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2024年4月11日【新型車】

アルファ ロメオ、新型コンパクトの「ミラノ」を初披露

坂上 賢治

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ステランティスN.V.傘下のアルファ ロメオブランドは4月10日( 欧州・イタリア発 )、ブランド創業の地にあるミラノ自動車クラブ本部( Automobile Club Milano )に報道陣を募り、自社ブランドの新型コンパクトSUV「ミラノ( MILANO )」をオフライン+オンライン会見上にて披露した。( 坂上 賢治 )

 

 

会見の壇上で同ブランドでマーケティング&コミュニケーション部長を務めるエリジョ・カタリネッラ氏が、「今回、アルファ ロメオブランドから誕生したミラノは、イタリア美しさの基準を再定義するクルマです。

 

それはヨーロッパ市場最大のコンパクトセグメントへ投入する全く新しいアルファ ロメオであり、Alfa Romeo Centro Stile(アルファ・ロメオ・チェントロスティーレ/トリノのカロッツェリア) によるブランドの再解釈に基づいたクリエイティブな繋がりを示す製品でもあります。

 

また、かつてのジュリエッタとミトのファンにとっては、久方振りのコンパクトモデルの復活を果たしたことを示す〝おかえりの挨拶〟であり、新世代のアルティスタ( Alfista )並びアルフィスティ( Alfisti )へ対しては〝歓迎の挨拶〟になります」と述べている。

 

 

そのプロポーションは、限られたオーバーハング、力強いホイールアーチ、伝説的なジュリア TZ を彷彿とさせる〝切り詰められたテール〟など、自動車業界で最も有名で認識可能なサインをを示し、伝統に関連するスタイル上の特徴で設定されているとした。

 

そんなミラノは、マーケティング的には「ステルヴィオ」「トナーレ」に続く同ブランド第3のSUVであり、ボディーサイズは全長4.17×全幅1.78×全高1.5m。ジュリアGTAの設計チームによって企画・開発されたアルファ ロメオらしさ溢れるドライビングプレジャーを楽しむためのコンパクトSUVでもある。

 

 

車体に搭載されるパワートレインには、純粋なモーター駆動のみのBEVとエンジンと48V電動システムを組み合わせたハイブリッドユニットの2種類が用意される。

 

BEVは「MILANO ELETTRICA( ミラノ エレットリカ )」と称され、容量54kWhのリチウムイオン電池と、ステランティスグルーとして〝Hybrid Synchronous Motor( ハイブリッド同期型モーター )〟と呼ぶ最高出力156HPのユニットが搭載される。また更により高性能ユニットを積んだ「LETTRICA VELOCE( エレットリカ ヴェローチェ )」は240HPのモーターが搭載される。

 

 

このエレットリカ ヴェローチェは、コンパクトクラスで最もダイレクトなステアリングレシオ、専用の前後アンチロールバー、車高を25mm低めたスポーツサスペンションや、高剛性のアンチロールバー( フロント / リア )、トルセンLSD、φ380mmのフロントディスクと4ピストンモノブロックキャリパー、BEV専用の20インチ高性能タイヤが組み付けられる。

 

ちなみに156HP仕様の一充電あたりの走行距離は、ボディ後端を切り落としたよなスタイリング処理とプレミアムコンパクトカーの中では最軽量のボディ重量を活かし、WLTPモードで410km、市街地サイクルでは590km。

 

また販売予定の車両には、欧州統治で60万箇所を超える充電ステーションにアクセスするための専用のコネクテッド ナビゲーション システム( EVルーティング )、ヨーロッパ最大の充電ネットワーク専用のFree2move充電Eカードが標準装備され、出力100kWのDC急速充電充電器を使えば電池残量が10%の状態から30分以内に80%の状態まで充電ができるとしている。

 

 

対する一方のハイブリッド車は「MILANO IBRIDA( ミラノ イブリダ )」と称され、搭載されるパワートレインは可変ジオメトリーターボ付き( VGT )の1.2リッター直3ミラーサイクルエンジン+6段のデュアルクラッチ式AT+21kW( 約28HP )のモーター+48Vのリチウムイオン電池で構成されており、合算したシステム出力は136HP。

 

市街地では50%以上の時間を電気のみで走行できて、電動走行時の最高速は150km/h。駆動方式はFFと、プレミアム コンパクトクラスで唯一の自動後輪駆動アクスルを持つ「Q4」の4WDタイプの2種類がラインナップされる。

 

いずれも実用性、機能性、快適性には気が配られており、ラゲッジスペースは400リッターの容量を確保。自動運転レベル2相当の先進運転支援システム、360°パーキングセンサー、180°リアカメラなども用意される。

 

なお欧州では初期ロット限定の「MILANO SPECIALE( ミラノ スペチアーレ )」ローンチ エディションの注文が既に開始されている。この限定ロットの際立った特徴は、Progresso( プロレッソ )バッジ、18インチのペタリアロイホイールなどが目に付く。

 

 

インテリアでは、スピガビニール&ファブリックインテリア、本革ステアリングホイール、マッサージ機能付き電動運転席など、スポーティかつ専用装備を採用。

 

レベル 2 の自動運転、コネクテッド ナビゲーション、180° リア カメラ、ハンズフリー電動テールゲート、および近接アクセス技術を標準装備したキーレス システムが搭載されている。

 

最後にアルファ ロメオでは、「スポーティでコンパクトなサイズ、一目見ただけで分かるイタリアンスタイル持つミラノの登場で、次のクルマを待つ時代は終わりました。同車は、アルファ ロメオのファンだけでなく、コンパクトセグメントでのプレミアムブランドの復帰を待ち望んでいた全ての人にとって、新たな世界への入り口となります。

 

 

真のプレミアム感を備えていながらスポーツ性を併せ持つ、それは1910年以来アルファ ロメオだけが持ち続けてきた資質であり、そこで重要なのは100%アルファ ロメオであるという事実だけです。それこそが我々の妥協のないクルマづくりの姿勢を示しています。

 

結局のところ、アルファ ロメオは常に、単なる〝移動手段〟としての役割を持たせるのではない、〝本物であること〟を保証するものであり、我々は100年を超えるモータースポーツシーンで鍛えられた歴史を背景に、営々と〝ドライバーとの共生と絆〟を掲げて、本物のクルマを求めている人々をターゲットにしてきました。

 

そこから生まれた新型ミラノは、一言で言えば感覚機能を満足させることに特化したイタリアンブランドヲ知るための「ハンドブック」です。なぜならクルマは情熱と関与を持って体験できるエキサイティングな製品であり続けているからです。それゆえミラノは、日常生活に於いてクールでユニークな運転体験をもたらすことでしょう」と結んだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。