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2019年2月27日【経済・社会】

帝人、航空・宇宙向け炭素繊維製造の米・レネゲード社を買収

NEXT MOBILITY編集部

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帝人は、2月27日、航空・宇宙用途向けに高耐熱熱硬化プリプレグ(*)を製造・販売する米国のレネゲード社(Renegade Materials/本社:米国オハイオ州)の全株式を取得し、完全子会社にすると発表した。

 

帝人グループは、世界的な環境規制の強化に伴う低燃費化の要請に応えるため、「軽くて強い」高機能素材を展開。特に炭素繊維事業において、航空機分野に注力し、炭素繊維原糸からCFRP(炭素繊維複合材料)に至るまでのラインナップを拡充し、用途開発を強力に推進している。

 

また、世界の主要な航空機メーカーが製造する航空機の一次構造材、二次構造材向けに、30年以上にわたり炭素繊維「テナックス」を供給。先ごろ米国・ボーイング社の一次構造材向けに認定された熱可塑性プリプレグなど、将来の最新鋭機に向けた新たな中間材料や工法の開発に積極的に取り組んでいる。

 

こうした中、帝人では、さらなる用途開発の推進とグローバルでの事業拡大を目指し、航空・宇宙用途でニーズの高まりが見込まれる高耐熱熱硬化プリプレグに関し、優れた技術と販売チャネルを有するレネゲード社の買収を決定した。

 

*)プリプレグ: 炭素繊維シートに樹脂を染み込ませたもの

 

 

 

レネゲード社は、1993年創立の樹脂メーカーを母体として、2007年に設立された航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカーで、耐熱性樹脂について高いノウハウを保有。

 

特に、技術的に難しいとされる、低毒性原料を用いたポリイミド樹脂により高耐熱性と熱サイクル耐性に優れるプリプレグの製造ができることから、欧米をはじめとする航空機メーカーや航空機エンジン関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ていると云う。

 

 

今回の買収で、帝人は、エンジン部材などへの適応が可能で、未来の最新鋭航空機に向けたラインナップとなる高耐熱性プリプレグを獲得。

 

帝人が蓄積してきた炭素繊維や中間材料のノウハウや、評価設備、販売チャネルなどを活用することで、レネゲード社の製品をより幅広く展開し、航空・宇宙用途向け炭素繊維事業のグローバル展開を、より一層強化するとしている。

 

さらに、現在米国サウスカロライナ州に建設中の炭素繊維製造拠点であるテイジン・カーボン・ファイバーズ(2020年度中に稼働開始予定)や、米国テネシー州で炭素繊維販売事業を展開するテイジン・カーボン・アメリカ、欧州の炭素繊維事業会社であるテイジン・カーボン・ヨーロッパとも連携し、グローバル市場における対応力を強化。

 

こうした展開により帝人は、航空・宇宙用途向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしての地位を確固たるものとし、2030年近傍までにこの用途で年間900百万米ドル超の売上を目指すとしている。

 

 

[買収の概要]

 

– 実施時期:2019年4月(予定)
– 出資元:Teijin Holdings USA Inc.(米国持株会社)
– 資金調達:手元資金で充当(予定)

 

<レネゲード社の概要>

 

– 社名:Renegade Materials Corporation
– 設立:2007年
– 拠点:米国 オハイオ州 マイアミズバーグ(本社・工場)
– 事業内容:航空機向けプリプレグ、樹脂、接着剤などの製造・販売

 

 

■Renegade Materials Corporation:http://www.renegadematerials.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。