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2018年11月1日【エネルギー】

パナソニック、2021年を目処に純水素燃料電池を製品化

NEXT MOBILITY編集部

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パナソニックは、家庭用燃料電池「エネファーム」で培った技術を応用した水素エネルギー活用の取り組みを加速し、2021年4月を目途に「純水素燃料電池」を製品化する。

 

純水素燃料電池は、水素と酸素のみで高効率にエネルギーを生み出すシステムで、その際、CO2を排出せずに水だけを排出する。システムは、発電部であるスタック、熱交換器、ポンプ、センサーなど数十のデバイスから構成される。

 

パナソニック・ロゴ

 

パナソニックは、2009年5月に世界で初めて天然ガスから取り出した水素で発電する家庭用燃料電池「エネファーム」の販売を日本で開始。その後も、発電耐久時間の向上、コンパクト化、高効率化、設置性の向上、レジリエンス機能の搭載、コストダウンなどに取り組み、累計生産台数は、14万台を突破している(※1)。

 

また、この成果を踏まえて純水素燃料電池の開発も進め、山梨県「ゆめソーラー館やまなし」や「静岡型水素タウン」プロジェクトへの参画を通じ、2016年から実証実験を行ってきた。

今回、製品化する純水素燃料電池の発電出力は5kWで、水素ステーションや商業施設などでの使用を想定。さらに、複数台を連携して稼働させることで、施設の規模に応じた出力にも対応する。

 

パナソニックはさらに、効率よく水素を使う技術の進化に加え、天然ガスや、自然エネルギーと水から水素をつくる技術、そして安全・高密度に水素をためる技術の開発を本格化。

 

エネファームで培った、天然ガスから水素を取り出す燃料処理技術を活用した「小型・高効率な水素製造装置」の開発を進め、大規模な水素ステーションがなくても工場や小規模な物流施設などに水素を安定供給できるシステムの実用化を目指す。

 

なお現在、パナソニックは、東京都を主体者として行われる晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業「HARUMI FLAG」に、純水素燃料電池を納入する計画で開発を進めている。

 

 

[純水素燃料電池の目標スペック]

 

– 発電出力:5kW
– 定格発電効率:57 %(LHV)
– 本体サイズ:900 mm(W)×500 mm(D)×1800 mm(H)
– 重量:約250 kg
– 出力方式:モノジェネ式(※2)/コージェネ式(※3)

 

※1:2018年6月に達成
※2:発電した電力のみを使用する方式
※3:発電した電力に加えて、発電時に発生する熱でお湯を沸かして利用する方式

 

 

■(パナソニック)純水素燃料電池:https://www.panasonic.com/jp/corporate/jobs/new_gra/special/technology06/dohkoshi.html

 

■(パナソニック)水素エネルギー社会に向かって:https://www.panasonic.com/jp/corporate/brand/story/clean_energy.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。