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2024年2月2日【アフター市場】

BS、新プレミアムタイヤの「REGNO GR-XⅢ」を発表

坂上 賢治

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プレミアム基盤技術ENLITEN®導入で、深みを増した「断トツ商品」に

 

ブリヂストンは、東京・赤坂プリンス クラシックハウス(東京都千代田区紀尾井町)に報道陣を募り、乗用車用プレミアムブランド商品「REGNO GR-XⅢ」(レグノ ジーアール クロススリー)の記者披露会を開催(1月23日)した。また当該商品は2024年2月から発売される。発売サイズは、195/65R15 91H ~ 275/35R20 102W XLの51サイズで、価格は2万6,730円 ~ 10万8,350円/本。

 

会見には、常務役員 BSJPタイヤ販売事業管掌(REP/OE/ソリューション)兼 ブリヂストンタイヤソリューションジャパン代表取締役社長の久米伸吾氏、ブリヂストン常務役員 製品・生産技術 開発管掌の草野亜希夫氏、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン専務執行役員 タイヤマーケティング戦略担当 上田達也氏、ブリヂストンPSタイヤ製品企画第1部 部長 橋本賢人氏が登壇した。

 

 

記者への商品披露に先立ち登壇した常務役員 BSJPタイヤ販売事業管掌(REP/OE/ソリューション)兼 ブリヂストンタイヤソリューションジャパン代表取締役社長の久米伸吾氏は、2024年は「新たな中期事業計画(2024−2026)の重要な初年度」とし、REGNO GR−XⅢのリリースを中計に於ける四つのビジネスシナリオのなかで競合では成しえない「断トツ商品」にフォーカスしたものとし、そのために自社の新基盤技術「ENLITEN®(エンライトン)」を旗艦商品に適用させたことで生まれ変わったREGNOの性能と世界観を是非共体感して欲しいと述べた。

 

続いて登壇したブリヂストン常務役員 製品・生産技術 開発管掌の草野亜希夫氏は、REGNO GR−XⅢを近年、パワートレインの多様化とシャシー性能の向上著しい各自動車メーカーのプレミアム系車両に適合させるべく、静粛性・乗り心地・安全性・運動性能などの基本性能を高め、保持する空間品質と走行性能を飛躍的に高次元化させた新世代のプレミアム商品であると語った。

 

 

そんなGR−XⅢは、新構造(GR−tech Silent)、新形状(GR−tech Motion)、新トップゴム(GR−tech Silentゴム)、新パターン(3Dノイズ抑制グルーブ+シークレットグルーブ)を採用した「断トツ商品」だと紹介。

 

その鍵は、EVなどの電動パワーによって近年、求められる要求性能が飛躍的に高くなったことにあるとしており、GR−XⅢは「EV時代の新たなプレミアム商品」と位置付けて設計基盤技術ENLITENを、国内市販用乗用車向けタイヤとして初搭載させたことによる絶対性能に強い自信を示した。

 

ちなみにENLITENとは、薄く・軽く・丸くをキーワードにタイヤ重量を大幅に軽量化して、省資源化やタイヤの転がり抵抗を大幅に低減することにより環境負荷を低減させる技術。

 

その一方で、タイヤブランド毎に求められる要求能力(静粛性の向上や極限性能を突き詰めるなど)のエッジさ(個性)も、高められる開発商品のカスタマイズ化技術を指している。

 

なおブリヂストンによると同技術は、タイヤ構造の3次元解析や運動性能分析などを、シミュレーション技術を介して割り出す、言わば電子知能化を高めたデジタル技術であり、これまで技術者達の暗黙知で支えられていたタイヤの設計ノウハウを、デジタルの力を借りて、より短時間かつ、より深く解析できるようにしたものという。

 

 

そのようなENLITENに係る商品アドバンテージに対して、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン専務執行役員 タイヤマーケティング戦略担当 上田達也氏は、利用目的に100%合致した最適なタイヤ形状、タイヤ構造、トレッドパターン、接地形状の最適化などのタイヤづくりに求められる条件を全方位で割り出し、高い摩耗性能を維持しながらも約30%転がり抵抗を低減。走行時のCO2排出量低減を可能にする独自ノウハウであると説明した。

 

例えば当該タイヤを履かせる対象車両がEVの場合は、バッテリー寿命の長寿命化にも貢献させられるし、1回あたりの充電容量で走破することとができる航続距離の延長にも寄与できる。

