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2018年12月25日【経済・社会】

日立・INCJ・マクセル、車載Li-ion電池事業を共同出資へ

NEXT MOBILITY編集部

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日立製作所は、12月25日、同社100%子会社で車載用リチウムイオン電池事業を行う日立ビークルエナジーの資本関係を再編し、INCJおよびマクセルホールディングスとの共同出資体制に移行することで合意し、基本合意書ならびに株式譲渡契約を締結した。

 

具体的には、日立が保有する日立ビークルエナジーの株式をINCJおよびマクセルに譲渡するとともに、日立の100%子会社で自動車機器・関連システム事業を展開する日立オートモティブシステムズが、同社のバッテリーマネジメントシステム事業の一部等を日立ビークルエナジーへ吸収分割し、その対価として、日立ビークルエナジーの株式を取得する。

 

取引後、日立ビークルエナジーは日立の連結対象から外れ、INCJが47%、マクセルが47%、日立オートモティブシステムズが6%の株式をそれぞれ保有する共同出資会社となる(*)。

 

日立および日立オートモティブシステムズは今後、モーター、インバーターなどの電動化関連製品や自動運転など、モビリティ分野を含む社会イノベーション事業を強化する。

 

*:議決権比率は、INCJが76.2%、マクセルが14.0%、日立オートモティブシステムズが9.8%となる予定。

 

 

 

近年、環境規制の高まりを背景として、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車など電動車両の市場が拡大するなか、それらのキーデバイスである車載用リチウムイオン電池の需要は年々高まっている。

 

 

しかし一方で、車載用リチウムイオン電池市場では、海外メーカーの台頭により、グローバルな競争が激化している。

 

日立ビークルエナジーは、2004年の設立以来、ハイブリッド車向けの車載用リチウムイオン電池の製造を主要事業として、日立オートモティブシステムズとともに、国内外の大手自動車メーカーとの取引関係を構築してきた。

 

こうした中、日立は、多様な投資実績によって蓄積された知見や情報ネットワークを有するINCJ、長年培った電池技術・ノウハウを有するマクセル、そして大手自動車メーカーへの豊富な納入実績を有する日立オートモティブシステムズの3社の経営リソースの活用により、日立ビークルエナジーがグローバル市場における競争力を維持・強化できると判断。今回の合意に至ったとしている。

 

今後、日立ビークルエナジーは、新体制のもと、市場拡大が見込まれる電動車両向けに車載用リチウムイオン電池を提供するとともに、次世代電池技術の開発を進めていく。

 

 

[会社概要]

 

<日立ビークルエナジー>

 

– 名称:日立ビークルエナジー株式会社
– 所在地:茨城県ひたちなか市稲田1410番地
– 代表者:取締役社長:西原 昭二
– 事業内容:ハイブリッド電気自動車用などリチウムイオン電池の製造

– 資本金:7,500百万円 (株式会社日立製作所 100%)
– 設立年月日:2004年7月1日

 

<INCJ>

 

– 名称:株式会社INCJ
– 所在地:東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
– 代表者:

代表取締役会長 (CEO)志賀 俊之
代表取締役社長 (COO)勝又 幹英

– 事業内容:改正前の産業競争力強化法と同趣旨の枠組みにおける特定事業活動支援等
– 資本金:500百万円
– 設立年月日:2018年9月 (株式会社産業革新機構から新設分割)

 

<マクセル>

 

– 名称:マクセルホールディングス株式会社
– 所在地:東京都港区港南二丁目16番2号
– 代表者:

取締役会長 千歳 善弘
取締役社長 勝田 善春

– 事業内容:グループ経営戦略立案および事業会社の統括管理等
– 資本金:12,203百万円
– 設立年月日:1960年9月3日

 

<日立オートモティブシステムズ>

 

– 名称:日立オートモティブシステムズ株式会社
– 所在地:東京都千代田区大手町二丁目2番1号
– 代表者:社長執行役員&CEO ブリス・コッホ
– 事業内容:自動車部分品および輸送用並びに産業用機械器具・システムの開発、製造、販売およびサービス
– 資本金:15,000百万円 (株式会社日立製作所 100%)
– 設立年月日:2009年7月1日

 

 

[日程]

 

契約締結日:2018年12月25日
取引完了日:2019年3月29日 (予定)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。