NEXT MOBILITY

MENU

2020年9月16日【新型車】

日産、新型フェアレディZのプロトタイプを公開

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日産・新ロゴ

日産自動車は9月16日、新型フェアレディZのプロトタイプモデル「フェアレディZプロトタイプ」を、日産パビリオンで開催したオンラインイベントで公開した。

 

フェアレディZプロトタイプは、50年に及ぶ歴史を持つ「フェアレディZ」の伝統と現代的な雰囲気を組み合わせた新しいスポーツカー。内外装のデザインを一新するとともに、V6ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたパワートレインを搭載している。

 

 

 

 

発表に際して、日産の社長兼CEOの内田誠氏は、以下のように話している。

 

「ピュアスポーツカーのZは、日産のスピリットそのものです。そして今取り組んでいる事業構造改革ニッサンネクストの、とても重要なモデルでもあります。ニッサンネクストは、AからZ、つまり他がやらぬことをやる、私たちの姿勢を表しています。Zのファンである私が、今日、この「フェアレディZプロトタイプ」を発表できることを誇りに思います」。

 

 

 

 

■エクステリア

 

フェアレディZプロトタイプのエクステリアデザインについて、グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ=アルバイサ氏は、以下のように話している。

 

「レトロモダンなテーマと、フューチャリズムを組み合わせることは我々にとっての挑戦でした。デザイナー達は、歴代のモデルを振り返り、数えきれないほどのスケッチを描き、多くの議論を重ね、この『フェアレディZプロトタイプ』にたどり着きました」。

 

 

 

 

日本のデザインチームは、その外観をデザインするにあたり、初代S30型のシルエットやフロント&リアのアイコニックなモチーフを継承。また、歴代Zの黄色を、ソリッドパールの光と影のコントラストで表現し、この鮮やかでメリハリのある黄色にブラックルーフを組合せたツートンカラーとすることで、未来的な印象を与えた。

 

 

 

 

さらに、S30型のデザインを彷彿とさせフードのバルジ形状や、LEDヘッドランプのティアドロップ形状、四角いジオメトリックなグリル開口などで、歴代Zの持つアイコンを継承。グリル内側の楕円形のフィンにリアコンビなどにも使われる統一グラフィックを採用し、Z独自の世界観を印象づけるだけではなく、スポーティーさとエレガントさを表現した。

 

 

 

 

前出のアルバイサ氏は、以下のように話している。

 

「LEDヘッドライトにある2つの半円のデザインは、1970年代に販売された240ZGをイメージしています。240ZGはヘッドライトのドーム型レンズによって円状のリフレクションを作り出すデザインを採用していました。我々はそのユニークな特徴と、そのZらしさを大事にし『フェアレディZ プロトタイプ』に反映しました」。

 

 

 

 

サイドシルエットは、長いノーズから続くルーフラインの先に垂直に切り立つテールエンドと、フロントフェンダーよりもわずかに低く、なだらかに傾斜するリアのデザインによって、S30型がもつ特徴的なサイドシルエットを表現。

 

リアのデザインは、S30やZ32などいくつかの歴代Zが持つテールランプからインスピレーションを得たデザインテーマを現代風にアレンジ。テールランプには、レイヤー形状に光る先進的な演出を施した。

 

 

 

 

また他にも、カーボンで成型されたサイドシルやリアバンパー、フロントバンパー下のチンスポイラー、19インチアルミホイール、左右に配されたマフラーなど、パフォーマンスの高さを感じさせるパーツを随所に採用した。

 

 

 

 

■インテリア

 

スポーツカーとしてのドライビングを楽しむためにデザインされたコックピットは、プロのレーシングドライバーと共に理想的なメーターデザインや室内空間の在り方を検討。オーセンティックさと最新の技術を融合させたデザインとなっている。

 

それを最も特徴づける、12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイは、エンジン回転計の針が真上を示すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅しドライバーにシフトアップを促し、スポーツドライビングをアシスト。またクルマの状態を示す他の計器類も、一目でクルマが最適な状態であることがわかるようデザイン。

 

 

 

 

ステアリングは、Z専用に新たにデザイン。ディープコーン形状で、操作性のよいグリップ形状や視認性良くまとまったスイッチ類によってスポーツカーとしての性能を最大限引き出すポテンシャルを兼ね備えている。

 

また、インストルメントパネルの各所には、ボディカラーに合わせた黄色いステッチを施し、シート中央部にはグラデーション加工された黄色いストライプ模様をデザイン。エモーショナルで立体感のあるスポーティーなインテリアを演出した。

 

 

 

 

■スポーツカーを操る楽しさを提供

 

フェアレディZプロトタイプのチーフプロダクトスペシャリストである田村宏志氏は、フェアレディZについて、以下のように話している。

 

「Zはいつの時代もスポーツカーを操る楽しさを提供する“ダイナミックパフォーマー”です。お客さまがクルマとの一体感を感じながら、その高い性能を楽しむことができる。これはどの世代のZにも共通するものであり、我々の情熱と挑戦の証なのです」。

 

 

 

 

日産は、フェアレディZにその時代をリードするパワフルなエンジンを与えてきた。それは、フェアレディZプロトタイプでも例外ではなく、シャープで長いボンネットの下には、6速のマニュアルトランスミッションが組み合わされたV6ツインターボエンジンを搭載している。

 

この新しいZは、発売に向けて、現在、開発が進められている。

 

 

 

 

CEOの内田氏は、「今年の夏に発表した最新のEVである『アリア』は、最先端の電動化、運転支援技術を搭載し、これまでになかった全く新しいドライビングを提供します。そして、革新の伝統を受け継ぐZは、ドライバーが主役の、ピュアスポーツカーとして、世に送り出します。Zは、私たち日産のDNA、情熱そのものです」と語っている。

 

 

 

 

[主要諸元(※)]

 

– エンジン:V-6 ツインターボ
– トランスミッション:6速マニュアル
– 全長:4,382 mm
– 全幅:1,850 mm
– 全高:1,310 mm
– ホイール/タイヤ寸法

前:255/40R19
後:285/35R19

 

※仕様は「フェアレディZ プロトタイプ」のものであり、詳細は生産モデルと異なる。

 

 

■(日産)フェアレディZ プロトタイプ:https://global.nissanstories.com/ja-JP/releases/behind-nissanz-proto

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。