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2020年11月6日【部品・生産】

東洋テクニカ、車載機器用EMI計測ソフトウェアの販売開始

NEXT MOBILITY編集部

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東陽テクニカは11月6日、自動車や車載機器のEMI(電磁障害)測定や EMI適合評価を行うためのエミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」を開発、11月9日より販売とサポートを開始すると発表した。
同製品は、EMC(電磁両立性)測定の業界標準「EP9」シリーズの後継となる。

 

 

【製品概要】

 

「ES10/VE」は、東陽テクニカの製品開発を担う社内カンパニー『ワン・テクノロジーズ・カンパニー』が開発した、自動車や車載機器が出す電磁ノイズ(エミッション)を測定するためのエミッション計測ソフトウェア。EMI測定のためのハードウェアであるEMIレシーバーと組み合わせて使用する。「ES10/VE」はキーサイト・テクノロジー社やローデ・シュワルツ社製のものをはじめとした多くのEMIレシーバーに対応しているのが特長となる。

 

 

また、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)に搭載されるモーターやバッテリーは高電圧化する傾向にあり、より強い電磁ノイズによる新たなノイズ干渉の可能性があるため、それに対応するために自動車のEMI国際規格である「CISPR 25:2016 Edition4」には、EVやHVに搭載される高電圧電源製品の評価方法「Annex I」が追加された。「ES10/VE」はその「Annex I」に対応する。

 

 

さらに、測定した電磁ノイズを従来の周波数軸だけでなく時間軸で評価できる機能と、二つの異なる測定結果の差分を簡単に表示できる新機能を搭載。時間軸での評価では電磁ノイズの発生サイクルを可視化できるため、部品の駆動サイクルと照らし合わせることでノイズ源を簡単に特定することができる。また、差分表示機能は特定した電磁ノイズに対する対策を行う前後の測定結果を容易に比較できるため、ノイズ対策時間の削減に貢献。

 

 

【EMI 計測ソフトウェアの製品ラインアップ】

 

東洋テクニカが30年以上にわたり開発してきたEMI計測ソフトウェアは現在、多くの種類のEMIレシーバーや EMI測定の関連機器(アンテナマスト、ターンテーブルなど)に対応し、業界標準だった「EP」シリーズの後継である「ES10」シリーズと、キーサイト・テクノロジー社の最上位EMIレシーバーである「N9048B PXE」と組み合わせて使用することに特化したハイエンドモデルである「EPX」シリーズ※1 の2つのラインアップがある。

 

 

「ES10/VE」は、「ES10」シリーズ※2 の第二弾。これまでシリーズやモデルごとに異なっていたプラットフォーム(基盤となるソフトウェア構造)を統一することで、機能差と、新機能のリリースまでの時間差を縮小する。順次モデルを拡充し、「ES10」と「EPX」の 2 シリーズを展開していく。

※1 放射エミッション測定用「EPX/RE」、伝導エミッション測定用「EPX/CE」および自動車・車載機器向け「EPX/VE」の 3 製品で構成
されるシリーズ。
※2 放射エミッション測定用「ES10/RE」、伝導エミッション測定用「ES10/CE」(今後発売予定)および自動車・車載機器向け「ES10/VE」の3製品で構成されるシリーズ。

 

 

【「ES10/VE」の主な特長 】

 

・これまで「EPX」シリーズのみに搭載していた最新機能を搭載※3
- 『タイム・ドメイン・スキャン機能』を活用し近年増加している複雑な振る舞いのノイズも簡単に特定
- 複数の測定データの比較と分析を容易にする差分表示機能
- UIの向上
- ユーザーの好みに応じて豊富なパターンで画面をカスタマイズ可能
-  CISPR 25:2016 Edition4 Annex I(EV/HVに搭載される高電圧電源製品の評価方法)に対応

・ソフトウェアのプラットフォームを上位ソフトウェア「EPX」と統一。
上位シリーズである「EPX」との統合プラットフォーム設計により従来のモデル間、シリーズ間の機能差を縮小も
しくは解消し、「EPX」と「ES10」の両シリーズにおいて少ない時間差で新機能の提供が可能。
・その他
「EP9/VE」のユーザーは、測定条件など保存した設定を引き継いで使用可能※4

※3 『Accelerated Time Domain Scan機能』など「EPX/VE」の一部の機能は「ES10/VE」には搭載されない。
※4 引き継ぎ操作には東陽テクニカエンジニアによるサポートが必要。

 

 

【製品データ】

 

■製品名︓自動車・車載機器向けエミッション計測ソフトウェア「ES10/VE」
■販売開始日︓11月9日
■希望価格︓150万円(税別)~

 

 

なお、「ES10/VE」の発売に合わせ、「EP9/VE」の販売を終了。製品サポートは2021年11月末日をもって終了する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。