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2024年3月21日【人事】

トヨタ、社外役員の基準等見直しと6月総会後の役員体制

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ・外観+ロゴ

 

トヨタ自動車は3月21日、社外取締役・社外監査役(以下、社外役員)の役割・期待の明確化と、「独立性判断に関する基準」(以下、独立性判断基準)の見直しについて公表すると共に、第120回定時株主総会後の取締役・監査役体制を、以下の通り発表した。

 

Ⅰ.社外役員の役割・期待の明確化と独立性判断に関する基準の見直しについて

「トヨタフィロソフィー」をベースとした持続的成長や中長期的な企業価値向上、社会課題の解決に向け、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでいるトヨタは、今回、社外役員が独立した立場から意思決定に参画していることを明確にし、より一層多様なステークホルダーの意見を経営に反映させるため、同社独自の社外役員の役割・期待を明確にし、独立性判断基準を再定義した。

 

なお、この新たな独立性判断基準は、第120回定時株主総会後の取締役会・監査役体制から適用。内容については、社外取締役が過半数を占める「役員人事案策定会議」で取締役会に上程する案として検討され、監査役全員の同意を得た上で、取締役会の承認を受けていると云う。

 

 

1.社外役員の役割・期待

・「トヨタフィロソフィー」に共感し、トヨタの事業、人材に高い関心を持ち、経営陣との緊密な対話を通じて、トヨタおよびトヨタを取り巻く環境を理解する。

 

・トヨタの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けた意思決定への貢献や、社会課題の解決に貢献する。

 

・社外取締役は、多様なステークホルダーの意見を認識した上で、各々の豊富な経験や高度な専門知識を活かし、取締役会の意思決定の付加価値向上に資すると同時に、業務執行の監督を行う。

 

・社外取締役は、取締役会に上程される事項に限らず、重要課題や事業戦略等への助言、支援を行う。

 

・社外監査役は、各々の豊富な経験や高度な専門知識を活かし、公正・中立的な立場から経営に対する監査を行う。

 

2.独立性判断基準
トヨタでは、会社法で定められた社外役員の要件を満たし、かつ、以下の事項の何れにも該当しない場合、当該社外役員に独立性があると判断する。

 

(1)関係会社所属歴:現在、トヨタおよび連結子会社の業務執行取締役、監査役、執行役員、従業員である者。または、過去10年間に於いて、トヨタおよび連結子会社の業務執行取締役、監査役、執行役員、従業員であった者。

 

(2)主要取引先:過去3年間の事業年度の何れか事業年度に於いて、トヨタおよび連結子会社との間の取引金額が、取引先またはトヨタおよび連結子会社の連結売上高の2%を超える企業等の業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員、従業員またはこれらに相当する者をいう。以下同じ)。

 

(3)主要借入先:過去3年間の事業年度の何れかの事業年度に於いて、トヨタおよび連結子会社の借入金額が、トヨタおよび連結子会社の連結総資産の2%を超える借入先の業務執行者。

 

(4)多額報酬専門家:過去3年間の事業年度の何れかの事業年度に於いて、トヨタおよび連結子会社から、直接的に年間120,000米ドルを超える報酬(社外役員としての報酬を除く)を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家。

 

(5)多額寄付:過去3年間の事業年度の何れかの事業年度に於いて、トヨタおよび連結子会社から、年間120,000米ドルを超える寄付を受けている者(団体の場合は所属する者)。

 

(6)主要株主:トヨタが持株比率上位10社以内または同社の持株比率上位10社である企業等の業務執行者。

 

(7)関係監査法人:現在または過去10年間に於いて、トヨタおよび連結子会社の会計監査人である監査法人に所属する者または所属していた者。

 

(8)近親者:トヨタおよび連結子会社の取締役、監査役、執行役員、重要な従業員または上記1から6に該当する者(重要でない者を除く)の配偶者または二親等以内の親族。

 

(9)役員相互派遣:トヨタおよび連結子会社から取締役または監査役を受け入れている企業の業務執行者。

 

(10)在任期間:社外役員としての在任期間が12年を超える者。

 

但し、以上の事項に形式的に該当する場合であっても、会社法上の社外役員の要件を充足しており、かつ、実質的に独立性を有し一般株主と利益相反が生じるおそれがないと考える場合は、その理由を開示することを条件に独立性があると判断することがある。

 

 

Ⅱ.第120回定時株主総会後の取締役・監査役体制

1.取締役体制

現任の10名が継続し、モビリティカンパニーへの変革と社会課題の解決に引き続き取り組んでいく。

 

2.監査役体制
現在独立役員として届け出されている監査役の酒井竜児氏は、今回の見直しによる独立性判断基準の下では「主要取引先」に所属することとなるため、総会終結を以て監査役を辞任。後任候補者の検討にあたっては、上記の社外役員の役割・期待と独立性判断基準に加え、取締役・監査役各人が有する知識・経験・能力等のバランスが考慮されていると云う。

 

なお、取締役および監査役は、総会の承認を経て、代表取締役および役付取締役の選定は、総会後の取締役会にて正式決定される。また退任予定の取締役および監査役は、総会終結時を以て退任となる。

 

(1)退任予定監査役(1名)
<氏名、現役職>
– 酒井 竜児、監査役

 

(2)新任監査役候補(1名)
<氏名、現役職>
– 長田 弘己、元(株)中日新聞社 編集委員兼国際総合面デスク(2024年3月1日付退職)

 

(3)退任予定補欠監査役(1名)
<氏名、現役職>
– 菊地 麻緒子、補欠監査役

 

(4)新任補欠監査役候補(1名)
<氏名、現役職>
– 藤沢 久美、(株)国際社会経済研究所 理事長

 

 

(参考)第120回定時株主総会後の取締役・監査役の体制(候補者)
■取締役(10名)
<氏名、新役職、属性>
– 豊田 章男、代表取締役会長、─
– 早川 茂、代表取締役副会長、─
– 佐藤 恒治、代表取締役社長(*1)、─
– 中嶋 裕樹、取締役(*1)、─
– 宮崎 洋一、取締役(*1)、─
– Simon Humphries、取締役(*1)、─
– 菅原 郁郎、取締役、社外・独立
– Sir Philip Craven、取締役、社外・独立
– 大島 眞彦、取締役、社外・独立
– 大薗 恵美、取締役、社外・独立

*1:執行役員を兼務。

 

■監査役(6名)○=新任
<氏名、新役職、属性>
– 安田 政秀、常勤監査役、─
– 小倉 克幸、常勤監査役、─
– 白根 武史、常勤監査役、─
– George Olcott、監査役、社外・独立
– Catherine O’Connell、監査役、社外・独立
長田 弘己、監査役、社外・独立

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。