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2021年6月16日【ESG】

ホンダの砂浜清掃活動が15周年。回収ゴミの総量490tに

NEXT MOBILITY編集部

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ホンダは、“素足で歩ける砂浜を次世代に残したい”との想いから2006年に始めた、砂浜の清掃活動「Hondaビーチクリーン活動」が、今年15周年を迎えたと発表した。

 

当初ホンダの従業員やOBなどの15人からなる「ビーチクリーンキャラバン隊」で始められた活動は、現在、全国のホンダ販売店等、グループ企業や地域住民等に協力の輪が広がり、年間参加者7,000人を超える活動へと発展。これまでに全国200カ所以上の砂浜で約400回の清掃を実施し、回収したゴミの総量は490トンにものぼると云う。

活動では、目につく大きなゴミを手で拾った後、独自開発した「Hondaビーチクリーナー」を使用して砂を除き、ゴミを回収。回収ゴミの中には、危険なガラス片や釘、生態系への影響が懸念されるペットボトルなど、様々なものがある。

 

 

 

 

ホンダでは、この砂浜の清掃活動を、子供を対象とする環境授業としても展開しているが、活動15周年の節目にあたり、車椅子の利用者も参加できる「Hondaビーチクリーン・ユニバーサルプロジェクト」を、この秋に大分県で実施予定。この新たな試みを通じて、車椅子で砂浜を移動する喜びや、海辺の楽しさを体感してもらうことで、ビーチクリーン活動から生まれるさらなる喜びの拡大を目指したいとしている。

 

 

 

 <活動実績> ※2020年はコロナ禍のため活動中止

参加人数(累計55,959人)

 

 

活動を支える技術:Hondaビーチクリーナー

 

ホンダのATV(all-terrain vehicle、全地形対応車)技術者が、市場性調査の際、様々なゴミが散乱する砂浜を見て“技術で海岸をきれいにしたい”と考えたことをきっかけに独自開発されたHondaビーチクリーナーは、砂浜の走行に適したATVを用い、特許を取得した機材を牽引し清掃を行うシステム。

 

・サンドレーキ:ゴミをかき集める熊手

底部の多数のピンが砂を掘り起こし、中に埋もれたゴミを回収。重量は約30kg、ピンの長さは砂の中に生息する生き物への影響を考慮して10cmとした。

 

・サンドスクリーン(通称:バタバタ):砂とゴミを分けるふるい

前部の鉄のバーが小さなゴミを砂とともに跳ね上げ、スクリーン(網)をバタバタと振動させて砂をふるい落とし、ゴミだけを回収する仕組み。重量は約70kg。砂浜への負荷を小さくするため、シンプルで軽量な構造となっている。

 

・ゴミ回収ステーション:ゴミを回収・分別

トレーラーの荷台にレール状のパイプを組んでゴミを回収。サンドレーキやサンドスクリーンで集めたゴミをここで回収し、スタッフの手で丁寧に分別。

 

・回転式スクリーン(通称:ぐるぐる):砂とゴミを分けるふるい

回転式ドラムの中にゴミ混じりの砂をスコップで投入し、ぐるぐる回すことで砂をふるい落としてゴミを回収。サンドレーキやサンドスクリーンが使えない、砂が湿った波打ち際や海岸の隅でも使用でき、活動範囲を拡大。

 

なお、WIPO GREEN(※1)に登録されている上記技術は、6月17日にオンライン開催される日本知的財産協会(JIPA)環境シンポジウム(※2)にて、環境対策の具体的技術として紹介される。

 

※1:国連の世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)によって2013年に設立された国際的な環境技術パッケージプラットフォーム。データベースおよびネットワーキングを通じて環境技術の提供者とそれを使いたい希望者をつなぎ、環境保全技術におけるイノベーションの促進と普及を目指している。

※2:環境シンポジウムHP:https://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/210617_intl_ip_sympo.html

 

 

上段左:サンドレーキ/上段右:サンドスクリーン/下段左:ゴミ回収ステーション/下段右:回転式スクリーン。

上段左:サンドレーキ/上段右:サンドスクリーン/下段左:ゴミ回収ステーション/下段右:回転式スクリーン。

 

 

ホンダは、豊かな自然、クリーンな海、すべての人の安全、子ども達が自由に夢を叶える未来、みんなが暮らしやすい社会など、夢のある明日の社会づくりを目指し、今後も、社会貢献活動に積極的に取り組んでいくとしている。

 

 

■(ホンダ)Hondaの社会貢献活動:https://www.honda.co.jp/philanthropy/beach/15th_anniversary/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。