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2022年1月20日【SDGs】

日産、人工光合成を高効率化する光の短波長化材料を開発

NEXT MOBILITY編集部

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日産自動車(以下「日産」)は1月20日、東京工業大学(以下「東工大」)と共同で、人工光合成の効率を向上させる高性能な光の短波長化材料(固体フォトンアップコンバージョン材料:以下「UC材」)を開発したと発表した。

 

このUC材は安定な固体で、高い波長変換効率を持ち、光触媒と組み合わせることで、人工光合成に利用可能な光エネルギー量を増大させる。この技術により、排出されたCO2を原材料として利用することで、樹脂製造等における化石燃料への依存を低減することが期待される。

 

 

 

 

日産は、2050年までにクルマのライフサイクル全体でのカーボンニュートラルの実現を目指している。今回、同社はそのライフサイクルの一部である部品製造時のCO2排出量を削減するため、CO2を再資源化する人工光合成の技術に着目した。人工光合成は、光エネルギーを光触媒に与えることで、水を酸素と水素に分解し、その水素とCO2を反応させて、樹脂の原料となるオレフィン等を合成することを可能とする。

 

太陽光には様々な波長の光が含まれるが、人工光合成に利用できるのは光触媒が吸収できる青色や紫外光に近い短波長の光のみで、長波長の光は利用できないため、その効率は高くなかった。光触媒にUC材を組み合わせると、従来利用できなかった長波長の光を利用可能な短波長の光へと変換することが可能となり、水素や樹脂原料などの生産量を高めることができる。しかし、従来のUC材は可燃性の液体であることが多く、固体化した場合でも、一般に効率や光照射に対する耐久性が低く、酸素を遮蔽した環境や集光した高い強度の光を必要としていた。

 

 

今回、日産は東工大と共同し、独自に着想した熱力学的に安定な固体相を用いることにより、自然太陽光強度の数分の1という極めて低強度な光であっても、長波長な光(緑色から黄緑色の光)を非常に高い効率(理論上限の約30%)で、幅広い人工光合成で利用できる短波長な光(青色の光)に変換する材料を開発した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。