ向けた取り組みの一つとなる。

 

 

なおiino type – S712は改正道路交通法に於ける「遠隔操作型小型車」規格に合わせて開発したモデル。2022年2月には同モデルで三宮の私有地内でテスト走行実証を実施した。実施2回目を迎える今回は、社会実装に向けて公道上での走行安全性と歩行者との共存性を検証する。

 

具体的には、三宮駅周辺デッキなどの地下通路に一部の時間帯で走行実証を行う。車体前後のセンサーで障害物を検知しながら時速5キロ以下で約150m走行する事で、人混み環境下での自動走行モビリティの歩行者共存上の課題が抽出出来るとしている。

実運行では安全確保のため、車体内部の音響装置とLEDライトで周囲の歩行者にモビリティの存在を周知し、乗り降りの際は、車体近くを並走するか、タッチセンサーに手をかざす事で減速、または停止する。

 

ちなみに国内唯一の「遠隔操作型小型車」規格で、歩道空間での走行が可能となる見込みの複数人(最大乗車人数3人)・立ち乗りタイプのモビリティで、家族や友人と一緒に乗車でき、目線の高さが立っている状態とほぼ変わらない事が大きな特徴だ。

 

 

高い安全性を実現する自動走行技術により、駅のデッキや街中など歩行の補助として街中での移動をサポート。車体は「動く家具」をコンセプトに歩行者との共存性を考慮し、外観には温かみのある木材を使用している。これは街路樹の多い街中にもフィットするデザインで、停止中はテーブルやカウンターとして利用出来る。

 

実証実験では、「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」にのっとり「第一種原動機付自転車 」の保安基準緩和認定を受け、ナンバープレートをつけて走行する。このタイプのモビリティが公道を走行するのは全国初となる。

 

実証実験概要は以下の通り
・期間:2023年1月27日(金)〜29日(日)11時〜17時
 ※将来の歩行者交通状況を想定した走行実証は1月27日(金)14時半〜17時(予定)
 ※各日13時半~14時半(予定)は充電等のため走行停止
・走行場所:三宮中央通り地下通路(通称:サンポチカ)の三宮プラッツより東側150m程度(マップ参照)
・目的:神戸三宮「えき≈まち空間」における回遊性向上に向け、歩行者空間内での低速自動走行モビリティの技 術安全性、歩行者共存性の検証
・参加方法:実験中はモビリティが往復走行しており、自由に乗車していただけます。ただし将来の歩行者交通状況を想定した走行実証中(1月27日(金)14時半~17時)は関係者のみで走行を行っています。
・参加資格:参加自由(無料)※小さなお子様には身長制限(105cm)がございます。また、お子様を抱っこしての乗車はお控えください。
・主催:神戸市都市局 都心再整備本部 都心再整備部 都心三宮再整備課
    ゲキダンイイノ合同会社

 

iino type-S712について

・名称:iino type-S712 (イイノ タイプ エス 712)
・サイズ:全長1195mm×全幅695mm×全高1050mm
・最高速度:時速5キロ
・最大乗車人数:3人

 

ゲキダンイイノ合同会社について
ゲキダンイイノ合同会社は、時速5キロの自動走行モビリティ「iino」を通して、走る場所の魅力を引き立て、乗る人のエモーションを掻き立てるような移動体験をデザインしてきた。現在、地方自治体や不動産事業者と協力して歩いて楽しい街や大型施設の実現に向けて、モビリティサービスを使った取り組みを行っている。

 

所在地:〒530-0005大阪府大阪市北区中之島3-6-16 関電ビルディング3F
座長:嶋田 悠介
創業:2020年2月
事業内容:時速5キロの低速モビリティサービス「iino」の開発・運用、移動体験のデザイン、モビリティの運用計画の策定および実証、回遊性検証等

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。