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2022年9月13日【IoT】

ステランティス、アフリカで中古車スタートアップ事業を始動

坂上 賢治

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2030年迄にアフリカの人口は17億人に到達、巨大な自動車市場に成長する

 

ステランティス( Stellantis )と、アフリカーグループ( Africar Group )は9月12日(サブサハラ時間)、西アフリカ地域に位置するコートジボワールのアビジャンで「オート24( Auto 24 )」の創業を宣言した。このオート24は、取引の透明性が保証された新たな消費者向け中古車販売会社を指している。( 坂上 賢治 )

 

アフリカの人口は来たる2030年迄に17億人に膨れあがり、同地域で使われる車両は既に5,000万台( OICAレポートからの推定 )に達している。このためステランティスは、アフリカーグループに出資して新会社のオート24を設立。アフリカの未来に大きな期待を寄せている。

 

このステランティスによるアフリカ投資は、どのような地域に於いても〝顧客中心主義〟を貫く同社の変わらぬグローバル戦略の在り方であり、迫り来る気候変動危機を打ち負かすために策定した〝デア・フォワード2030計画( Plan Dare Forward 2030 /多様性・価値観の重視・クリーンで手頃な価格のモビリティを提供する・起業家精神を貫き誰にも負けない事など )〟 の一環でもある。

 

アフリカーグループはサハラ以南で自動車市場をリードするオンラインネットワークに

 

なおサハラ以南のアフリカに於いて、アフリカーグループは40か国以上に事業規模を拡大。同地域の自動車市場をリードするオンライン自動車販売ネットワークとなった。

 

例えば過去5年間で、2,500万人を超えるステークホルダーが同社のオンラインチャネルを通じて中古車を取引してきた。その結果、サブサハラ・アフリカ(アフリカ大陸のサハラ砂漠より南にある地域の総称)全体をリードする程の押しも押されぬ多国間のデジタル自動車ソリューションへと成長した。

 

そうしたアフリカーグループの歩みを前提に、新たに立ち上げたオート24でステランティスは、アフリカ地域に於ける中古車市場での取引の信頼性を、より確固たるものとするべく努めていく。それは安全で、便利で、信頼でき、心から愉しめる中古車の売買体験を可能にするという当地に於いては、大変大きな挑戦でもあるのだと言う。

 

ステランティスはアフリカ地域をリードする自動車グループになる事を目指す

 

ステランティスのプレオウンド・ビークル・ビジネス・ユニットで、シニア・バイス・プレジデントを務めるザビエル・デュシュマン氏( Xavier Duchemin )は、「これはアフリカに於ける中古車のエコシステム構築を目指す新たな試みです。

 

我々はステランティスの資産を活かしながらも、スタートアップ企業ならではの創意工夫、エネルギー、敏捷性を以て、より大きな成長を求めて行きます」と話している。

 

中東並びにアフリカ地域に於いてステランティスは、来たる2030年迄に年間100万台超の新車を販売。アフリカ地域をリードする自動車グループになる事を目指している。

 

その目標に取り組む想いについてステランティスで中東・アフリカ地域の統括責任者を務めるサミール・シェルファン氏( Samir  Cherfan )は、「サハラ以南のアフリカで、目下ステランティスは自動車産業界最大のネットワークカバレッジを保有しており、実に124の販売店と保守拠点を備えています。今後はオート24を介したアフリカーグループとの連携により、当地の顧客ニーズにきめ細かく応えて行く事が出来るようになるでしょう」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。