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2020年11月5日【経済・社会】

JCB消費NOW、GoTo東京参画後の消費は悲喜こもごも

NEXT MOBILITY編集部

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ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)とナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士)は11月5日、国内消費指数「JCB消費NOW」の10月前半(10月1日~10月15日)の速報値を更新した。同指数は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用し、現金も含むすべての消費動向を捉えている。

 

 

今回の指数は、“Go To トラベル”に東京発着の旅行が対象に加わり、「旅行」が大幅に回復する一方、「家電」「家具」は伸び鈍化。全体消費は回復足踏みという結果となった。

 

なお、10月前半については、以下2点の特殊要因に留意したい。

 

 

①前年の2019年10月は、消費増税前の駆け込み需要後の反動減あり
2019年10月前半は、消費増税前の駆け込み需要の反動で小売・サービス業ともに減少したため、2020年10月前半の数値は実体よりも強く見える可能性がある。

 

②カレンダー要因
例年10月前半にあった祝日「体育の日」が、2020年から「スポーツの日」となり7月後半に移動しており、祝日が1日少ない(連休無し)。

■10月前半・参考系列(注)ハイライト (調査:ナウキャスト)

 

今回、上述した①の影響をできる限り除いて足元の状況を分析するため、「新型コロナウイルス感染症拡大前」の基準値として、増税が行われなかった2年前の2018年1月後半時点の値を設定し、分析ハイライトを作成している。(=2018年比。前年比は、「参考:前年比」に掲載)

 

・2018年比:2018年1月後半の前年比の値を基準として、消費がどの程度変化(増減)しているかを捉える。

 

 

 

 

1.全体(2018年比)

 

「全総合」は、新型コロナウイルス感染症拡大前の1月後半に比べて、-12.1%となり、9月後半から下落幅が拡大。「小売総合」、「サービス総合」ともに下落し、消費回復に足踏みがみられる。各業種をみると、コロナ禍以降加速した『巣ごもり消費』等の消費行動が“巻き戻っていく”兆しがみられる。

 

▼参考:前年比(2019年比)
2019年比:2019年1月後半の前年比の値を基準にして、消費がどのように変化(増減)しているかを捉えるもの。

※新規感染者数は、各期間中の日次合計値(全国)
参照元:厚生労働省・オープンデータ「陽性者数」:https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html

 

 

 

2.小売総合(2018年比)

 

「小売総合」は、コロナ前の1月後半に比べて、-5.3%となり、9月後半から下落幅が拡大。これまで好調だった「家電」「家具」「EC」の伸び率が縮小して減少傾向となっており、「百貨店」などでも消費回復の足踏みが続いている。

 

 

3.サービス総合(2018年比)

 

「サービス総合」は、コロナ前の1月後半に比べて、-17.3%となり、9月後半から下落幅が拡大。祝日が例年に比べて1日少ない(連休が無い)ことなどで、「外食」「交通」「宿泊」「娯楽」は回復が足踏み。一方、祝日が少ないにも関わらず「旅行」は-3.6%と、9月後半(-17.1%)から10%以上の大幅な回復となった。これは、10月から政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」の対象に、東京発着の旅行が加わった影響などによるものと考えられる。

 

 

 

 

■「JCB消費NOW」
https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。