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2018年11月12日【テクノロジー】

鹿島、建築工事を変革。作業の半分をロボット化

NEXT MOBILITY編集部

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鹿島は、建設就業者不足への対応や、働き方改革の実現に向けて、建築工事に関わるあらゆる生産プロセスの変革を推進し、生産性向上を目指す「鹿島スマート生産ビジョン」を策定した。

 

ICTを活用したロボット技術の開発と現場管理手法の革新を進め、2025年を目標に、更なる生産性向上のための建築生産プロセスの実現を目指す。

鹿島・ロゴ

その第一段階として、愛知県名古屋市で施工中の「(仮称)鹿島伏見ビル新築工事」をパイロット現場とし、各種の施工ロボットや現場管理ツールなど、18項目にのぼる技術・システムの集中的な適用、実証を進めている。

 

鹿島は今後、「鹿島スマート生産ビジョン」に基づき、社外のパートナー企業とのオープンイノベーションを推進。実用化された技術を、全国の現場に積極的に展開していく。

 

 

[コアコンセプト]

 

「鹿島スマート生産ビジョン」のコアコンセプトは、以下の3点。

 

①作業の半分はロボットと

 

人と機械の協働による生産性向上を図る。資材運搬などの単純作業や耐火被覆吹付などの苦渋な作業は機械化を進める一方で、特殊な部材の施工や複雑な調整を必要とする作業は、これまでどおり人が行う。

 

②管理の半分は遠隔で

 

現物確認と遠隔管理を組み合わせて、現場管理者の働き方改革を図る。作業進捗状況などの単純な確認業務は、工事事務所や現場外からの遠隔管理にシフトするとともに、協力会社や資材メーカーといった関係者とのリアルタイムな情報共有を推進する。

 

③全てのプロセスをデジタルに

 

BIM(Building Information Modeling)を基軸として、あらゆるプロセスをデジタル化し、生産性の向上を図る。BIMの活用により、詳細な仕様決定や図面上の干渉・不整合箇所の確認と修正作業を迅速化。施工ロボットや現場管理ツールとのデータ連携による省人化等を推進。

 

また、現場管理業務の省力化に向けた帳票類の自動作成システムや、施工中や竣工後に得られる実績データやノウハウを今後の設計・施工計画にフィードバックする仕組みなども、あわせて構築する。

 

 

[現場での集中的な実証]

 

鹿島では現在、自社開発物件の(仮称)鹿島伏見ビル新築工事の現場で、ICTを活用した各種の施工ロボットや現場管理ツールなど18項目の技術・システムを集中的に適用し、その効果を測定しつつ、ビジョンの実現に向けた実証を進めている。

 

 

<実証する18項目>

 

・鉄骨溶接ロボット(柱全周・梁上向き)
・ドローン自動巡回システム
・耐火被覆吹付ロボット
・搬送管理システム
・コンクリート押えロボット
・現場内モニタリングシステム(ウェアラブル/固定カメラ)
・ウェアラブルバイブレータ
・バイタルセンサー体調管理支援システム
・外装取付アシストマシン
・BIM/出来形検査連携システム
・疲労軽減アシストスーツ
・BIM/VR活用(もの決め、安全教育)
・鉄骨建方精度モニタリングシステム
・BIM/ARチェックシステム
・資機材位置・稼働モニタリングシステム
・BIM/鉄筋加工連携システム
・顔認証入退場管理システム
・技能伝承システム(ノウハウ収集活用)

 

 

[鹿島伏見ビル工事概要]

 

– 工事名:(仮称)鹿島伏見ビル新築工事
– 工事場所:名古屋市中区錦二丁目1411番1他
– 事業主体:鹿島建設株式会社 開発事業本部
– 建物用途:事務所(2~13階)、店舗(1階)
– 延床面積:16,891m2
– 構造規模:CFT造、地上13階
– 設計施工:鹿島建設株式会社 中部支店
– 工期:2017年11月~2019年9月(予定)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。