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2021年2月16日【SDGs】

センシンロボティクス、石油施設の保守点検でドローン活用

NEXT MOBILITY編集部

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センシンロボティクスは2月16日、ENEOS川崎製油所が行う石油プラントにおける保守点検業務の安全性向上・効率化に向け、ドローンソリューションを活用した石油タンク及び配管の自動点検の実証実験を行ったと発表した。

 

センシンロボティクスが提供する『SENSYN FLIGHT CORE』を中心としたドローンソリューションは、簡単な操作で、ドローンを点検対象物と適切な離隔距離を確保しながら安定的に自動飛行させることが可能。ドローンで点検を行うことによって、定期的に行っているタンク上にある浮き屋根の点検が可能になる。

 

川崎製油所では、浮き屋根式タンクの定期点検業務において、毎日対象のタンクに人が登り点検を行っている。実証実験では、この業務をドローンで行った場合、上空から1基あたり5分程度の作業で対応することができ、目視による異常有無確認の代替手段として活用できることが分かった。

 

 

浮き屋根タンクの点検。1基ずつ登ることなく、目視点検が可能。

 

 

配管点検業務については、ドローンによって複数段かつ横に10列程度並んだ配管の奥までサポート部の劣化状況が確認することができ、機体のカメラをサーマルカメラに切り替えることで配管の劣化箇所も特定することができた。

 

 

 

配管奥部まで確認が可能。また、サーマルカメラを用いることで配管の劣化箇所の特定もできる。

 

 

センシンロボティクスは、ENEOSグループと、2018年より防爆エリアや上空飛行禁止エリアを考慮しながら点検を行える自動航行ルート設計を行うなど、石油事業におけるプラント設備点検の取り組みを行ってきた。川崎製油所のほか、大分製油所、水島製油所、堺製油所、根岸製油所、麻里布製油所、鹿島石油鹿島製油所、ENEOS喜入基地といった各事業所で取引実績がある。

 

また、ENEOSグループの資本参画を受け、将来のドローンステーション構築に向けた協業も開始している。

 

現在、石油精製などのプラントにおいて、生産性の向上や安全・安定的な操業の維持が求められる中、プラント設備の高経年化や若手の経験不足、ベテラン従業員の引退などによる保安力の低下が懸念されている。

 

こうした中、プラントにおいてドローンを活用することにより、塔類等の高所点検の容易化や大型石油貯槽タンク等の日常点検頻度の向上による事故の未然防止、災害時の迅速な現場確認が可能となり、プラントの保安力・利便性の向上や労働災害の減少に繋がることが期待されている。

 

センシンロボティクスは、将来的には顧客自身で簡単に設備の自動点検を行い、デジタル技術を活用した製油所安定・効率操業体制の確立の支援を目指している。また、ドローン以外のロボティクス技術を使ったソリューションも視野に入れているという。

 

 

■ENEOS 川崎製油所

川崎製油所は、陸上並びに海上輸送の便に恵まれ、大消費地である首都圏を背後に控えた川崎市臨海コンビナート内に位置。日本最大級の石油精製能力を持つ製油所で、日本最大の流動接触分解装置(FCC)、日本唯一の重質油脱硫分解装置(H-Oil)を有している。また、エチレン装置等とは同一敷地内で有機的に結ばれ、効率の高い生産体制を実現している。

 

■センシンロボティクス

http://www.sensyn-robotics.com

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。