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2022年9月28日【イベント】

日産とNMC、競技車両のNissan Z GT4を発表

坂上 賢治

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日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ( MMC/本社:神奈川県茅ケ崎市、社長:片桐 隆夫 )は9月28日、Nissan Z( 日本名:フェアレディZ )をベースとしたカスタマー向けのレース車両「Nissan Z GT4」を発表した。( 坂上 賢治 )

 

 

車名末尾の「GT4」は、レース出走に於ける参戦カテゴリのひとつ。GT3同様、市販車をベースに開発されたレース車両で競技が行われ、そもそもは2006年にSRO(ステファン・ラテル・オーガニゼイション)がカスタマーレーシング向けに発案されたもの。

 

GT3規定が世界のGTレースの中心となる中、GT4は当初ドイツ国内のGTレースで採用され、2009年にはオランダGT4選手権がスタート。欧州のアマチュアドライバー向けのシリーズとして徐々に拡大した。

 

 

このためGT3が、技術面やそれらに係るコスト等で嵩み、次第にエスカレートしてレース自体がプロフェッショナル化する一方で、参戦のハードルが比較的低かったGT4車両によるレースは今日は拡大傾向にある。従って2010年代後半以降、世界中の多くのスポーツカーメーカーが車両供給を行っている。

 

今日に於いては、スパ24時間を含むブランパンGTシリーズ(現・GTワールドチャレンジ)や、ニュルブルクリンク24時間、日本のスーパー耐久などに於いても導入が認められるようになって来ている。

 

 

実は日本車メーカーでは、トヨタが「GRスープラGT4」を販売していただけであったのだが、今回、日産がNissan Z GT4で新たにこのカテゴリに参入した流れとなっている。

 

ちなみにGT3車両がFIA公認の「グループGT3」であるのに対し、GT4は現在、主にベルギーの統括団体RACB(ベルギー王立自動車クラブ/ROYAL AUTOMOBILE CLUB BELGIUM)が公認しており、先のSROによるBoP(性能調整)が行われ、性能の均衡化が図られている。

 

 

なおNMCのNISMOレーシング事業部が開発した「Nissan Z GT4」は、ベースとなるNissan Zの素性の良さを活かし、走行性能、安全性、耐久性、操作性を高次元でバランスさせたという。

 

日産&NMCでは、「今年のお月に開催された「富士24時間レース」にテスト参戦した車両をベースに改良を重ね、プロドライバーからジェントルマンドライバーまで、幅広いレベルのドライバーに、総合的に満足して頂けるパフォーマンスを実現しています」と話している。

 

 

開発のポイントは、以下の通り。

 

– ベースのVR30DDTT型エンジンの素性の良さを活かしたエンジンチューニング
– レース用に最適化したシャシーとサスペンション
– レギュレーションの範囲内で最大限の性能向上を図った空力性能
– 居住性、操作性を最適化したコクピット

 

日産のアシュワニ グプタCOOは、「日産にとってモータースポーツとは、私たちの飽くなき情熱と比類なき専門性を表現するものです。

 

そして、Zはダイナミックなドライビングとパワートレインでドライバーを魅了するエキサイティングなスポーツカーとしての地位を維持し続けています。

 

このGT4カテゴリーに対応するZが、50年以上にわたる日産Zの速さの伝説に、新たな一章を刻むことになると確信しています」と述べている。

 

車両の仕様等の詳細は、11月1日~4日にアメリカで開催される2022 SEMAショーで発表される。なお車両の供給は翌2030年シーズンから開始される予定だ。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。