NEXT MOBILITY

MENU

2023年12月6日【新型車】

スズキ、小型乗用車の「スイフト」をフルモデルチェンジ

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スイフト HYBRID MZ

 

スズキは12月6日、小型乗用車「スイフト」をフルモデルチェンジして発表した。販売にあたってはCVT車を2023年12月13日より、5MT車は2024年1月17日に発売する予定。目標販売台数(年間)は30,000台。メーカー希望小売価格は1,727,000-(XG/2WD)から2,332,000-(HYBRID MZ/4WD)のプライスタグが付いている。

 

 

今回、刷新された新型スイフトは、歴代スイフトで培ってきたデザイン性や走行性能に加えて、安全装備や利便性の高い装備が充実させたことで、「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値をスイフトに加えたものとなる。

 

 

 

これは20歳代から30歳代のユーザーが半数を占めていた先代車を踏まえて、〝走りの魅力〟を追求しつつも、昨今のZ世代がクルマに求める扱い易さなどの日常の使い勝手に配慮したものだと車両開発側では述べていた。

 

なおデザインに関しては、フロントノーズからウエストラインに掛けてクルマ全体を包み込む特徴的なラウンド形状を形作って、これに外側へ張り出したフェンダーを組み合わせ、走りを想起させる躍動的な造形を造り出した。結果、見るからに安定感を感じさせるフォルムとしている。

 

 

一方でルーフは軽快な印象を与えるフローティングルーフとした。ライト類はLEDヘッドランプ、LEDフォグランプ、リヤコンビネーションランプのLED化などでワイド感と先進性を訴求するものに換えている。

 

 

空力性能面ではバックドアサイドスポイラーの採用や、フロントストレイク、フロントバンパー、ホイール形状などを最適化したことによって、先代のスイフトより空気抵抗を約 4.6%低減させ、走行燃費の向上にも配慮。

 

 

外板素材は高張力鋼板使用範囲の拡大や構造用接着剤の採用により、車体剛性を高めたことで、より安定した操安性や乗り心地に貢献のための腐心を重ねたという。加えてバッフル材追加やボディー結合部へ減衰接着材の塗布などによって静粛性も向上した。

 

 

なお車体色は、新色の「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」を含む全 9 色、13パターンのラインアップとしている。

 

 

このなかで新たな車体色となる「フロンティアブルーパールメタリック」は、同社がクルマツづくりを行う拠点である浜松が、青い空と海や河川などで取り囲まれていることから、次世代車を送り出す企業イメージとして新たな青系塗色を新提案。同塗色については今後、他社への横展開も視野に入れているとした。

 

対してインテリアでは、インパネとドアトリムを繋げたデザインとすることで乗員を回り込むように包み込む安心感を訴求した。なかでも内装素材の触感や視覚的なイメージには拘りを見せており、一部に見た方向によって表情を変える内装材のマテリアル感にも腐心したという。

 

 

細かな点では、運転席周りのオーディオやスイッチ類をドライバーの使いやすさを考え、全てをドライバーに向き合う角度として、自然な姿勢で操作ができるレイアウトとした。

 

またパワートレインは、新開発の3気筒・Z12E型エンジンとCVT を組み合わせて、燃費性能と走行性能の両立を実現させたとしている。勿論、スイフトとして根強い人気(販売車両の5%がマニュアル車)を持つ5速マニュアルトランスミッション搭載車も用意される。ちなにみマイルドハイブリッド車での5MT搭載は、国内販売のスズキ車としては初になるという。

 

安全装備については、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合せたデュアルセンサーブレーキサポートⅡを採用している。また、電動パーキングブレーキの採用により停止保持機能を追加したアダプティブクルーズコントロール[全車速追従機能・停止保持機能付]やブレーキホールド、車線維持支援機能、アダプティブハイビームシステム※3 などの組み合わせにより、日常運転の負担の軽減にも腐心した。

 

 

関連の初採用装備では、ドライバーの表情を認識し、眠気や脇見をカメラ検知してドライバーに注意を促すドライバーモニタリングシステムを搭載している。この部分では、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーS ワイド」、国土交通省による「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」※にも該当している。

 

メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
* 2WDは前輪駆動。* 価格には、リサイクル料金、保険料、税金(除く消費税)、登録等に伴う費用は含まれまない。* WLTC=Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle 市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード。* 環境対応車普及促進税制による自動車重量税の減税措置は 2026 年 4 月 30 日新車登録まで。記載の自動車重量税減税率は 2025 年 4 月 30 日新車登録まで。

 

* メーカーオプション(消費税 10%込み)
* Bluetoothは米国Bluetooth SIG, Inc.の登録商標。※7 サービスを利用する場合、スズキコネクトに加入する必要がある。

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。