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2020年10月26日【アフター市場】

IDOMとサムライインキュベート、アフリカ事業で新会社設立

NEXT MOBILITY編集部

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中古車買取・販売のガリバーを運営するIDOMは10月26日、展開しているアフリカ事業を分離(スピンオフ)し、新会社となる株式会社FMGを設立したと発表した。それとともに、創業期のスタートアップへの投資・成長支援を実施するサムライインキュベートの子会社のサムライインキュベートアフリカが運営する「Samurai Africa Fund 2号投資事業組合」より、FMGへの出資・成長支援が決定している。

 

 

 

 

アフリカ諸国においては日銭を稼ぐ層がまだ多い中、配車サービス等のドライバーとして生計を立てる人が増加傾向にある。車があれば、より多くの仕事を得られる一方で、アフリカでは銀行口座を持たない人が大半のため、与信を得ることができず、車を購入できないという現状がある。現在の車の二次流通では、アフリカの人々に中古車が届くまでに介在するプレイヤーが多い構造も問題となっており、車を購入する人々が安心して日本の中古車を手にできない状況が発生していた。また現地において、これらの問題を組織的に解決する企業が存在しないことも課題だった。

 

 

IDOMは、2017年より、アフリカ現地での調査をスタートし、クルマの流通構造や金融サービス等の検証を行いながら、新たな中古車流通の形を模索してきた。こうした取り組みを進める中、より柔軟かつスピーディーな事業運営を図ることを目的に、このたび同事業をIDOMからスピンオフすると同時に、サムライインキュベートからの出資を受けることとなったものである。

 

 

新会社FMGでは、これまでの取り組みに加えてドライバーを組織化し、ドライバーへ直接中古車を貸与すると同時にファイナンスも行う。FMGと配車サービス企業は、顧客属性、支払履歴、保証人、走行履歴等これまで可視化されていなかった良質な働き手の信用情報データを蓄積・共有連携し、FMGから配車サービス企業へ車両とドライバーをセットにして提供する。これにより、与信を取ることができなかった人々も車を入手して配車サービスで仕事をすることができるようになる。 また、FMGが日本からアフリカへ良質な中古車を直接輸出することで、構造をシンプルにすることができるため、相対的に割安な価格かつ、ドライバーが安心して日本の中古車を手に入れることができるようになる。

 

 

 

 

FMGは、IDOMで蓄積した流通ノウハウやリソースを強みに、アフリカ諸国における流通構造の変革を通じた新たなビジネスモデルの構築およびサービス改善・拡張を進めていく。またサムライインキュベートは、FMGへ資金の提供とともに”ハンズイン”型の成長支援として財務・広報・採用面でのサポートを強化する。

 

 

FMGの林亮代表取締役社長とサムライインキュベートの榊原健太郎代表取締役は、今回の設立について以下のようにコメントしている。

 

 

「今回、IDOMの強みと、サムライインキュベートの強みを掛け合わせ、新会社を設立し、短期ではなく長期視点に立ち、これから巨大市場に成長していくであろうアフリカ市場を攻略することのできる体制の基礎を作ることができました。 新型コロナウィルスの流行によって、世界が大きな影響を受けている環境ですが、このようなときだからこそ、大局的な視野を持ち、日本の自動車業界がこれまで築き上げてきた強みを活かしながら、次の世代に繋げることができるようなビジネスモデルを創り上げていきたいと考えています」
(FMG 林亮代表取締役社長)

 

 

「今回FMG、IDOM、弊社が一緒に取り組むことにより、生み出されるキーワードが沢山あります。大企業から”スピンオフ”する起業の方法や新規事業の作り方の事例になるだけでなく、日本のものづくりの中心産業でもある自動車関連であり、さらに、グローバルオープンイノベーションのビジネスだからこそ、次世代のビジネスに大きく繋げていけるとも考えています。 また、アフリカ大陸での雇用を創出することにもなり、SDGs目標の観点でも世界をリードできる日本のビジネス成功事例になりうる事業だと確信しています」

(サムライインキュベート 榊原健太郎代表取締役)

 

 

■FMG:www.fleetmg.co.jp

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。