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2018年3月7日【エネルギー】

GM、埋立廃棄物ゼロを世界へ。米大陸全域の製造拠点で廃棄物ゼロ拡大

NEXT MOBILITY編集部

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ゼネラルモーターズ(GM)は米国時間の2月28日、業界に先駆け、埋立地不要の廃棄物処理プログラムをカナダ、メキシコ、南米にある全ての製造拠点に拡大すると発表した。

GM・ロゴ

これらの工場では既に、日常的な生産活動に伴うすべての廃棄物をリサイクル、再利用するだけでなく、エネルギーに変換。

 

今回新たに27の施設が認定されることで、GMの埋立廃棄物ゼロの製造施設および非製造施設は、全世界で142カ所になると云う。

 

 

サステナブル・ワークプレイス担当のGMバイス・プレジデント デーン・パーカーは、「私たちが目指すのは、すべての製造工場で廃棄物処理の埋立地を持たない、廃棄物ゼロ企業です。この廃棄物ゼロを推進しているのは、弊社のローカルチームであり、実際の生活や労働の場であるコミュニティーを改善するための、革新的かつ持続可能なソリューションを見つけ出そうする彼らの努力により実現しています」と、述べている。

 

カナダでの取り組み

 

カナダの製造拠点では、埋立処分となる廃棄物をすべて生産活動に流用することで資源を維持、温室効果ガスの排出削減を実現しているとのこと。

 

また、小規模でシンプルなソリューションも、効果を発揮しつつあるとし、その例として、オシャワの組立工場とカナダのテクニカルセンター(オシャワ・キャンパス)を挙げている。

 

これらの事業所では、簡易キッチンや人通りの多い場所にゴミ、堆肥、リサイクル用の新しいコンテナシステムを設けたことで、リサイクル効率が向上。

 

現場での指導や従業員の参加により、回収ボックスを利用したリサイクル率は、2016年以降、45%から80%へ上昇したと云う。

 

GMのグローバル・ウエイスト・リダクション担当マネジャー ジョン・ブラッドバーンは、「私たちは、物事をただ見るのではなく、その可能性に目を向けます。私たちにとって廃棄物は、有効な資源と捉えることもできます」と述べている。

 

 

南米での取り組み

 

南米のチームは、古いコンクリートを敷地内の新しい歩道に再利用する試みから、塗装工程で使った、油が染み込んだクロスを廃棄せずクリーニングして活用することまで、廃棄物削減のために創造性に富んだ、かつシンプルなソリューションを模索。

 

例えば、ブラジルにあるサン・カエタノ・ド・スル工場では、施設全体から出た空き缶を、サプライヤーが部品の出荷に使用していたビニール袋に入れて廃棄。

 

このプロジェクトにより、毎年約8,000枚のビニール袋を埋立処分せずに済んだとのことだ。

 

 

GMは、世界規模での廃棄物管理への取り組みは、効率性の向上、利益の創出、コスト削減、会社の売上と利益にとって重要であると認識。

 

79カ所の埋立廃棄物ゼロの製造拠点では、日常的な生産活動に伴う廃棄物のうち平均で約96%が再利用やリサイクル、または堆肥用に回し、残りの4%はエネルギーに変換しているとのことだ。

 

同社はまた一方で、グローバルな事業展開と社外との協力関係、ベストプラクティスの共有が重要であるとし、米国「Materials Marketplace」を支援。

 

「Materials Marketplace」は、従来の産業廃棄物フローと異なるフローをマッチングさせて新しい製品や収益機会につなげるための、企業向けオンライン・データベースである。

 

更に、埋立廃棄物ゼロの青写真を共有するだけでなく、毎年約25社を対象に、複雑化する廃棄物処理の最適な管理手法について指導・育成。

 

新たに認定を受けた埋立廃棄物ゼロ施設およびその他の情報は、同社サイトで確認することができる。

 

 

GM.green:

http://www.generalmotors.green/product/public/us/en/GMGreen/home.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。