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2021年3月18日【MaaS】

タイムズカーシェア、NPSベンチマーク調査で1位獲得

NEXT MOBILITY編集部

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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下「NTTコム オンライン」)は、カーシェアリング業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS®ベンチマーク調査を実施、3月18日、その結果を発表した。

 

カーシェアを利用することによるメリットとしては、自家用車保有に比較し経済的な負担が軽くなる点をあげるユーザーの割合が最も高く、サービスの利用に際しては、利便性の良さや、利用料金の適正さが重要視される傾向となった。

 

NPS®1位は、近くに車があることや利用のしやすさといった項目において高い評価を得た、タイムズカーシェアとなった。

 

またカーシェアは、コロナ禍における安全な移動手段としても、評価されている。

 

– 調査結果の詳細
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/carsharing/

 

 

■調査結果のポイント
1.カーシェアリング業界のNPS®1位はタイムズカーシェア
カーシェアリング3社のうち、NPS®の総合トップはタイムズカーシェア(-5.9ポイント)となり、最下位の企業との差は13.0ポイントとなった。3社のNPS®平均は-11.1ポイントとなった。

 

 

 

2.業界全体ではサービスの利便性が料金設定の適正さといった点が重要視される要素に
業界全体において利用料金の適正さやコストパフォーマンスの良さが重要視されている一方で、価格面では参入企業間で利用料金がほぼ均衡しており、差を付けにくい傾向にある。このことから、「近くに車があること」をはじめとした利便性の良さが、ロイヤルティに最も影響する要因となった。

 

19の要因別に重要度と満足度を調査したところ、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は「利用したいときに予約が取れること」、次いで「近くに車がある」といったサービスの利便性、また「コストパフォーマンスの良さ」、「車種や時間による料金設定が適正」といった料金面の適正さとなった。

 

NPS®1位となったタイムズカーシェアにおいては、「近くに車があること」ことや「車種や時間による料金設定が適正」の項目に加え、「予約や支払のスムーズさ」や「乗車方法のわかりやすさ」といった予約から乗車、支払の一連の流れにある利便性の良さの面でも満足度評価がトップとなり、業界1位の評価につながっている。

 

また、カーシェアの利用におけるメリットについては、「自家用車を持つよりも経済的な負担が軽くなった」が最も高い結果となり、次いで、「気軽に遠出・レジャーに行けるようになった」、「コロナ禍での安全な移動が確保できるようになった」となった。カーシェア全般においては、自家用車からの切り替えによる経済的なメリットが、ユーザーから最も高く評価される結果となっている。

 

 

3.新型コロナウイルスの感染対策背景に、密集や人混みを避けられる移動手段として評価が高まる
1年以上該当のカーシェアを利用している利用者に、新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて推奨意向に変化があったか調査したところ、該当者のうち33.0%の利用者が「以前よりもお薦めしたいと思っている」と回答した。

 

新型コロナウイルスの感染拡大により、以前よりもお薦めしたいと回答したユーザーに対してその理由を自由記述で調査したところ、「公共機関での移動よりも人混みを避けられるから」、「三密を回避できるから」といった、人混みや密集を避けられる点についての言及が、最も多く見られた。新型コロナ対策として、密集を避けて移動できる手段として評価されたことが、よりお薦めしたい気持ちにつながったことが判明した。

 

図:新型コロナウイルスの感染拡大による推奨意向の変化

 

 

4.推奨度の高い利用者ほど月額の利用料金も高くなる
対象のカーシェアにおける平均的な月額の利用料金を推奨セグメント別に分析したところ、顧客ロイヤルティの高い「推奨者」は、「批判者」の1.8倍、また「中立者」は「批判者」の1.3倍、利用料金が高くなり、推奨度が高いほど、月額の利用料金も高くなる結果となった。

 

図:NPS®セグメント別月額の利用料金(「批判者」を「1」とした場合)

 

 

5.個人間カーシェアは「好きな車に乗れる」、メーカー系カーシェアは「安心」「信頼」で評価が高い
今回の調査の対象企業は9社で、個人間カーシェアと、個人対法人カーシェアの2つのカテゴリーを含んでいる。対象企業の満足度を19の要因別に分析したところ、個人間カーシェアにおいては、「輸入車や高級車など憧れの車の多さ」が評価される傾向がみられた。個人対法人カーシェアでは輸入車や、高級車を利用できる点に加え、「好きなときに好きな車に乗れるから」や、「色々な車を気軽に借りることができるから」といった、多様な選択肢の中から車を選んで乗れることが評価されている傾向が伺えた。

 

またメーカー系のカーシェアにおいては「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「サービスの信頼性」の項目で高い傾向となった。利用者の声としても、「運営しているメーカーのブランドが信頼できるから」、「安心感がある」、「大手企業で安心できる」といったものが多く、安心や安全など自動車ブランドに由来した信頼性が高い傾向がみられた。

 

 

■調査概要
– 調査企業(アルファベット順、50音順)※ランキング対象外の企業も含む:
Anyca、dカーシェア(NTTドコモ)、GO2GO 、TOYOTA SHARE、オリックスカーシェア、カレコ・カーシェアリングクラブ、タイムズカーシェア
– 調査方法:NTTコム リサーチ*による非公開型インターネットアンケート
– 調査期間:2020年11月27日(金)~2020年12月4日(木)
– 有効回答者数(ランキング対象企業):649名(ランキング対象外企業の回答者含む:1,072名)
– 回答者の属性(ランキング対象企業の有効回答者数の属性):
【性別】男性:70.4% 女性:29.6%
【年代】20代以下:22.2%、30代:22.7%、40代:21.0%、50代:16.3%、60代以上:17.9%

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。