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2018年11月28日【エネルギー】

日産自動車、EVのエコシステム「ニッサン エナジー」発表

坂上 賢治

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 Vehicle-to-building(V2B)
V2Hと同様に、V2BはEVのバッテリーに貯めた電力を使ってビルや事業所に給電するシステムがV2Bである。

企業がV2Bで大きなコストダウンを実現するには数百台のEVが必要なため、本格的なV2Bシステムの実証実験が様々な国で始まったばかりだ。また日産は複数のパートナーと協業し2019年にV2Bシステムの市場投入を目指している。

 

 Vehicle- to-grid(V2G)
日産は、電力会社や行政機関と提携し、V2Gの活用も検討している。欧州で行われている実証実験では、日産車が電力網に複数のサービスを提供し、エネルギー需給のバランスをとることや再生可能エネルギーの活用促進に寄与する。

 

日産は複数のパートナーと共にEVユーザーがクルマを利用しない時に移動手段としてのニーズに影響を与えることなく、車載バッテリーに蓄えた電力を共有。収入を得られる仕組みの検討を目下、精力的に進めている。

これにより日産は、自社のEVに搭載されるバッテリーは、クルマで使用された後でも高い性能を有していることを示した。例えば電動フォークリフトの動力源や競技場への電力供給源としてなど、様々な用途への再利用・再製品化が可能だ。またEVが普及し、EVの買い替えが進むことで、二次利用可能なバッテリーの供給は大きく増加するという。

 

 

 上記を踏まえて日産では、横浜のグローバル本社ギャラリーにて、この家とクルマの間で電力を相互供給できるような繫がる社会の構築をデモンストレーションとして体現した「Nissan Energy Home(ニッサン エナジー ホーム)」を日産グローバル本社ギャラリーにて公開した。

 

この「ニッサン エナジー ホーム」のデザインは、日産のグローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏と、彼が率いる空間デザインチームが手掛けた。

木材と中の見える透明な壁に囲まれたモデルハウスは、日本の伝統文化と近代性を表現しており、洗練されたスタイリッシュさと自然を感じさせるデザインとなっており、デモンストレーション・ハウスにはソーラーパネルと「日産リーフ」、同車のバッテリーに蓄電された電力を家庭での電力ニーズに合わせて供給する「Vehicle to Homeシステム」が設置されている。

 

そのなかでフローリングや壁に沿って点灯するブルーのイルミネーションが、ソーラーパネルや「日産リーフ」のバッテリーから供給される電気の流れを示している。また開放感のある間取りは、電気の流れに沿って各部屋を自由に行き来できる設計とした。

 

先のダニエレ・スキラッチ氏は「「ニッサン エナジー ホーム」は遠い先の夢や未来ではなく、既存の技術を活用して実現できることを示しています。「ニッサン エナジー シェア」、「ニッサン エナジー サプライ」などの「ニッサン エナジー」の取り組みを活用することで、EVは災害などによる停電時の緊急電源としても活用できることがご理解頂けます。

 

『ニッサン エナジー ホーム』は『ニッサン インテリジェント モビリティ』と『ニッサン エナジー』とはどのようなものか、そして、それらがお客さまの現在、未来の生活にどのように組み込まれるかを示しています。日産グローバル本社ギャラリーでそれを是非ご体感ください」と結んでいる。( MOTOR CARSから転載  )

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。