 

勿論、タイヤ重量に関わる課題でも従来比で約20%の軽量化させることで、タイヤ1本あたりの生産に必要な原材料も約2kg削減でき、環境負荷低減効果も期待できるという。

 

更に今回はこのENLITEN技術に、ブリヂストンのモノづくり基盤技術「BCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture)」と融合させた。

 

こちらの「BCMA」の方は、言わば生産工程に於けるものづくり技術で、タイヤを構成するモジュール(部材)を3つに集約して異なる商品間で共有することで、開発・生産を含むサプライチェーンをシンプル化。

 

開発・生産時のアジリティ性(機敏化・スピード化)を図って、各工程毎に果たすべき目的を明確化させることで、材料や構造の役割を割り出し、市場・地域毎の「究極のカスタマイズ」を支える商品になるとした。また併せて今後、ENLITEN搭載商品を新車用・市販用共に一層の拡大を図る考えも示した。

 

 

なお最後に登壇したブリヂストンPSタイヤ製品企画第1部 部長 橋本賢人氏は、REGNOブランドの商品価値の浸透手段について、REGNOは、1981年以来の静粛性に質の高い乗り味を両立させた製品であり、より深みを増した空間品質による静粛性や、磨き抜かれた走行性による走りそのものを楽しむことを体感頂けるものと考えている。

 

またそれは今回、GR-XⅢとなったことで顧客の新たなニーズやウォンツを叶えるだけにとどまらない懐の深い商品となった。

 

より具体的には、既存のREGNOブランドのイメージを塗り替えられる程のインスパイアを、既存のREGNOユーザーへ提供できるタイヤとして商品キャラクターに強いエッジを効かせている部分にある。従って、それが新たなプレミアム市場の創造を切り拓いていくことになるだろうと話していた。

 

 

なおブリヂストンPSタイヤ製品企画第1部 橋本部長は、「REGNO GR-XⅢ」の製品開発に携わったレーシングドライバーの立川祐路選手とのオンライン対談にも参加(立川選手は、海外でのレーシングマシンの開発テスト現場から参加した)。製品化への過程に於ける立川選手からの厳しい要求に応えて、開発陣と板挟みになった苦労を披露していた。

 

一方で、普段はスーパーGTマシンなどのステアリングを握る立川選手は、自信を持って製品化に送り出した「REGNO GR-XⅢ」について当該タイヤの高性能さだけを語るのではなく、安全面でウェット路面上での路面のミューの急激な変化に於いても、緩やかで扱い易いドライビングフィールが実現されている部分などについて詳しく説明して満足できる製品に仕上がっていると話し、今回、積極的に一般市販用のプレミアムタイヤ開発に関わったことに対しての自信と満足感を覗かせていた。

 

商品名:「REGNO GR-XⅢ」
発売サイズ :51サイズ
発売日
– 2024年2月〜(26サイズ)
– 2024年3月〜(25サイズ)

 

 

1. 商品特徴
(1-1)GREAT BALANCE®の進化と拡張
全ての性能を拡張しながら調和するREGNOの新たなGREAT BALANCEが完成

(1-2)静粛性向上技術
空間品質を更に進化させたレグノサイレントテクノロジー

(1-3)走行性能向上技術
圧倒的※な走行性能の進化 ※当社商品中

 

 

 

2.性能評価結果
(2-1)静粛性能比較データ

【テスト条件】
・タイヤサイズ:225/45R18 95W XL ・空気圧:250kPa ・速度:60km/h
・試験車両:トヨタ クラウンRS 6AA-AZSH20-AEXRB ・排気量:2500cc ハイブリッド 後輪駆動
・試験路面:当社プルービンググラウンドの荒れたアスファルト舗装路/スムーズなアスファルト舗装路
・音圧レベル:荒れたアスファルト舗装路(GR-XⅢ62.26dBA、GR-XⅡ62.38dBA)スムーズなアスファルト舗装路(GR-XⅢ45.08dBA、GR-XⅡ45.43dBA)
・計測方法:各々の路面を走行した時に発生するタイヤ音を測定。騒音計で評価車両運転手の左耳近傍(助手席側)の音圧を計測。

 

(2-2)操縦安定性能比較データ

 

 

