NEXT MOBILITY

MENU

2022年9月22日【新型車】

SKYグループ、パガーニ・ユートピアを披露

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

SKYグループは9月22日、オフィシャルパートナーを結ぶパガーニ・アウトモビリ( Pagani Automobili )が、伊・ミラノのカリアリにあるオペラハウス「テアトロ・リリコ・デ・カリアリ」に於いて先の12日に世界発表した「パガーニ・ユートピア( Pagani Utopia/世界限定99台 )」を改めて披露した。( 坂上 賢治 )

 

 

元々ランボルギーニ所属のデザイナーだったオラチオ・パガーニ氏が独立を果たし、1999年のジュネーブモーターショーで「ゾンダC12」を披露した当時、僅か25名のチームだった「パガーニ・アウトモビリ」は、今や180名のスタッフを擁する自動車メーカーとなっている。

 

 

ただ拠点は、本質的にはコーチビルダーを思わせるアトリエ然として風情で、あくまでも家族経営による工房のような印象を与える。生産設備も年間50台の組み立てラインというより、むしろ仕立て屋のアトリエのようだ。

 

 

そんな拠点で、今発表のパガーニ ユートピアも6年以上の時間軸のなかで4,000枚以上のスケッチ、10台のスケールモデル、1台の風洞用モデル、2台の1:1スケールモデルを経て、8台のプロトタイプを作り上げた。

 

 

そのユートピアのエクステリアは、それまでのパガーニらしいボディラインを備えつつ、より流れるような曲線的なフォルムにする事で新たな表情と輪郭を造り出した。

 

その大きな特徴は、大型スポイラーなどの余計な空力的なパーツを用いず、ボディデザインのみで大きなダウンフォースと空気抵抗の低減を実現しているところにある。

 

 

鍛造ホイールの外周に設けられたタービン状のカーボンファイバー製エクストラクターは、ブレーキから熱気を逃がし車体下部の乱流を軽減させる。タイヤハウスに収められたタイヤはピレリ製。ホイールサイズはフロントが21インチ、リアが22インチとなっている。

 

ブランドデザインの特徴になっているチタン製のクワッドエキゾーストは健在で、熱を効率よく逃がすためにセラミックコーティングが施されている。

 

 

対してインテリアでは、液晶モニターは最小限に、それ以外のメーターは全てアナログ式とした。ステアリングホイールやペダル類は全て無垢のアルミブロックからの削り出し、ギアレバーの機構はむき出し状態で洗練さを感じられるフィニッシュが施されている。

 

パワーユニットは、メルセデスAMG製の6リッター・ツインターボエンジンで864bhpの出力と1,100Nmのトルクを生む。なおカリフォルニア州の厳しい排ガス規制をクリアしている。

 

 

トランスミッションは重いデュアルクラッチを採用せず、コンパクトで軽いXtrac製のヘリカルギアを用いた7速マニュアル・ギアボックスを低重心化させるため横置きに積んだ。

 

車体に係るフィッティングでは、風洞実験に多くの時間を費やした結果、高速域でも確実なハンドリング性能と安定性を備えさせる事が出来ているという。

 

 

ダブルウィッシュボーン・サスペンションは航空宇宙用のアルミニウム合金製で、日常のロードユースにも対応した仕様とした。

 

歴代モデルにも採用されてきた強度と軽さに優れたカーボンモノコックは、繊維の織り方を改善し、カーボン・チタニウムやカーボトライアックスなどの複合素材との組み合わを追求。38%の剛性向上を果たしている。

 

 

Pagani Utopia 諸元

乾燥重量   :1,280kg(2,822lb)

最大出力   :864HP(635kW) at 6,000 RPM to 5,900 RPM

最大トルク  :1,100 Nm from 2,800 RPM to 5,900 RPM

エンジン   :Pagani V12 60°5,980 cc twin turbochargers, developed

        on a bespoke basis by Mercedes-AMG

ギアボックス :Pagani by Xtrac 7-speed transversal AMT

        (Automated Manual Transmission) or pure manual,

        with electro-mechanical differential

シャーシ   :Monocoque in Pagani Carbo-Titanium HP62 G2

        and Carbo-Triax

        HP62 with front and rear tubular subframes

        in CrMo alloy steel

サスペンション:Forged aluminum alloy independent double wishbone with

        helical springs and electronically controlled shock

        absorbers

ブレーキ   :Pagani by Brembo 4 ventilated carbon-ceramic discs

        brake unit,

        410×38 mm with 6 pistons monolithic calipers at the front and

        390×34 mm with 4 pistons monolithic calipers at the rear

タイヤ    :Pirelli PZero Corsa 265/35 R21 at the front and 325/30 R22

        at the rear; Pirelli SottoZero for driving in low temperatures

 

 

SKY GROUP「PAGANI」神戸ショールーム

〒651-0088 兵庫県神戸市中央区小野柄通4-1-15 振興ビル1階

営業時間:10:00-18:00

定休日 :火曜日

TEL   :078-231-8336

 

SKY GROUP「PAGANI」品川ワークショップ

〒142-0041 東京都品川区戸越6-13-14

定休日:水曜日

TEL  :03-3447-1909

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。