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2021年3月3日【MaaS】

豊田通商、コートジボワール共和国で電子交通基盤会社に出資

NEXT MOBILITY編集部

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豊田通商とグループ会社のCFAO社は3月3日、アフリカ向けスタートアップ企業などへの出資・融資等を目的に共同設立したモビリティ54(Mobility 54 Investment)社を通じて、コートジボワール共和国でデジタル交通プラットフォームを展開するモジャライド(Moja Ride)社に、新株予約権付転換社債の引き受けによる出資を決定した。

 

出資は、2月26日に開催された、日本経済新聞社(以下、日経)と国際協力機構(以下、JICA)共催で行われたテック系イベント 「アフリカ新興テック ピッチ決勝戦でモジャライド社がモビリティ54特別賞を受賞したことによるもの。豊田通商は、モジャライド社が公共交通機関を対象としたサービス展開を後押しすることで、西アフリカの公共交通サービスの品質向上が期待できると考え、同社を特別賞に選定、今回の出資に至ったとしている。

コートジボワールの最大都市アビジャン市では、約3万5千台の「ウォロウォロ」と呼ばれる乗り合いのタクシーと約8千台の「バガー」と呼ばれるミニバスが、古くより市民の足として普及しており、その事業運営は、タクシーやバスのオーナーである個人事業主がそれぞれのドライバーを雇い、交通サービスを提供。

 

そのため、タクシーやバスごとの運行情報や料金システムが統合されておらず、乗客はサービスを利用するたびに運行スケジュールや目的地の確認、料金交渉などを行う必要がある。またその一方で、現金による運賃の支払いが主流であり、ドライバーが日々の売上を管理しているため、オーナーが正確にサービス収益を把握することが困難になっていると云う。

 

そのような状況の中、同国発のスタートアップ企業であるモジャライド社は、アビジャン市を中心に、現在1,200台以上のタクシーやバスに対して複数の交通機関をまたいで利用できるキャッシュレス決済システムや、乗車予約システムを、地場の交通産業への理解と、関係者とのネットワーク力を活用しつつ、現場の課題と向き合いながら開発・提供。

 

豊田通商は、モジャライド社のこのシステム拡がり、運行情報と乗車情報が整流化されることで、乗客の利便性と事業主の事業効率性の向上が図れ、同国の公共交通サービスの品質向上につながることが期待できるとしている。

 

 

豊田通商グループは、モビリティ54社を通じてアフリカで革新的なモビリティサービスを展開するスタートアップ企業へ投資を行い、事業の拡大やサービス拡充への支援、またグループのアフリカ事業との相互シナジーを創出。アフリカでのMaaS/CASE事業といったソフト面の取り組みを加速し、車両やアフターサービスの提供などハード面との両面から、より包括的にアフリカのモビリティ社会の課題解決に取り組んでいくとしている。

 

[会社概要]

<モジャライド社>

– 会社名:Moja Ride SARL
– 所在地:コートジボワール・アビジャン市
– 代表者:Founder & CEO Mr. Jean Claude Gouesse(ジャン・クロード・グッセ)
– 設立:2019年
– 事業内容:コートジボワールでの交通事業者向けシステム開発・販売事業

 

<モビリティ54社>

– 会社名:Mobility 54 Investment SAS
– 所在地:フランス・セーブル市
– 株主構成:豊田通商 70%、 CFAO 30%
– 代表者:President & CEO 渡邊 剛
– 設立:2019年10月
– 事業内容:アフリカ向けスタートアップ企業などへの出資・融資。豊田通商・CFAOグループ事業とのシナジー創出。

 

 

Moja Ride:https://mojaride.net/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。