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2021年4月5日【イベント】

TGR、2021年スーパーフォーミュラ開幕戦の結果を発表

NEXT MOBILITY編集部

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決勝スタートシーン

 

 

TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は4月4日、4月3日(土)と4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラの開幕戦の結果を発表した。

 

平川 亮(carenex TEAM IMPUL)がトヨタ/TRDエンジン搭載車最上位となる4位でフィニッシュ。今季からフル参戦となった宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)と阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING)がそれぞれ7位、9位でポイント獲得を果たした。

2020年は新型コロナウイルスの影響により大幅に開幕が遅れた全日本スーパーフォーミュラ選手権であったが、今季は例年通り4月からシーズンが開幕。感染対策に十分な配慮をした上で、有観客で開幕戦が開催された。

 

今季の同シリーズには、6チーム11台がトヨタ/TRD 01Fエンジンを搭載してエントリー。このうち4チームは2020年同様のドライバーラインナップとなるが、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの37号車は、昨年スーパーフォーミュラ・ライツで初年度チャンピオンとなった宮田がステップアップ。加えて、P.MU/CERUMO・INGINGの39号車も阪口が新たに加わった。

 

今季のスーパーフォーミュラは、2020年とは異なり、土曜日に予選、日曜日に決勝を行うフォーマットに戻される他、オーバーテイクシステムを使える時間が1レースあたり100秒から200秒に増やされ、更なる激しいバトルが期待される。

 

また、ポイントシステムについても2020年から採用された、予選トップ3へのポイント付与及び決勝は10位までポイント獲得というシステムを踏襲。今季も全7戦中5戦の有効ポイント制で争われる。

 

今大会、シリーズにエントリーしている小林可夢偉(KCMG)は海外戦後の自己隔離期間、そしてサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)は入国が叶わなかったため欠場となり、それぞれ小高一斗と中山雄一が代役として出場した。

 

 

■予選
3日(土)、好天の下で午後2時40分よりノックアウト方式の予選が行われた。Q1は2グループに分けての実施。それぞれ9台ずつ出走し、上位7台がQ2へと進出する。

 

気温20度、路面温度27度のコンディションで開始されたQ1のA組は、10分間のセッションの残り7分を切って全車コースイン。3周ほどのウォームアップで充分にタイヤを暖めた後、チェッカー目前でアタックを開始。午前中のフリー走行や直前の公式テストでも好調だった宮田と平川が、トップとコンマ1秒以内という僅差のタイムで3,4番手タイムをマーク。これに阪口も続き5番手。スポット参戦で初めてスーパーフォーミュラの予選を戦う小高は最後の最後に7番手に飛びこみ、Q2進出を決めた。一方で山下 健太(KONDO RACING)はタイムが伸びず、9番手でQ1敗退となった。

 

 

阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)

 

 

B組も終盤目まぐるしく順位が入れ替わる展開となったが、中嶋 一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が3番手の好タイムをマーク。最後までコースインを遅らせてアタックした国本 雄資(KCMG)が5番手。関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)が6番手、坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)が7番手でQ2進出。スポット参戦の中山と大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)は8番手、9番手でノックアウトとなった。

 

Q2は7分間。阪口が1分21秒台に入れる好走を見せると、平川がこれを上回るタイムで3番手。宮田も1分21秒台で5番手に入り、この3台がQ3へ進出。

 

中嶋は終盤8番手に入り、Q3進出を決めたかと思われたが、そのアタックラップで走路外走行違反を取られベストタイムが抹消。関口が9番手、坪井10番手、国本12番手、中嶋13番手、小高14番手でQ3進出を逃した。

 

Q3では、トヨタ勢はQ2のタイムを僅かに更新したものの、ライバルが大きくタイムを伸ばし、阪口が5番手、宮田が6番手、平川が7番手グリッドから決勝レースをスタートすることとなった。

 

 

 

■決勝
4日(日)は雨が予想されていたが、決勝レースのスタートが切られる午後2時の時点では路面はドライ。全車スリックタイヤを装着し、気温17度、路面温度19度というコンディションで、午後2時10分に41周で争われる決勝レースのスタートが切られた。スタートでは、9番手グリッドの関口が一気に5位あたりまで浮上したが、他者との接触がありタイヤをパンク。これを避けようとした中嶋がコースアウトし、順位を落とした。

 

これによる混乱で中団グループ以降の順位が入れ替わり、1周目を終えた時点で坪井が10番手グリッドから6位へとジャンプアップ。12番手スタートの国本が7位へ、平川が8位、トヨタ勢最上位の5番手グリッドからスタートした阪口は出遅れ9位へとポジションを落とした。

 

 

平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)

 

 

翌周、5位の車両がピットインしたことで坪井以降はひとつずつポジションアップ。3周目のTGRコーナー(1コーナー)進入では平川がオーバーテイクシステムを使って国本をパスし、3台による5位争いを展開。平川は9周目に坪井もかわし、トヨタ勢の最上位に浮上。

 

その後方では、スタートで順位を落とした宮田と阪口がテール・トゥ・ノーズの激しい8位争いを繰り広げた。

 

 

国本 雄資(KCMG 18号車)

 

 

重く立ちこめた雲から僅かに雨の兆候が見られる中で、義務づけられているタイヤ交換のためのピットタイミングに各チーム苦心。それでも折り返しを過ぎたあたりで多くの車両がピットへ向かい、スリックタイヤへと交換した。

 

終盤にはやや雨が降り始め、前半戦では平川に次ぐ位置で好走を見せていた坪井が37周目に痛恨のスピン。リタイアとなった。 上位勢では平川と中山がトヨタ勢最後までピットを遅らせ、残り3周となった38周目終了時点でピットイン。この時点で2位を走行していた平川は、2位でコースへ復帰したが、小雨が降り始めた中、冷えたタイヤでアウトラップのペースが上がらず、2台にかわされ、4位へと後退。最後まで粘り強く上位争いを繰り広げた平川であったが、惜しくも表彰台には届かず、4位でチェッカーを受けた。

 

 

宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 37号車)

 

 

結局最後まで本格的に路面を濡らすまでには至らず、全車スリックタイヤのまま走り切ったレースで宮田が7位、国本が8位、阪口が9位、大嶋が10位でポイント獲得。中嶋は1周目のスピンから追い上げ11位、山下も18番手スタートからの追い上げで12位フィニッシュとなった。スポット参戦の中山は14位。スーパーフォーミュラ初レースの小高は15位ながらトップと同一周回で最後までレースを走り切った。

 

 

■スーパーフォーミュラ 2021年 第1戦(開幕戦)富士 決勝結果

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。