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2021年5月21日【SDGs】

HORIBA、ソーク車両管理システムを本格展開

NEXT MOBILITY編集部

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HORIBAは5月27日、自動車の排ガスや燃費試験において、試験前の車両状態及びソーク室温度を計測記録するソーク車両管理システム「STARS SOAK+(スターズソークプラス)」の本格展開を始めると発表した。

 

 

同製品は、ソーク中の車両状態やソーク室温度を計測しデジタルデータとして自動的に記録することで、ソーク確認作業を効率化するとともに、ヒューマンエラーの未然防止ならびにトレーサビリティを担保することが可能となるもの。排ガス・燃費試験の効率を向上させ、複雑化する車両開発の負荷軽減に貢献するという。

 

 

◾️開発の背景

 

 

排ガスや燃費試験に用いる車両は、試験データを正確に計測するため、事前にソーク室と呼ばれる一定の温度に保たれた部屋に入庫し安定させた後、試験を開始する。この際、厳密な試験結果を得るために、ソーク室の温度、ソーク中の車両の状態(タイヤの空気圧やエンジンオイルの温度など)のトレーサビリティを確保することが求められている。自動車メーカーでは、複数のソーク中の車両の状態を数名が手作業で計測・記録しており、試験の効率化に向けたニーズが高まっている。

 

 

今回発表された「STARS SOAK+」(特許出願済)は、試験車両およびソーク室の状態を計測したデータを、タブレット端末を用いることで簡単に記録・一元管理でき、一名での試験を可能とした。

 

 

さらに、別売のテストオートメーションシステム「STARS VETS(スターズベッツ)」などと連携することで、排ガス・燃費試験の帳票データに自動入力できるなど、誤入力によるヒューマンエラーをなくすとともにトレーサビリティを担保し、ソーク確認作業の信頼性を向上させた。

 

 

同製品は、すでに一部の認証機関や自動車メーカーに導入されており、今後は新機能の展開なども予定しているという。

 

 

◾️製品の特長

 

 

・タブレット端末を用いたデータの一元管理
「タイヤ空気圧・油水温測定ユニット」により、タイヤ空気圧とエンジンオイル温度を計測し、ソーク中の車両状態を容易に記録
・「ソーク室温測定ユニット」により、ソーク室の入出庫時間やソーク室温度データを自動で常時記録保存
各種計測データをタブレット端末で一元管理。一名での作業が可能となり工数低減に貢献

 

 

◾️測定データの自動アップロード

 

 

別売のテストオートメーションシステム「STARS(スターズ) VETS(ベッツ)」やテストオートメーションソフトウエア「STARS(スターズ) Enterprise(エンタープライズ)」と連携することで、排ガス・燃費試験の帳票データへの自動入力やデータベースへのアップロードが可能となり、誤入力リスクの低減と試験効率の向上に寄与

 

 

そのほか、電動車両の試験効率向上に向け、「バッテリー充電量計測機能」の展開を予定しているとのことだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。