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2019年10月2日【テクノロジー】

ジャガー、英国にデザイン・スタジオを新設

NEXT MOBILITY編集部

 

 

ジャガーは、英国ゲイドンに、84年のジャガーの歴史初となる専用のデザイン・スタジオ「ジャガー・デザイン・スタジオ」を設立した。

 

ジャガー・デザイン・スタジオは、英国ゲイドンにあるエンジニアリング・デザイン・センターの再開発プロジェクトの一環として、建築会社のBennetts Associates社の協力のもと設計。英国ホイットリーにあった以前のスタジオに比べて約2倍となる12,000㎡を超える床面積を確保した。

ジャガー・ランドローバー・ロゴ

ジャガー・デザイン・ディレクターを務めるジュリアン=トムソン氏が率いる新たなデザイン・スタジオは、世界屈指のテクノロジーを駆使し、クリエイティブ・デザインのプロセスを強化するためにつくられた自動車デザイン・センターで、280名のクリエイティブ・チームが結集。

 

一度に20台を制作することができるクレイモデル・マシンや、仮想現実(VR)システム、11mの4Kデジタル・ディスプレイ・ウォール「The Electric」など、業界をリードする最新の設備を備えている。

 

このスタジオの中心には、「ハート・スペース」が設けられ、ハート・スペースを取り囲むように、インテリア、エクステリア、カラー、マテリアル、デザイン・ビジュアライゼーション、デザイン・テクニカルといった、6つの専用作業スペースをレイアウト。

 

ジャガーのデザイン・チームは、ファッションから時計、スポーツ、ゲームなど、世界を舞台に様々な業界で経験を積んだデザイナーたちで構成されており、幅広いデザインの領域で培った力を結集させることで、コンテンポラリーなマテリアルやプロセスを採用しながら、英国らしさを象徴するジャガー・ブランドを実現していく。

 

 

新スタジオの設立に際して、ジャガー・デザインディレクターのジュリアン=トムソン氏は、次のように話している。

 

「ジャガーはデザイン主導のブランドとしてユニークな歴史を持ち、常にデザインをジャガーのDNAの柱としてきました。
 ジャガー創始者であるウィリアム・ライオンズ卿が打ち立てたデザインの価値観や哲学は今もなお引き継がれており、これにより私たちはお客様のために最高のクルマをこの先もずっとデザインし続けることができます。
 デザイン・チームは、自動車業界が直面している問題を十分に理解しており、イノベーションとクリエイティビティをもってそれらの問題に適切に対応することができます。

 

 新施設では、ひとつの広大なクリエイティブ・スペースに、すべてのデザイン・チームを集結させています。なぜならば、インスピレーションとは人と人とのコミュニケーションやコラボレーションから生まれると強く信じているからです。
 最新のテクノロジーを取り入れていますが、それと同じくらい重要なこととして、チームの一人ひとりが持つ専門性や経験がもたらす多様性と、ジャガーに対するパッションがあり、これらが類まれなデザインをつくりあげるのです」。

 

 

新スタジオの「Studio 3」および「Studio 4」と名付けられたメインスタジオには、2台のクレイモデルを収容できる、長さ20m、負荷容量4.5トンのプレートを各5か所、合計10か所に設置。各プレートは、マシンレール上に取り付けられ、CNCクレイモデル・マシンを活用して両側からの加工ができる。

 

また、フロア一体型リフトにより、クレイモデルをプレートごとに昇降して高さ調整が可能。理想的なクレイの状態が保てるよう、温度をコントロール、照明も適切な明るさと色温度に設定され、「Mezzanine(中二階)」、「View Room(展望室)」、「The Steps(階段)」と呼ばれる円形劇場スタイルの座席エリアから、あらゆる高さでモデルを精査することもできる。

 

 

ジャガー・インテリアデザイン・ディレクターのアリスター=ウェラン氏は、次のように話している。

 

「このデザイン・スタジオは、ジャガーの心や神髄を大切にしながら、デザイン・プロセスを改善し、さらにダイナミックに進化させるためにつくられました。
 デザイン・チームがひとつのファミリーとして、これから新しいホームを構築していくことを念頭に、私たちは皆で話し合ってきました。
 『ハート・スペース』というコミュニティの中核となる場所を備え、各デザイン分野間のコラボレーションや相乗効果を促進させることが重要だと考えています」。

 

 

新スタジオではさらに、スケッチからアニメーションまでの過程で、VRリグを用いた仮想現実の中でアイデアの検証が可能。初期の構想段階から、CAS(コンピュータ支援造形)チームがデザイン・スケッチをデジタル3Dモデルに変換し、同時にDVA(デザイン仮想化・アニメーション)チームがデザイナーやデータ・チームと緊密に連携しながらスケッチや3Dモデルをレンダリング、アニメーション化を行う。

 

また、高度なマテリアル技術の開発に、これまで以上に重きを置き、厳しい品質水準を満たしながら、最新かつ持続可能なリソースの研究およびテストができる環境を整え、カラー&マテリアル・チームは、エクステリアおよびインテリアの両方と連携し、新しい塗装色から、インテリアのディテールを考案するなど、各モデルのデザインにおいて重要な役割を担っていく。

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。