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2024年4月24日【企業・経営】

アルファロメオ、新型ジュニアの内装にアルカンターラを採択

坂上 賢治

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イタリアのマテリアルブランド「ALCANTARA®(アルカンターラ)」は4月24日、Alfa Romeo( アルファ・ロメオ )の新型車「JUNIOR( ジュニア )」の内装に自社素材が採用されたことを発表した。

 

ここで横道にそれてしまう余談となるが、このアルファ・ロメオ ジュニアは、先の新型車リリースで一旦、〝アルファ・ロメオ ミラノ〟として正式発表( 4月10日 )された車両で、その後に車名がジュニア( 4月15日 )に改められた。

 

 

一旦、出されたイタリア車の名前が発表後に改められた顛末は、当局によると「ミラノ」という名前がイタリアを代表する地名であり、ブランドであるコト。それゆえ対象車は正真正銘のイタリア製でなければならず、表面的には、ミラノ( 現ジュニア )が、ポーランドで製造されているという理由がその根拠として流布されている。

 

しかし真の理由は「正真正銘のイタリア製」という実態に拘らなければならない程、近年、他国に由来する名前を、ブランドとして先回りして商標登録してしまう法人や組織の横行に対抗してのことのようだ。

 

というのは今回の新型車は、イタリアに由来するメーカーの新型車名であるからで、それが変更に至った理由は、先の通りイタリア独特のあいまいな( 他者の横行に対抗するための )命名法に帰着するようだ。

 

いずれにしてもアルファ・ロメオ ジュニアという車名も、1966年に発表されたアルファ ロメオ GT 1300ジュニアに由来するものであり、歴史に裏打ちされたブランドの背景を訴求するのに決して劣っている訳ではない。

 

 

この改められた命名について、アルファ ロメオのジャン・フィリップ・インパラートCEOは、「アルファ・ロメオ ジュニアは、ブランドの歴史と強く結びついており、私たちにとっても、また一般のアルファ・ロメオファンにとっても、昔から馴染んできた名前のひとつであるため、という命名は、まったく自然なことです」と述べている。

 

 

さて本題に戻ると、アルファ・ロメオの新しいエントリーモデルであるジュニアへの内装材として選択されたことをアルカンターラは、理想の選択肢であると讃えている。

 

というのは、シート中央に配されたブラックのアルカンターラは、赤の裏地とステッチに丸みを帯びた小さな透かし彫りが施され、非常にスポーティな触感と審美的な視覚効果を生み出しており、アルファ・ロメオもアルカンターラも共に、情熱、完璧なクラフツマンシップ、技術革新、常に新しいデザイン・ソリューションを探求し、拘り続けるイタリアンブランドであるからだとした。

 

アルカンターラでは、「アルファ・ロメオ  ジュニアのキャビンスペース作りの哲学は、我々の目指すべき目的とぴったりと符合するものだからです。

 

 

アルカンターラは、スポーティなドライビングを愉しまれるドライバーにとって、愛されるべき感触を提供するものであるばかりでなく、同乗者も心地よく包み込んでくれるマテリアルでもなければならないからです。

 

つまりエレガントでスポーティなデザインを求めるだけでなく、現代のサステナビリティにも真摯に取り組んでいるアルファ・ロメオとって、メイド・イン・イタリーのアルカンターラは、その独自のスタイルとデザイン、価値観を介して、高品位なドライビング体験を求めるドライバーたちのニーズに応えるための選択肢であるのです」という。

 

これに対してアルファ・ロメオは、「ジュニアは、ドライバーのニーズにお応えすることだけでなく、キャビンスペースに着座する乗員の快適性を高めることに於いて一切の妥協はしていません。

 

アルファ・ロメオにとっての快適性とは、あらゆる移動体験をシンプルで、ファンで、安全なものにすることです。だからこそ、ジュニアのキャビンは、細部へのこだわった上質なインテリア、そしてスポーティな雰囲気と包み込まれるようなイタリアならでは上質さを備えた感覚を感じることができることでしょう」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。