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2020年12月17日【エレクトロニクス器機】

ZF、グローバルソフトウェアセンターを設立

NEXT MOBILITY編集部

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ZFは12月17日、開発プロセスを大幅に加速させる独自のミドルウェア、グローバルソフトウェアセンターの設立を発表した。

 

未来の車両は、ソフトウェア・デファインドによる(ソフトウェアで管理操作する)高レベルなネットワーキングと自動化が特徴になる。「ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)」は、その操作がますますスマートフォンに似てきているが、「車輪のあるスマートフォン」以上のものだ。人々の移動を快適かつ安全なものにするため、ソフトウェアプラットフォームによってインテリジェントに接続される必要があるハードウェアシステムは、その質と量ともに異なる。

CES 2021のプレビューで、ZFは新しいミドルウェアを発表した。このオープン・ソフトウェアプラットフォームは、車載コンピューターのオペレーティングシステムとアプリケーションソフトの「仲介役」となり、主にハードウェアの抽象化とアプリケーション間の通信を行う。

 

ZFのシニア・バイスプレジデントで、研究開発を担当するディルク・ヴァリザ―博士は次のように述べている。「この新しいミドルウェアは、当社が将来のソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向けの世界有数のシステムサプライヤーであることを強調するものです。当社のお客様は、ハードウェアとソフトウェアの統合の際、開発プロセスを迅速化し、またその複雑さを大幅に軽減することができます。また、車両のライフタイム終了まで、機能のアップデートやオンデマンドでの追加が可能です。」

 

ZFのミドルウェアは、包括的なソフトウェアプラットフォームとして、2024年から量産車に実装を予定している。この開発は、自動運転、統合安全、車両制御、電動化のようなモビリティ領域におけるアプリケーションソフトウェアの開発と密接につながっている。

 

 

ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向けシステムソリューション
電子制御技術は、1970年代に最初の電子制御ユニット(ECU)が自動車に搭載されて以来、約50年間、自動車部品が互いに通信することを可能にしてきた。100個もの異なるECUが搭載されている車両も存在している。各ECUはそれぞれソフトウェアも含む。未来の新しい車両プラットフォームでは、電気/電子(E/E)アーキテクチャが劇的に変化し、自動運転機能などのソフトウェア機能は、分散型から少数のドメイン制御ユニット(DCU)による集中型システムに移行する。これらすべてのアプリケーションソフトは、システムの統合を管理しスムーズに統合されたミドルウェアによるメリットを得ることができる。

 

ミドルウェアにより、システム統合の複雑さを軽減
ミドルウェアをオペレーティングシステムに接続するだけで、車両のアプリケーションソフトとハードウェア・コンポーネントを連携することができる。このアプローチは、インターフェイスを最小限にし、システムのすべての部品との高速通信を保証し、自動車メーカーのシステム統合の複雑さを大幅に軽減することに役立つ。

 

ハードウェア・コンポーネントの開発についても原則同様で、ミドルウェアにより車両は「一つの普遍的な言語」でコミュニケーションを行う。ミドルウェアにより、車両の異なるハードウェア層とソフトウェア層の通信を「翻訳」し標準化することで、車両へのフレキシブルな統合を簡素化する。

 

プロセスの迅速化と改善
オープンなハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャにより、開発の初期段階から車両のライフタイム終了まで、ZF、自動車メーカー、その他のパートナー間の開発プロセスを迅速化し、改善することができる。その結果、自動車メーカーおよびエンドユーザーは、常に最新かつ革新的な車両機能を利用することができる。

 

ZFは、自動車メーカーのソフトウェアアーキテクチャに、ミドルウェアのモジュール型アプローチで対応し、フルプラットフォームソリューションのほか、メーカーのソフトウェアプラットフォームに統合できる単一のモジュールも提供することができる。次世代車両向けのスケーラブル・スーパーコンピューティング・プラットフォーム「ZF ProAI」により、ソフトウェア、コンピューティング、センサー、コネクテッドアクチュエータなどで構成される包括的なシステムを顧客に提供する。

 

2021年にグローバルソフトウェアセンターを設立
ZFは、ソフトウェア、ファンクション、スマートシステムでの新たな挑戦に備え、年明けにグローバルソフトウェアセンターを設立し、多くの開発を積極的に進めていく。ZFのヴァイス・プレジデントでソフトウェアソリューション&グローバルソフトウェアセンターの責任者、ニコ・ハートマンがその所長を務める。ヴァリザー博士は次のように述べている。「グローバルソフトウェアセンターは、グループレベルで将来のアーキテクチャ向けのソフトウェアシステムを開発し、それらを全社で利用可能にします。」そして、ZFは新しいトレンド、テクノロジー、方法、手順、ツール、機能をコーディネートし標準化することで、すべての事業部がソフトウェアを共通の開発プラットフォームで利用できるようにするとしている。

 

また、ハートマン博士は次のように述べている。「私たちはソフトウェア開発を『集中化』することを目指していません。このアプローチは斬新で、ソフトウェアに対して新たな見方を示すものですが、理由は簡単です。経験豊富なチームが長い間、コンポーネントレベルでハードウェアとソフトウェアを連動して開発してきたところで、そのコンピテンシーを減らさないためです。その代わりに、補完的なサポートを提供し、理想的な包括的条件を作成するための共同ソフトウェア統合プロジェクトを進めます。これにより、エキスパートチームは作業に集中しながらも、グローバルソフトウェアセンターを介して最新のリソースにアクセスできます。一方、このミドルウェアなどの純粋なソフトウェア製品は、グローバルソフトウェアセンターで一元的に作成されます。また、それらをすべての人が活用することができるようにします。」

 

このようにして、中期的には、ZFグループ全体の組織構造と開発環境を均一化。未来のソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)のニーズを満たすため、ソフトウェアを、顧客やパートナーと連携しより迅速に開発、適応させていくという。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。