NEXT MOBILITY

MENU

2018年9月20日【テクノロジー】

独・VW、次世代EV用「ID.」プラットフォーム初披露

NEXT MOBILITY編集部

フォルクスワーゲン・ロゴ

 独・フォルクスワーゲンAG(本社:ドイツ・ニーダーザクセン州ヴォルフスブルク)はドイツ時間の9月17日、自社の次世代EVシリーズに適応させた「ID.(アイディ.)」専用シャシーを初披露した。そして今後は、この最新電動プラットフォームを用いてフォルクスワーゲンブランドのコンパクトカーのリリースを皮切りに、傘下グループ全域のSUVやバンに至るまで、幅広い車種展開を行っていく方針を示した。

 

 

 この新たなEVプラットフォームの最も大きな特徴は、電気自動車専用にゼロから設計されたことにある。同社はこれまで、電動車やハイブリッド車開発で既存の内燃エンジンを搭載したクルマを前提に次世代自動車を輩出し続けてきた。

 

そうしたケースでは一般的に、従来から代々の設計者が受け継いできたクルマ造りの考え方をベースに、車両の設計コンセプトを組み立て直す。または既に存在する内燃エンジン搭載車を手直しする等で、新たなハイブリッドカーや電気自動車に仕上げることが多かった。

 

しかし今回のID.用シャシーでは、既存の自動車業界で使い古された旧態依然とした開発手法を全て投げ捨て、電気自動車専用にゼロからプラットフォームを完全設計した。それゆえに新たなID.シャシーは、従来主流とされていたクルマづくりとは一線を画すものになったのだという。

 

したがって今回は、プラットフォーム設計前の段階で旧来の動力ユニット搭載を全く考えることなく、電動ユニットをいかに効率的に搭載し活用していくかに腐心した。それによりEVとして純粋な技術的可能性を最大限に追求することが出来、車両設計時の各部機能パーツの配置を筆頭に、開発コンセプトそのもの自体が、これまで以上に柔軟な考え方に基づくものとなった。

 

 

 

 このID.シャシー発表の壇上に立ったフォルクスワーゲンAG・e-モビリティ製品群開発責任者のクリスティアン・ゼンガー氏は、車両開発に関わる考え方と取り組みについて「このID.シャシーは、当社の自動車開発史で新たなマイルストーンになるでしょう。

このシャシーをベースとしたクルマ達は、今後何百万人もの人々が手に入れることができる近未来の真の電気自動車であり、併せてこのクルマは、完全なコネクテッド機能と実用性を兼ね備えたフォルクスワーゲン初のEVとなります」と語った。

 

 次のページへ

1 2 3
CLOSE

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。