空間情報コンサルティング事業の国際航業(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:土方 聡)は9月27日、超高解像度航空写真の提供エリアを大幅に拡大して提供すると発表した。( 坂上 賢治 )
同社の超高解像度航空写真とは、地上解像度5センチメートルの超高解像度航空写真(高解像度オルソ画像/航空写真等に標高データを与えて、高低差による歪みを除去し、地図と同じ正射投影に変換した画像)を指す。
ちなみに、ひとくちに〝航空写真オルソ画像〟と言っても再現に係る技術は様々であり、同社では従来の航空写真オルソ画像の作成方法と異なる画像相関による表層標高データ( Digital Surface Model )を用いた作成方法を採っているのが特徴だ。
このため建築物の倒れ込みの無い航空写真オルソとなっている。位置精度は、公共測量作業規定の地図情報レベル500に準拠しているため、路上の点字ブロックや車止め等まで詳細に判読可能なもの。
超高解像度航空写真から様々な施設や設備が把握出来る事が強みのため、従来の現地調査や現地計測、地図化、既にある図面の位置の高度化、デジタルツインやメタバースといった3次元空間の創出など様々な用途に於いて活用されている。
国際航業はこれまでも、関連のライブラリデータを販売して来たが、既存の主要都市エリア(東京23区、横浜市、川崎市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、京都市)に加えて、対象を13都市(さいたま市、千葉市、相模原市、仙台市、福岡市、北九州市、熊本市、岡山市、広島市、新潟市、静岡市、浜松市、札幌市)を加え、対象エリアを全政令指定都市(但し政令指定都市の山間部は含まれない)に拡大した。
なお具体的な超高解像度航空写真の活用方法には以下の事例がある。
1. インフラ施設管理のDXへの活用
交通、電力、通信、ガス、水道等の管理図面の作成や管理システムへ搭載し、管理業務の効率化に活用。NTTインフラネットでは「Smart Infra プラットフォーム」構想に於ける地下埋設設備の管理高度化に関して高精度 3D空間情報作成に活用。
2. デジタルツインやメタバースでの活用
デジタルツインの世界では、課題となる地図縮尺が異なる各種図面位置やその他情報を重畳させた際の誤差を位置精度の高い高解像度航空写真をベースに位置補正することも可能。
そこで画像の中間成果物である画像相関による表層標高データ(Digital Surface Model)を高精度航空写真と共に3D都市モデルの作成素材や各種都市シミュレーションの基盤データとして活用出来る。
3. 自動運転や歩行者支援向け地図での活用
高解像度航空写真は、建物等の倒れこみがほとんどないため、車道や歩道境界が鮮明に把握でき、自動運転支援用の高精度な地図や歩行者支援用地図の作成に活用出来る。
4. 損害保険業務での活用
建物屋根形状や周辺地物等の詳細情報が把握できるため、損害保険契約時のリスク評価(アンダーライティング業務等)の基礎資料としての活用や、発災時の建物への損傷状況を判断する際におこなう2時期比較の発災前データとして活用出来る。
国際航業では今後の展開について、「今後、東京23区および政令指定都市の撮影更新を進めると共に、販売対象エリアを中核都市等にも拡大させていく予定です。今後もユースケースを増やし、様々なシーンでの活用をご提案してまいります」と話している。
▼超高解像度航空写真提供サービス「高解像度オルソ画像」
https://biz.kkc.co.jp/data/keisoku/ortho/ortho5cm/