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2022年9月15日【経済・社会】

FIAT、商用車デュカトの国内販売網を構築

坂上 賢治

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写真は全て欧州仕様車、日本国内導入モデルは右ハンドルなどの仕様最適化が図られる

 

2022年は5社の販売ネットワークからスタートを切る

 

ステランティス・ジャパンは9月15日、FIAT PROFESSIONAL(フィアット・プロフェッショナル)カテゴリの商用車DUCATO(デュカト)専用の販売ネットワークを立ちあげた。( 坂上 賢治 )

 

具体的には、国内法人5社と日本国内に於ける商用車販売で正規販売代理店契約を締結。このデュカト専用の販売ネットワークは、ステランティス・ジャパンに於ける既存の正規ディーラー1社、車両架装を専門とする法人4社の計5社で発足される。

 

 

なお日本市場に初導入されるデュカトは、2020年に誕生40周年を迎え、2020年と2021年にはヨーロッパの小型商用車でベストセラーモデルとなっている。

 

既存の国内商用車と競業しない個性はプロフェッショナル用途で可能性も

 

欧州のみならず日本国内市場でもデュカトは、活況を呈するキャンピングカー市場の期待に応えられるモデルであり、併せて欧州市場と同じく、物流や輸送などの商用車セグメント参入による成功をステランティス・ジャパンでは期待している。

 

実際、独特のエクステリアやインテリアのみならず、日本国内に於いては既存の商用車枠の概念には収まりきれない車格を強みに、プロフェッショナル用途でも可能性を感じさせるモデルとなっている。日本国内市場へのデュカト投入は、固定化・膠着化した日本の商用車市場に新たな風を巻き起こす可能性も考えられる。

 

なお先の発表日付でフィアット・プロフェッショナルの正規販売代理店となった5社は、今後、ショールーム並びにサービスワークショップをステランティスのCI基準に則って整備。来年2月に幕張メッセで行われる「ジャパン キャンピングカーショー2023」でも、多様な切り口の架装車両を披露するとしている。

 

 

日本国内に導入される車種タイプは以下の欧州仕様の3サイズ

 

商用車としてのリリースである事から製品ラインナップは多彩だが、基本形として2022年モデルとして日本国内に導入される車種タイプは以下3種類のサイズとなっている。

 

•L2H2:全長5,413mm、全幅2,050mm、全高2,524mm、ホイールベース3,450mm、キャビンスペース:全長3,120mm

 

•L3H2:全長5,998mm、全幅2,050mm、全高2,524mm、ホイールベース4,035mm、キャビンスペース:全長3,705mm

 

•L3H3:全長5,998mm、全幅2,050mm、全高2,764mm、ホイールベース4,035mm、キャビンスペース:全長3,705mm(数値はすべて欧州仕様車参考値)

 

なおL2H2およびL3H2の室内高は1,932mm、L3H3の室内高は2,172mm。3モデル共に、レジャー用レイアウト、商用利用のための効率的ウォークスルー・レイアウトの双方に対応している。

 

装備面は、キーレスエントリー&ゴー機能によりキャビン・荷室ドアのロック/ロック解除やエンジンの始動はキーなしで行うことが出来、パーキングブレーキは電動タイプ。2つのUSB-Aポート、USB-Cに加え、電源コンセントも設置されている。

 

運転席および助手席にはダブル・アームレストを備えた180度回転のキャプテンシートを採用。革巻ステアリングホイールを備えたインストルメントはフルデジタルで多彩な情報や警告を明確かつ即座に表示出来る。

 

パフォーマンス面では、最高出力180hp、最大トルク450Nmを発生する第3世代のディーゼルエンジンを搭載。これに9速オートマチック・トランスミッションを組み合わせた。

 

安全面では、乗用車セグメントに準じるパッシブ・アクティブセーフティ機能を装備。スピード・リミッター、予期せぬ障害物に遭遇した場合のブレーキ制御(フォワードコリジョンウォーニングおよび歩行者検知付き衝突被害軽減ブレーキ)、クルーズコントロール、レーンデパーチャーウォーニング、デジタル処理をしたリヤビュー画像を表示するデジタル・ルームミラーなども備えた。

 

ステランティス・ジャパンは、「日本の商用車市場にフィアット・プロフェッショナルモデルのデュカトを導入する事で、当社は日本国内に於いて新たなビジネスを開始します」と宣言している。

 

参画の法人名と代表者名(敬称略)並びに本社所在地は以下の通り
– 株式会社ホワイトハウス/木村 文夫/愛知県名古屋市
– 株式会社アールブイランド/阿部 和英/茨城県常総市
– 株式会社岡モータース/岡 宏治/香川県高松市
– 株式会社トイファクトリー/藤井 昭文/岐阜県可児市
– 株式会社ナッツ/荒木 賢治/福岡県遠賀郡

 

詳細な諸元および装備の詳細は、下記公式サイトにてご確認ください。
URL:https://www.fiat-auto.co.jp/professional/ducato/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。