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2021年5月12日【CASE】

NTN、EV・HEV向け商品を多数紹介【人くる2021】

NEXT MOBILITY編集部

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NTNは5月12日、5月26日~7月30日に開催される自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2021 オンライン」に出展すると発表した。

 

 

展示会では、「NTNが造る未来技術」をテーマに、CASEへの対応や安全・安心・快適な未来のクルマづくりに向けた技術として、電動化や低燃費化、高効率化など自動車市場のトレンドに対応した商品を動画や写真を用いて紹介するとのことだ。

 

 

商品紹介コーナーでは、従来品比で62%の低フリクション化を実現した「低フリクションハブベアリングIII」のほか、同展示会が初出展となる多数の新商品を展示予定。具体的には「EV・HEVの進化に貢献するNTNの新商品」と「EV・HEVを支えるNTNの基盤商品」の2つのテーマに分けて商品を紹介する。

 

 

「EV・HEVの進化に貢献するNTNの新商品」では、軸受の外輪外径面の一部に逃げ部を設ける業界初の手法で、進行波型クリープの停止を実現した「クリープレス軸受」や、世界最高水準の低昇温性・低トルク性で次世代モビリティの市場ニーズに対応する「低昇温・低トルク円すいころ軸受」などを紹介する。「EV・HEVを支えるNTNの基盤商品」では、減速機やトランスミッション向けに低トルクと長寿命を両立した「超低フリクションシール付玉軸受」などを展示するという。

 

 

動画コーナーでは、ステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」と「電動化対応商品」の2つの動画を準備している。「sHUB」は、ハブベアリングにタイヤの転舵角度を調整する機構を組み合わせた商品で、動画ではこの商品の改良品の特長を紹介するという。「電動化対応商品」の動画では、「電動モータ・アクチュエータ」や「次世代ステアリング用メカニカルクラッチユニット(MCU)」など、オイルポンプやシフトなどさまざまな車載アプリケーションの電動化に貢献する4つの商品が詳しく説明されるとのことだ。

 

 

今回発表される主な展示商品は以下の通り。

 

 

◾️【新商品】後輪用ステアリング機能付ハブベアリング「Ra-sHUBラスハブ」

 

 

 

左右各輪の転舵角度の個別補正が可能なステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」を後輪用に改良したモジュール商品。小型で後輪の懸架装置の種類を選ばず、従来のハブベアリングと同様にさまざまな車両への搭載が可能で、あらゆる懸架装置の車両において後輪転舵を実現する。車両の情報をもとにタイヤの転舵角度を左右別々に制御することで、車両のコーナリング性能や高速直進時の安定性の向上に寄与するほか、タイヤの走行抵抗を抑えることで、燃費改善にも貢献する。

 

 

◾️【新商品】「サブアクスル・リヤ用小型軽量等速ジョイント」

 

 

 

前輪駆動車ベースの4WD車の従駆動輪(サブアクスル)向けに世界最高水準の小型・軽量化を実現した等速ジョイント(CVJ)。2015年に開発発表された、後輪駆動車および後輪駆動車ベースの4WD車向け「リヤ用軽量ドライブシャフト」のコンセプトであるリヤ用CVJに必要な作動角に合わせた専用設計を、前輪駆動車ベースの4WD車のリヤ向けCVJに応用した商品。最大作動角の見直しや部品の最適設計などによる部品の薄肉化・小径化により、必要な強度を維持しながら小型・軽量化を実現している。

 

 

◾️【新商品】「耐水素脆性軸受」

 

 

 

水素に起因する軸受の早期破損に対し、新規鋼材と特殊熱処理技術の組み合わせにより、当社標準軸受比で3倍以上の長寿命化を実現した商品。新規鋼材は水素原子の発生を抑制するとともに、水素原子が発生した場合でも原子の軸受内部の侵入速度(拡散)を抑制する。また、特殊熱処理工程における焼入れで浸窒処理を行うことで、異物混入潤滑条件下における長寿命化も実現し。なお、新規鋼材は、熱処理工程におけるCO2排出量を減少させる成分を選定し、環境負荷の低減を図っているとのこと。

 

 

◾️【新商品】遊星ギヤ用保持器付き針状ころ

 

 

 

自動車用ATなどに使用される遊星ギヤ向けに、高速回転対応、長寿命化および静音化を実現した保持器針状ころ。浸炭鋼を採用した「浸炭鋼溶接保持器」により、疲労強度を向上させ、高速回転性能を従来品比で約10%向上させた。また、「高負荷条件用新クラウニングころ」のクラウニング部の真円度の向上により、従来品よりも約8%の静音化を達成しており、より静粛性が求められる電動車両のニーズにも対応する。さらに、クラウニング形状を最適化することにより、厳しい潤滑条件での表面起点型剝離寿命を改善する。

 

 

◾️「クリープレス軸受」

 

 

 

 

軸受の外輪外径面の一部に逃げ部を設ける業界初の手法で、進行波型クリープの停止を実現。モータやトランスミッションなどの小型・軽量化が進む中、軸受の軌道輪やハウジングは薄肉となる傾向にあり、装置の異音や振動、軸受の寿命低下などの原因となるクリープが起きやすくなることが指摘されているが、同商品は、逃げ部の加工によりハウジングとの接触を回避し、クリープを停止する。追加部品が不要で、同一寸法の標準軸受からの置き換えも可能。

 

 

◾️「低昇温・低トルク円すいころ軸受」

 

 

 

 

新開発の樹脂保持器の採用と軸受内部設計の最適化により、同社標準品と比べて低昇温性(耐焼付き性)を10倍向上、回転トルクを66%低減。トランスミッションやデファレンシャルギヤにおける潤滑油量の低減や低粘度油への切り替えなどに伴い過酷さを増す使用条件や低トルク化への要求に対応する。

 

 

◾️「低フリクションハブベアリングIII」

 

 

 

 

タイヤの回転を支えるハブベアリングの回転フリクションを従来品比で62%低減し、車両燃費を約0.53%改善。配合成分と粘度を見直した新グリースを採用したほか、ラビリンス付きシール構造の適用と軸受内部の予圧の最適化により、軸受の性能を維持しながら従来品から大幅に回転フリクションを低減する。また、低温環境下におけるフレッチング摩耗(車両輸送時など微振動に伴い摩耗が発生する現象)も抑制。

 

 

◾️「超低フリクションシール付玉軸受」

 

 

 

 

シールリップのすべり接触部に円弧状(半円筒状)の微小突起を等間隔に設けた新開発の接触タイプシールを採用することで、回転トルクを従来品比で80%低減し、非接触タイプシールに匹敵する低トルク効果を実現。回転時には、微小突起によるくさび膜効果によって、シールと内輪の摺動面の間に油膜が形成され、シールの引き摺りトルクを大幅に低減。突起は微小なため、軸受に有害な硬質異物の侵入を防ぐことが可能で、軸受寿命も確保できる。

 

 

◾️電動化対応商品

 

 

 

 

「電動モータ・アクチュエータ」や「次世代ステアリング用メカニカルクラッチユニット(MCU)」など電動化に対応した4商品を動画で紹介。これまでに培ってきたコア技術を生かした緻密でなめらかな制御により、さまざまな車載アプリケーションの電動化に貢献する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。