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2021年3月1日【SDGs】

トヨタ、ハイエース用「飛沫感染対策セパレータ」を発売

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ自動車は3月1日、送迎車としてニーズの高いハイエースを対象とした「飛沫感染対策セパレータ」を、全国のトヨタ車両販売店、レンタリース店を通じて同日より販売店装着の純正用品として発売した。

 

なお設定対象は、ハイエースのワゴン「グランドキャビン」「GL」「DX」、ハイエースのコミューター「GL」「DX」、ハイエースのウェルキャブ(メーカー完成特装車)車いす仕様車、ウェルジョイン、ハイエースのTECS(メーカー特装車)幼児バス、ビジネス送迎車“ファインテックツアラー”となっており、2013年マイナーチェンジ以降の車両を対象に装着可だ。

 

より具体的には、ハイエースのワゴン、コミューターとともにメーカー完成特装車(ウェルキャブならびにTECS)に於いて、フロントシートとリヤシートの間に装着するもので、病院や福祉施設、観光での送迎など乗客や運転手の飛沫感染リスクを低減、安心して乗車できることを狙いとしている。但し添付の写真で見た通りの仕様であるから、トヨタでも完全に飛沫を遮断するものではないとしており、換気のため外気設定や窓を開けるなどの対応は欠かせない。

 

以下はグランドキャビン(ハイルーフ仕様)装着イメージとなる。

 

 

以下は車いす仕様車Bタイプ 装着イメージとなる。

 

 

トヨタはコロナ禍に於いても、「もっといいクルマづくり」を支える製造現場のモノづくり力やTPS(トヨタ生産方式)を活かし、マスクやフェイスシールドの生産、医療用防護ガウンの生産性向上支援、足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」の市販化などを推進。また、飛沫循環抑制車両の提供にも取り組んできた。

 

ちなみにTPSは、トヨタ自動車工業(当時)の大野耐一氏や鈴村喜久雄氏らが生産ラインのムダを排除するために確立した生産方式を指す。最も重要なのは、7つのムダを定義していること。それらを排除するために「ジャストインタイム」と「自働化」の2本柱で体系化されている。

 

その7つのムダとは、(1)その時点で必要のないものを余分に作ることに対する「つくりすぎのムダ」 、(2)前工程からの部品や材料を待って仕事ができないことによる「手待ちのムダ」、 (3)モノの必要以上の移動、仮置き、積替えなどに起因する「運搬のムダ」、 (4)従来からのやり方を継続して本当に必要かどうか検討せず、本来必要の無い工程や作業を行うという「加工そのもののムダ」、(5)完成品、部品、材料が倉庫など保管され、すぐに使用されていないなどの「在庫のムダ」 、(6)探す、しゃがむ、持ち替える、調べるなど不必要な動きのを指す「動作のムダ」、 (7)不良品を廃棄、手直し、作り直しすることによる「不良をつくるムダ 」となっている。

 

トヨタ生産方式では、これら一般的な生産方式で発生している管理など、顧客にとっての価値を生まない活動をムダと定義し、改善していくための仕組みがある。同方式では顧客(後工程)のニーズが生産計画に自動で落とし込まれ、各工程が必要なものを必要な時に必要なだけ生産・供給できる。つまり顧客のニーズに沿ったものだけをムダなく生産・供給できることが大きな違いといえるだろう。

 

さて同記事の本題である「飛沫感染対策セパレータ」は、飛沫循環抑制車両提供の活動を知った多くの車両ユーザーから、トヨタ車両販売店を通じて送迎で使用するハイエースにも装着可能なセパレータがすぐ欲しいとの声を寄せられたことから検討が進められてきた。いち早く商品化し届けるため、元々ハイエースのバンに設定されているトヨタ純正用品「ルームセパレータカーテン」をベースとした試作品を医療や福祉の現場に持ち込み、使い勝手など現場のニーズを聞き徹底して「カイゼン」を重ねた結果の製品化となった。

 

製品開発に於いては、洗浄などを考え脱着可能とし、車内の状況を把握し易いように透明なビニール素材を全面に採用。また前後席のどちらからでもファスナーにてセパレータを開閉可能とするなど、誰もが使いやすく、また手に入れやすい純正用品として誕生した。

 

これらの取り組みは、人々が幸せになるモノやサービスを提供すること、すなわち「幸せを量産する」トヨタ自動車の取り組みであるトヨタフィロソフィーのひとつだ。

フィロソフィーコーン

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。