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2019年12月10日【アフター市場】

日本ミシュラン、日本市場に最適化した新タイヤを披露

松下次男

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 日本ミシュランタイヤ(ポール・ペリニオ社長、東京都新宿区)は12月10日、新開発の低燃費タイヤ「ミシュラン・エナジー・セイバー・フォー(ENERGY SAVER 4)」を2020年2月1日から発売すると発表した。雨天時の安心感が得られるウェットブレーキング性能と快適性をともに向上させた低燃費タイヤで、ペリニオ社長は東京都内で開いた新製品発表会で同商品の投入により「日本のエンドユーザーのタイヤ満足度ナンバーワンを目指す」と強調した。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

日本ミシュランタイヤ代表取締役社長のポール・ぺリニオ氏

 

ウェットブレーキ性能と快適性を両立させた新低燃費タイヤ「ミシュラン・エナジー・セイバー・フォー」

 

 低燃費タイヤは今や、我が国の乗用車タイヤ市場で最も規模の大きいセグメント。これに対し、日本ミシュランは1993年に低燃費タイヤの「グリーンタイヤ」を発売して以降、性能を順次、進化させてきた。2013年には現行の低燃費タイヤ「エナジー・セイバー・プラス」を投入。今回の新開発低燃費タイヤはこれの後継製品となるものだ。

 

 エナジー・セイバー・フォーは日本で設計、開発した。「ミシュランは外国のメーカーだから、外車にしか会わないのでは」「ミシュランのタイヤは軽い車(軽自動車)には合わないでしょう」という声を聞くことがあるが、これは完全な誤解という。

 

PC/LTタイヤ事業部でブランド戦略を担う黒谷繁希マネージャー

 

同社によると、ミシュランの開発拠点は本体のフランスのほか、米国、日本の3か所あり、うちフランスと日本は基礎研究所を併設する。それぞれの開発拠点は地域特性に合わせて、タイヤの開発を進めており、日本はアジア向けを担当。エナジー・セイバー・フォーは日本、香港、台湾に投入する計画だ。

 

 新開発のエナジー・セイバー・フォーは軽自動車サイズの5サイズを含む23サイズをラインナップ。「新縦溝構造」「新採用アンダートレッドラバー」「新配合コンパウンド」などにより、安全性、経済性、居住性を高い次元で両立し、快適なドライビング環境を提供する。

 

ENERGY SAVER4の開発と設計を担った製品開発本部新製品開発部の守部浩平シニアエンジニア

アンダートレッドラバーを新採用して高い静粛性と共に雨の日の安心感と快適性をも両立させたという。

 

雨の日の安心感と快適性を両立させた新タイヤは日本で設計・開発し日本ユーザーの満足度No1を目指す

 

 従来品に比べ、雨天時などの濡れた路面でのブレーキ性能が5・5%向上、短い距離で止まれるほか、パターンノイズ、ロードノイズのそれぞれを5%、9%低減した。ペリニオ社長は「雨の日の安心感と快適性を両立した低燃費タイヤだ」と述べるとともに、同社発行の飲食店・レストランのセレクションリストであるミシュランガイドをもじって「三つ星の低燃費タイヤ」と自信を示した。

 

 

 ミシュランは日本で環境対応タイヤ投入のパイオニアであり、1993年の投入後、2001年からエナジーシリーズを展開する。こうした低燃費タイヤが一般に普及するきっかけとなったのが、2010年のタイヤラベリング制度のスタートであり、今や乗用車タイヤ市場の約3分の1を占める。半面で、低燃費タイヤだからと言って他の性能を犠牲にするのではなく、ウエットグリップ性能や静粛性を求めるニーズは大きい。

 

 

 そこで新開発したのが今回のエナジー・セイバー・フォー。それだけに新タイヤは同社にとっても「インパクトの大きい新商品」であり、低燃費タイヤ市場の伸びを「上回る」販売を目指す。販売価格はオープン。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。