NEXT MOBILITY

MENU

2021年9月6日【コンプライアンス】

国交省、中央道耐震補強不良工事等で大島産業を指名停止

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

国土交通省の大臣官房官庁営繕部は9月6日、E20 中央自動車道(中央道)を跨ぐ跨道(こどう)橋などの耐震補強工事の施工不良に係る問題で、工事を施工した大島産業(福岡県宗像市冨地原1791-1)に対して、官庁営繕部が発注する工事への指名を、同日から10月18日迄の6週間停止すると発表した。

[指名停止措置の概要]

 

1.指名停止措置業者名及び住所

<指名停止措置業者、法人番号、住所>
株式会社大島産業、6290001036934、福岡県宗像市冨地原1791-1

 

2.指名停止措置期間

令和3年9月6日~令和3年10月18日(6週間)

 

3.指名停止措置の範囲

官庁営繕部の発注する工事

 

4.事実概要(原文ママ)

株式会社大島産業は、中日本高速道路株式会社発注の中央自動車道天神橋他6橋耐震補強工事及び西日本高速道路株式会社発注の九州自動車道久留米高速道路事務所管内南部地区橋梁耐震補強工事において、異なる下請契約を記載した虚偽の施工体系図等を作成した。

 

このことが、建設業法第28条第1項第2号に該当するとして、令和3年8月31日に福岡県知事より10日間の営業停止処分を受けたものである。

 

5.指名停止措置理由(原文ママ)

 

上記4は、「官庁営繕部所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」別表第2第13号(建設業法違反行為)に該当すると認められる。

 

<官庁営繕部所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領(別表第2第13号)>

 

■措置要件(建設業法違反行為)

13 官庁営繕部が所管する区域内において、建設業法(昭和24年法律第100号)の規定に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められるとき(次号に掲げる場合を除く。)。

 

■期間

当該認定をした日から1ヵ月以上9ヵ月以内

 

6.問い合わせ先

国土交通省大臣官房官庁営繕部管理課
・電話:(03)5253-8111 (内線23154,23155)/直通(03)5253-8231/FAX:(03)5253-1541

 

 

※(国交省)PDF:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001422043.pdf(なお、掲載期間経過後、別紙は削除)。

 

 

[経緯]

 

中央道・緑橋A1橋台で鉄筋不足の施工不良を発見

 

昨年11月4日、中日本高速道路(NEXCO中日本)八王子支社が、大規模地震の際に落橋・倒壊を防ぐ目的で大島産業に発注した、中央道を跨ぐ跨道橋の耐震補強工事(※)に関して、「緑橋A1橋台(下り線側)」の鉄筋コンクリート構造物の一部で、鉄筋が不足する施工不良が判明。

 

NEXCO中日本は、この工事の瑕疵を確認したとして、当該箇所の再施工を自身で実施し、係る費用を大島産業に損害賠償請求することを決定した。

 

 

 

 

また、大島産業が施工した他の橋梁についても、同様の疑いがあることから、同社に対して追加調査を指示。また自身でも調査を行い、新たに施工不良が確認された場合には、速やかに補修することとした。

 

<工事の概要>

– 工事件名:中央自動車道天神橋他 6 橋耐震補強工事(平成30年度)
– 対象橋梁:天神橋、国立橋、大谷第二橋、原山橋、北原橋、絵堂橋、緑橋
– 工事期間:(当初)2018年8月29日~2019年10月22日(420日間)

(最終)2018年8月29日~2020年10月28日(792日間)

– 契約金額:(当初)602,424,000 円(税込)

(最終)1,329,101,664 円(税込)

– 受注者:株式会社 大島産業

 

 

 

 

新たな3カ所で施工不良が判明

 

NEXCO中日本による独自調査(鉄筋探査)の結果、11月13日、新たに中央道を跨ぐ跨道橋の橋梁の下部工3基で鉄筋が不足する施工不良が判明。補強部の一部ひび割れが発生していた箇所への応急措置として高速道路本線へのコンクリート片の落下を防ぐための防護を実施した。

 

これを受けて、原因究明と再発防止策のあり方を検討するための外部有識者(学識経験者および弁護士)による調査委員会を設置することとした。

 

<新たに判明した施工不良箇所>

①跨道橋「緑みどり橋 A2橋台(上り線側)」
②跨道橋「北原橋 A1橋台(下り線側)」
③跨道橋「絵堂橋 A1橋台(下り線側)」

 

 

調査委員会の設置について発表

 

NEXCO中日本は、11月16日、八王子支社が発注した橋梁の耐震補強工事の施工不良の原因究明のための調査と再発防止のあり方の提言を行うための外部有識者による標記委員会を設置し、第1回委員会を11月20日の14時を目途に、東京支社で開催することとした。

 

<調査事項>

・工事の施工に関する管理(発注者・受注者間の調整状況等)及び検査状況等の調査
・下請契約を含む施工体制の適正性に関する調査
・契約の適正性(契約経緯や変更契約額等)に関する調査
・調査結果を踏まえた再発防止のあり方の提言
・その他同件事案の原因究明のための調査と再発防止の検討

 

 

その後、委員会は12月26日に、調査に関しての中間とりまとめを行い、「確認された事実関係」の「工事の施工に関する管理及び検査状況等に関すること」において、以下の内容を公表している。

 

<現時点までに確認された事実関係(P3~4)> (原文ママ)

 

(1)工事の施工に関する管理及び検査状況等に関すること

 

①2度の入札不調の発生後、ロットの変更、競争参加資格の緩和により2社の応札があり、重点調査基準を下回る低入札で応札した受注者と2018年8月に本件工事の契約を締結した。低入札調査及び契約締結時の誓約書提出、前払い金の減額など低入札の際に求められる必要な措置は講じられていた。受注者は、NEXCO中日本の工事については初めての受注であった。

 

②契約締結後、受注者は、監督員の指導にもかかわらず、品質管理、工程管理に関する書類の未提出、工事工程の遅延、手薄な現場管理体制等の改善が見られないことから2019年1月に改善措置を文書で請求し、改善措置計画の提出を求めた。提出期限は約2週間に設定されていたが、実際に受注者から最終的に提出されたのは、期限を2か月以上経過した後であり、改善措置計画の提出後もその内容が守られることはなかった。

 

③受注者は、工程表の未提出(1割以上)や定期の工程会議への欠席(2割弱)、立会検査願を提出せず(後付けが約3割)、実工程も予定と異なっていたという状況が確認されている。
④NEXCO中日本の本件工事に対する施工管理体制について確認したところ、担当者(施工管理員)1名が2019年9月に交代していた。

 

⑤ 施工不良の発生した緑橋のA1橋台については、立会検査願が提出されないまま、2019年12月に鉄筋組立が行われていた。その後、監督員による立会検査又は監督員が認めた自主検査がされることなく、2020年1月に最終工程であるコンクリート打設が実施されていた。

 

 

■(NEXCO中日本)E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会:https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/2020_chuo-exp/

■(NEXCO中日本)E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会・中間とりまとめ(2020年12月26日/PDF):https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/2020_chuo-exp/pdf/2020_chuo-exp_interim-guidelines.pdf

 

■大島産業:https://www.ohshima-sangyou.com/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。