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2023年12月6日【自動車・販売】

スズキ 新型スイフトのCVT車が12月13日から発売

松下次男

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Z世代を中心に、若者層から訴求、5MT車の発売は1月17日

 

スズキは12月6日、新型小型乗用車「スイフト」のウェブ発表会を開き、12月13日からCVT(無段変速機)車を発売すると発表した。新型車は4代目で、鈴木俊宏社長は「スイフトの誕生により、スズキが大きく成長できた」と世界戦略車に位置づけるモデルだと強調した。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

新型スイフトは先のジャパンモビリティショーでコンセプトモデルを公開。同車には5MT(マニュアルトランスミッション)も設定しており、MT車は2024年1月17日から発売する。新型スイフトの国内の目標販売台数は年間3万台。

 

2004年に発売したスイフトはこれまでに169か国・地域に投入しており、累計販売台数は今年10月末時点で約900万台に達する。新型車も日本を皮切りに、順次、世界各国で販売する。

 

鈴木社長は一新した新型スイフトについて最新のパワートレインに加え、先進の安全予防技術を装備することにより「洗練されたスマートコンパクト」に仕上がったと表現した。

 

スイフトが位置するカテゴリーのコンパクトハッチは日本市場で約20%のマーケットシェアがある。

 

主要なターゲット層はZ世代を中心にした若者層で、これまでも同モデルの購入者は「20歳代から30歳代の若年層が半数を占め、他社の同クラスのユーザーより年齢層が約10歳若い」(小堀昌雄チーフエンジニア)と話す。

 

新型スイフトは「エネルギッシュ×軽やか、日常の移動を遊びに変える洗練されたスマートコンパクト」をコンセプトに開発。車両パッケージングは3代目とほぼ同じで、全長3860ミリ、全幅1695ミリ、全高1500ミリのコンパクトサイズだ。

 

商品特長では「一目見たら印象に残るデザイン」や「細部にまでこだわって進化させた走行性能・乗り心地」「日常運転に安心をサポートする先進の安全技術」「使い勝手のよい装備」などをアピールする。

 

パワートレインは、新開発の1・2リットル3気筒のZ12E型エンジンとCVTを採用。1リットル当たりの燃費はマイルドハイブリッドモデルで25・4キロメートル(2WD車、WLTCモード走行)の低燃費を達成。

 

4代目は5MT車にもマイルドハイブリッドを標準装備する。ちなみにMT車の販売比率は5%程度とし、ユーザーからの要望が高かったことからMT車の設定を残した。

 

先進安全装備では、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートIIを採用。先代のスイフトに搭載されていたデュアルセンサーブレーキサポートよりも画角・検知エリアを拡大し、検知対象に自転車や自動二輪車を追加、交差点での検知にも対応する。

 

ナビゲーション横に取り付けたカメラがドライバーの顔情報を認識し、取得した顔情報から居眠り、眠気、脇見を検知して注意を促し、安全運転をサポートするドライバーモニタリングシステムをスズキで初めて採用した。

 

さらにフロントバンパーとリヤバンパーに内蔵した超音波センサーにより、前方または後方の壁などを検知し、衝突の可能性があると判断した場合に被害軽減・衝突回避を試みる低速時ブレーキサポート(前進・後退)を搭載(5MT車を除く)。

 

このほかミリ波レーダーと単眼カメラにより、車両前方の状況を認識し、ハイビームの照射範囲を制御するアダプティブハイビームシステムなどを採用し、運転操作の負担軽減を図っている。

 

車両価格(消費税込み)はエンジン車(XG)が172万7千円(2WD)と189万2千円(4WD)。マイルドハイブリッドモデル(CVT車)が192万2800円から233万2千円。5MT車は192万2800円。

 

価格は前モデルに比べて多少アップしたが、国内営業本部長の鈴木敏明取締役専務役員は「原材料費の高騰や安全装備の充実分が含まれる一方で、コスト削減によりお求め安くなるよう上昇を抑えた」と説明した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。