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2020年11月27日【モータースポーツ】

トヨタ、WRC2020年の最終戦で全タイトルの獲得を目指す

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは11月27日、12月3日から6日にかけてイタリア北部で開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリー・モンツァ」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦すると発表した。
同チームは、WRC初開催となるターマック(舗装)ラリーで、ドライバー/コ・ドライバー選手権およびマニュファクチャラー選手権のタイトルを獲得すべく、全力で今シーズン最後の戦いに臨むと抱負を語った。

 

 

2020年のWRCは新型コロナウイルスの影響により年間カレンダーが大きく変わり、本来予定されていなかったラリーが新たに2戦加わった。今回のラリー・モンツァもそのひとつであり、シーズン最終戦としてタイトルを決定する重要な1戦となる。ラリー・モンツァの初開催は1978年と長い歴史を誇り、これまで多くのモータースポーツイベントがシーズンオフに入る11月の終わりに開催されてきた。とくにバイクレースの世界王者など多くのゲストドライバーが出場するイベント色の強いラリーとして人気があり、ラリードライバー以外の選手が優勝したこともあった。そして今シーズン、WRCの1戦として開催されることになり、主催者は大幅にステージを変更し、WRCの最終戦にふさわしい本格的なターマックラリーへと進化した。

 

 

今シーズンのWRCは全7戦での開催となり、ラリー・モンツァを前にエバンスがドライバー選手権で首位に立ち、2位に14ポイント差でオジエがつけるなど、ヤリスWRCを駆るふたりにタイトル獲得の大きなチャンスがある。また、マニュファクチャラー選手権ではTOYOTA GAZOO Racing WRTが首位のチームに7ポイント差の2位につけており、タイトル奪還の可能性を残している。エバンス、オジエともにラリー・モンツァへの出場経験はなく、ドライバー選手権5位のロバンペラは2016年に出場しているが、その時はWRカーではなくR5カーでの出場だった。

 

 

ラリーのメイン会場となるのは、F1世界選手権でも使われてきたモンツァ・サーキット(アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ)。イタリア北部、ロンバルディア州にあるこのサーキットは、ミラノの北東約15kmに広がる美しい国立公園内にある、1922年完成の歴史あるサーキット。以前はロードコースとオーバルコースのふたつがレースで使われていたものの、現在F1では改修されたロードコースのみが使われている。しかし今回はバンクがついたオーバルコースの一部もステージとして走行する。
12月の北イタリアは気温が低く、特に高所の山岳地帯では路面温度が上がりにくいためタイヤのグリップ力が充分に発揮されない可能性も。また、降雨、泥、落ち葉などによってコンディションが悪化することも考えられ、難しい路面での戦いとなることが予想される。

 

 

昨年までのモンツァ・ラリー・ショーでは、サーキットおよびサーキット内のサービスロードのみをステージとして使用していました。しかし、WRCとして開催される今年はサーキット外にもステージが設けられ、ロンバルディア州ベルガモの北側に展開する山岳道路でもステージが行なわれる。ラリーは12月3日木曜日の午後にサーキットで開幕し、4.33kmのショートステージを1本走行。

4日金曜日はサーキット内で5本計69.61kmのステージが行なわれるが、その一部にはグラベル(未舗装路)の路面も含まれる。

5日土曜日はサーキットを離れ、ベルガモ北部の山岳地帯で3本のステージを各2回走行。その後サーキット内で1本のステージを走る。土曜日の合計ステージ距離は126.95kmと長く、ラリー全体の半分以上を占める。

そして、最終日の6日日曜日は再びサーキット内が舞台となり、3本計40.25kmのステージを走行。最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。

4日間で16本のステージを走行し、その合計距離は241.14km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は513.90kmとなっている。

 

 

トヨタWRTのコメントは以下の通り。

 

 


 

 

<<トミ・マキネン(チーム代表)>>

「今シーズンの締めくくりとして、できればあと1戦ラリーをやりたいと誰もが思っていたと思います。この大事な一戦はファンの皆様、関係者の皆様のご支援により実現ました。チーム一同感謝申し上げます。今回のラリーは、通常のWRCイベントとは少し違った形での戦いになります。山間部のステージは、全選手にとって初めての経験となるので特に難しいと思います。我々のドライバーはこのクルマでのターマックラリーの経験があまり多くありませんが、今週のイベント直前テストも含めできる限りの準備を進めてきました。エルフィンとセブのどちらかがドライバーズタイトルを獲得することができそうですし、我々としては彼らを全面的にサポートします。マニュファクチャラーズタイトルについてもまだ獲得できる可能性があるので、ベストな結果を目指し最後までプッシュしなくてはなりません」

 

 

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>

「モンツァは新たな挑戦になるでしょう。再びクルマに乗り込み、タイトルを争う最後の機会を得られたことを嬉しく思います。家でシーズンの終わりを迎えるよりも、このように最後まで戦い抜く方がいいのは間違いありません。過去、このイベントに出場した経験はありませんが、ビデオの映像を見た限り、サーキット内のステージは最初のイメージほど簡単ではないと思いました。グラベルのセクションも少しあり、草や泥の上も走行しますが、ターマック用にセッティングされたマシンで走るのは簡単ではないでしょう。土曜日のステージは素晴らしい山道が舞台となりますが、天候次第では非常に難しいステージになるかもしれません。ターマックは開幕戦モンテカルロ以降走っていなかったので、今週のテストは、できるだけ多くの経験を積むためにも非常に重要です。失うものは何もないと思っていますので、プレッシャーは感じていませんし、できる限りの準備をして最善を尽くすのみです」

 

 

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>

「サルディニア以降、我々は常に次に出るイベントの準備に集中してきました。できるだけ多くのラリーが開催され、出場できることを常に願っていましたので、モンツァにはポジティブな気持ちで臨めます。良い結果を残すことが必要だと理解していますし、最大の力を発揮する準備はできています。主催者から提供されたビデオを見た限り、土曜日の山の上でのステージはとてもいい感じです。速くて流れるようなターマックのステージがいくつかありますが、この時期に走るのはかなり難しいかもしれません。このクルマでのターマックでの走行経験がやや不足しているのは確かですが、モンテカルロでは良いフィーリングでしたし、我々のクルマがターマックで速いことは知っています。難しいのは、サーキット内のステージは山間部とは全く違うことです。ですので、良いフィーリングを見つけられるようにベストを尽くし、クルマを上手くセットップしなければなりません」

 

 

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
「自分にとって、今年は大きな学びの年でしたが、ここまでのところ本当に順調です。常に、できるだけ多くのことを学んできました。今年は完全なターマックラリーが他にないので、この路面で学ぶべきことは1番多く、モンツァは自分にとって難しいラリーになるとは思いますが、楽しみでもあります。今週のテストは、モンテカルロ以来となるターマックでの走行だったので不思議な感覚でしたが、走る度にフィーリングは良くなっていきました。1年の終わりで非常に寒かったにも関わらず、それでもタイヤのグリップレベルはとても高く、ヤリスの運転を心から楽しむことができました。グラベル路面をターマック用のタイヤで走るなど、今までに経験したことがないこともあり、自分にとっては新しいタイプのラリーになるでしょう。全開でアタックし、できるだけ速く走りたいと思います」

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。