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2018年11月16日【テクノロジー】

BASF、中国・3Dプリント事業のプリズムラボ社に投資

NEXT MOBILITY編集部

 

ドイツに本社を置く化学会社BASFのグループ企業、BASFベンチャー・キャピタル(Venture Capital)は、中国上海に本社を置く3Dプリントプロセス及び、3Dプリンタの大手プロバイダのプリズムラボ(Prismlab)社に投資すると発表した。

 

プリズムラボ社は、高速印刷、高精度印刷、低コスト印刷を特徴とする特許取得済みの印刷プロセスを開発。 この投資によりプリズムラボ社は、製品開発及び、イノベーションをさらに加速させ、世界市場への市場リーチを強化する。

3Dプリントプロセスの一つ、ステレオリソグラフィー(SLA)では、レーザーを使用してフォトポリマー溶液を積層的に硬化して、必要な部品を形成する。その際製造される部品は、光点のサイズや光の強度によって制限されるため、SLAおよびLCDを使った印刷プロセスによって、部品のサイズや安定性、有用性が決定される。

 

プリズムラボ社では、SLAに基づいた特許取得済みの3Dプリントプロセス“Pixel Resolution Enhanced Technology”(ピクセル解像度強化技術)を開発。

 

同技術では、 1つのピクセルに取り込まれるエネルギー量を増加させるために、樹脂中の各ピクセルをいくつかの小さなセクションに分割して、LCDライトを当てて個々に硬化。各ピクセルへのエネルギー入力は、各ピクセルに光を一回当てる同様のプロセスよりも著しく高くなると云う。

 

これらにより、プリズムラボ社は、印刷速度を落とすことなく印刷解像度を向上し、比較的大型で安定した部品や多数の部品の同一製造工程での印刷を可能に。

 

また、LCDライトの使用により、プロセスコストを削減。 靴産業や家具産業にも機会をもたらすとしている。

プリズムラボ社3Dプリンター(プリズムラボ社HPより)

プリズムラボ社3Dプリンター(プリズムラボ社HPより)

 

プリズムラボ社では、上記の特許取得済みのプロセスに加えて、3Dプリンタの販売やその他関連サービスを提供。同社技術は、見えない歯列矯正装置、医学用および教育・訓練用の解剖学的模型など、様々な用途での使用が可能だと云う。

 

調印式にて(BASFベンチャー・キャピタルのゾリビーダ氏)

調印式にて(BASFベンチャー・キャピタルのゾリビーダ氏)

 

投資に際して、BASFベンチャー・キャピタルのマネージングディレクターのマルクス・ゾリビーダ氏は、次のように述べている。

 

「私たちにとって今回の投資は、中国企業への初めての直接投資です。 プリズムラボ社の先駆的な技術により、医療用補装具や解剖学的模型のように規模が大きく安定した部品が初めて3Dプリントできるようになります。この投資は、私たちの技術開発を積極的に推進し3Dプリント分野での製品提供を拡大するというBASFの戦略をサポートするものです」。

 

また、BASFグレーターチャイナのビジネス市場開発担当シニアバイスプレジデントのDr. Zheng Daqing氏は、次のように述べている。

 

「中国は製造業主導からイノベーション主導の経済へと変わりつつあります。プリズムラボ社への投資は、中国におけるイノベーション能力をさらに拡大するという私たちのコミットメントを反映しています。BASFベンチャー・キャピタルは、私たちを成功に導いてくれる可能性のあるパートナーを特定する上で重要な役割を果たしています」。

 

また、プリズムラボ社の創業者で会長のHou Feng氏は、次のように述べている。

 

「3Dプリント技術は、世界を変える前に進化し続けなければなりません。 プリズムラボでは、特別なカスタマイズによるソリューションを提供することでこの変化を先導し、加速することを目指しています。 この投資により、私たちはその目標を達成するための重要な要素である研究開発能力に焦点を絞ることができます」。

 

 

[プリズムラボ社の概要]

 

3Dプリント製品及び、ソリューションの中国の大手プロバイダ。 2013年には、Sub-Pixel Micro Scanning(SMS)の光硬化3Dプリント技術の開発に成功。 同社特許技術に基づき、中国の国家鍵研究開発プログラムから資金提供を受けている。 また、「Additive Manufacturing Process and Equipment of Nanostructure」プロジェクトのリーディングカンパニーでもある。

 

[BASFベンチャー・キャピタルの概要]

 

新たな企業やファンドへの投資を通して、BASFに新たな成長の可能性をもたらすことを目的に、2001年に設立。ヨーロッパ、アメリカ、中国、イスラエルにオフィスがある。 主に化学製品、新素材、ソフトウェア、サービス、さらには幅広い化学分野における革新的でデジタルなビジネスモデルを中心に投資を行っている。

 

■Prismlab:http://www.prismlab.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。