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2021年8月2日【トピックス】

オンキヨー、8/1付でJASDAQ上場廃止

NEXT MOBILITY編集部

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オンキヨーホームエンターテイメント(以下、オンキヨー)は8月2日、東京証券取引所JASDAQ(ジャスダック/スタンダード)市場において、8月1日付で上場廃止となったと発表した。

ONKYO・ロゴ

オーディオ外の事業参入に失敗

 

オンキヨーは、縮小するオーディオ市場にあって、2005年にインテル社(Intel)と資本提携した他、2008年にソーテックを買収し、パソコン事業に参入。しかし、リーマンショックによる環境変化もあって、本業の立て直しを優先し、パソコン事業から撤退した。

 

その後、楽器業界への活路を求めて、2012年にギブソン社、2015年に河合楽器製作所と資本提携。並行してホームオーディオ事業の維持拡大のため、2012年にティアック、2015年にはパイオニアとも資本提携し、ホームオーディオ事業の統合を行ったが、2018年にはギブソン社が倒産、またパイオニアの上場廃止等に見舞われ、欧州販社を売却した。

 

主力事業売却へ

 

そして2019年、主力事業であるホームオーディオ事業の売却契約を、サウンドユナイテッド(Sound United)社と締結したが、お互いの条件達成が難航し白紙に。

 

その直後、今度は米国の家電企業であるヴォックス社(VOXX International)と提携し、同社の日本国内の代理店となる一方、その翌年の2020年、ヴォックスグループの子会社をオンキヨーの米国販売代理店とし、今年4月には、ホームオーディオ事業売却の基本合意を締結。現在、契約のクローズに向けての取り組みを進めている。

 

新たなビジネスモデルへの挑戦

 

オンキヨーは、現在のビジネスモデル(製造販売)での競争が困難であるとし、新たなビジネスモデルへの変革として、2016年より「サウンド・バイ・オンキヨー(Sound by Onkyo)」でのコ・ブランド戦略を強化。2018年には、世界的なテレビメーカーである中国のTCL社と提携し、ヘッドホン等やサウンドバーといった製品群にオンキヨーブランドのライセンス供与を開始。また2019年には、世界最大の補聴器メーカーの一つであったドイツのシバントス社(旧シーメンス社)と、オンキヨーブランドの補聴器に関する協業も実現した。

 

今回のヴォックス子会社へのホームオーディオ事業売却契約では、売却対象事業にアーンアウト条項(※1)が付けられており、今後、オンキヨーのレガシービジネスは、全て欧米アジアの会社へのライセンス事業に切り替わる。またOEM事業としては、これからもブランドや技術を使った各ジャンルに音のソリューションを提供。

 

加えて、新ビジネスとして、AIを核とする振動を使った食品関連ビジネス、振動センサーを使った医療、インフラ系ビジネスの研究開発を、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学、富山大学、東京農業大学等とそれぞれ進めており、各々についてビジネスとして立ち上げていく予定だと云う。

 

債務超過の解消失敗と上場廃止

 

オンキヨーは、以上10年の大きな変革において、数多くの資本提携、MSワラントといった株主へ大きな犠牲を強いる新株発行にも頼ったが、昨年3月末時点で債務超過に陥った。

 

しかし、今年6月単月の速報レベルの連結業績が営業黒字となったこともあり、ヴォックス社への事業譲渡を完了できれば債務超過の解消も可能として、8月末を期限としていた売却をヴォックス社との合意の上、6月末迄に完了させることを目指したが、欧州当局の競争法クリアランス等が間に合わず(※2)、東京証券取引所のルールである1年での債務超過解消に失敗。8月1日付で東京証券取引所JASDAQ市場において上場廃止となった。

 

今後について

 

オンキヨーは、上記以外のリストラ策として、複数個別単位での事業の売却等、体制の見直しを進めているほか、現在、みらい證券において、株主コミュニティへの加入を検討。以上詳細については、内容が決まり次第、随時開示していくとしている。

 

 

※1)アーンアウト条項:M&Aの完了後一定の期間(通常1~3年)に、売却した事業・会社等が契約によって定められた業績を達成した場合に、買い手企業が売り手企業に追加の対価を支払うもの。

※2:7月末時点、残り1ヵ国。売却完了に向けた準備を進めている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。