3. ENLITEN」と「BCMA」の融合
「ENLITEN」にてカスタマイズ/エッジを効かせた断トツ商品を一件一葉ではなく、シンプルなオペレーションでアジャイルに提供することで、「究極のカスタマイズ」を支える

 

 

4.発売サイズ
(4-1)24年2月発売サイズ(26サイズ)
タイヤサイズ/メーカー希望小売価格/税込価格 (本体価格)/転がり抵抗係数/ウェットグリップ性能
– 245/35R20 95W XL /101,200円 /92,000円 / AA/a
– 245/40R20 95W /90,200円 /82,000円 /AA /a
– 275/35R19 100WXL /89,650円 /81,500円 / AA /a
– 265/35R19 94W /87,010円 /79,100円 /A /a
– 245/40R19 98W XL /78,430円 /71,300円 /AA /a
– 235/40R19 92W /74,910円 /68,100円 /A /a
– 195/50R19 88H /47,080円 /42,800円 /A /a
– 255/35R18 90W /75,790円 /68,900円 /A /a
– 255/40R18 95W /79,200円 /72,000円 /AA /a
– 245/40R18 93W /69,630円 /63,300円 /A /a
– 225/40R18 88W /65,780円 /59,800円 /A /a
– 235/45R18 98W XL /64,020円 /58,200円 /AA /a
– 225/45R18 95W XL /58,960円 /53,600円 /AA /a
– 245/50R18 100W /54,670円 /49,700円 /AA /a
– 225/55R18 98V /51,260円 /46,600円 /AA /a
– 245/40R17 91W /57,420円 /52,200円 /A /a
– 235/45R17 94W /54,120円 /49,200円 /A /a
– 225/45R17 91W /50,930円 /46,300円 /A /a
– 215/45R17 91W XL /47,740円 /43,400円 /A /a
– 195/45R17 81W /44,000円 /40,000円 /A /a
– 215/50R17 95V XL /46,750円 /42,500円 /AA /a
– 225/55R17 97W /47,080円 /42,800円 /AA /a
– 215/55R17 94V /43,010円 /39,100円 /AA /a
– 205/55R16 91V /35,860円 /32,600円 /A /a
– 215/60R16 95V /34,650円 /31,500円 /AA /a
– 195/65R15 91H /26,730円 /24,300円 /AA /a

 

(4-2)24年3月発売サイズ(25サイズ)
タイヤサイズ/メーカー希望小売価格/税込価格 (本体価格)/転がり抵抗係数/ウェットグリップ性能
– 275/35R20 102W XL /108,350円 /98,500円 /AA /a
– 265/40R20 104W XL /94,930円 /86,300円 /AA /a
– 245/35R19 93W XL /82,720円 /75,200円 /A /a
– 235/35R19 91W XL /79,200円 /72,000円 /A /a
– 275/40R19 101W /86,020円 /78,200円 /AA /a
– 255/40R19 100W XL /80,080円 /72,800円 /AA /a
– 225/40R19 89W /73,040円 /66,400円 /A /a
– 255/45R19 104W XL /73,810円 /67,100円 /AA /a
– 245/45R19 98W /70,620円 /64,200円 /AA /a
– 225/45R19 96W XL /64,020円 /58,200円 /AA /a
– 245/50R19 101V /57,860円 /52,600円 /AA /a
– 265/35R18 93W /80,960円 /73,600円 /A /a
– 235/40R18 91W /67,760円 /61,600円 /A /a
– 255/45R18 99W /68,750円 /62,500円 /AA /a
– 245/45R18 100W XL /65,560円 /59,600円 /AA /a
– 215/45R18 93W XL /55,550円 /50,500円 /A /a
– 235/50R18 101V XL /52,030円 /47,300円 /AA /a
– 225/50R18 95W /52,030円 /47,300円 /AA /a
– 245/45R17 95W /62,260円 /56,600円 /AA /a
– 205/45R17 88W XL /47,300円 /43,000円 /A /a
– 235/50R17 96V /49,610円 /45,100円 /AA /a
– 225/50R17 98V XL /49,060円 /44,600円 /AA /a
– 205/50R17 89V /41,800円 /38,000円 /A /a
– 195/60R17 90H /34,650円 /31,500円 /A /a
– 205/60R16 92V /32,670円 /29,700円 /A /a

 

お客様相談室TEL:0120-39-2936

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。