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2020年12月4日【SDGs】

筑波大、ペロブスカイト太陽電池の劣化機構を解明

NEXT MOBILITY編集部

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筑波大学は、電子スピン共鳴を活用し、従来の手法では困難であったペロブスカイト太陽電池の劣化機構を分子レベルで解明することに成功したと、12月4日発表した。

 

 

ペロブスカイト太陽電池は最近注目されている高効率な次世代の太陽電池。しかし、分子レベルのミクロな観点からの劣化機構が不明で、太陽電池の長寿命化の妨げとなっていた。

 

 

筑波大学では、独自に開発した太陽電池の構造を活用し、電子スピン共鳴と太陽電池の性能を同時に計測する、世界初開発の測定手法を用いて、その劣化機構を解明することに成功した。

 

 

この手法による計測の結果、太陽電池が動作している状態で、太陽電池の内部の電荷状態(スピン状態)の変化が太陽電池の性能(電流や電圧)と強く相関していることを見出した。そして、太陽電池の性能の変化は、太陽電池の構成材料である正孔輸送層の電荷状態の変化に由来することを明らかにした。この変化は太陽電池の電流の増加や低下と電圧の低下を生じさせるという。

 

 

また、太陽光に含まれる紫外光がペロブスカイト太陽電池の正孔輸送層のドーピング効果を劣化させていることも分かった。紫外光照射下で電子輸送層に生じた電子が、本来起こってはならない正孔輸送層へ移動し、その移動が暗状態でも持続的に生じていることを示した。

 

 

本研究チームの開発した手法により、太陽電池の性能の劣化を防ぐために必要な、これまでにない分子レベルの情報を提供することが可能となった。

 

 

今後、本手法で得られた分子レベルの情報を基にすることで、低コスト、高効率かつ長寿命な太陽電池の製品開発が効率よく進むことが期待されている。

 

 

■研究代表者

筑波大学 数理物質系、エネルギー物質科学研究センター
丸本 一弘 准教授

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。