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2017年12月1日【テクノロジー】

トヨタ、米でバイオマスから世界最大規模の電気と水素と水を造る施設建設へ

NEXT MOBILITY編集部

 

創られた電気と水は、ロングビーチ港のトヨタの物流拠点で使用。さらに水素は併設する水素拠点でFCトラックに供給

トヨタ自動車の北米事業体「Toyota Motor North America(TMNA)」は、再生可能エネルギーから水素・電気・水を生み出す施設の建設に乗り出す。同拠点は、実に1日で米国の一般家庭約2,350世帯分エネルギーを生むと云う。

建設場所は、米国カリフォルニア州ロングビーチ港。当地でTMNAと組み、燃料電池発電事業を手掛けるのは、「フューエルセルエナジー社(FuelCell Energy)である。

 

 

両社は、当地で発電の原資となる水素を造り、2.35メガワットの発電を行う燃料電池(FC)発電所を設ける。それと同時に、車両供給用の水素ステーションも併設した「トライジェン(Tri-Gen、これは水・電気・水素の3種類を生み出すTri-Generationを意味する名前)」を建設する。

 

このTri-Genのエネルギー生産の仕組みは、まず同州の畜産場の家畜排せつ物や、汚泥等の廃棄物系バイオマスから水素を取り出す。

その過程は「溶融炭酸塩型燃料電池(固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell)を用い、電解質に溶融炭酸塩を適用して600~700℃で動作させる高温型の装置)」を介して発電を行うプロセスを踏む形。

結果、再生可能エネルギーから水素・電気・水を生み出す施設になる。なお建設は2018年より開始し、2020年頃の稼働開始を予定している。

 

フューエルセルエナジー社がカリフォルニア大学アーバイン校と共に開発したシステムにトヨタ自動車が着目

このトライジェンと云うシステムに関しては、これまでフューエルセルエナジー社が、米国エネルギー省、カリフォルニア州大気資源局(CARB)、同州の南部沿岸大気品質管理区(AQMD)などの公的機関や、燃料電池関連技術の研究で技術の核となっているカリフォルニア大学アーバイン校と共に取り組みを進めてきた。

 

 

今回、これを評価したトヨタがフューエルセルエナジー社と協力。トライジェンの事業化(商用化)に向けて乗り出す。

トヨタでは、この取り組みを通じて、水素社会実現に向けたFC技術の応用拡大や水素インフラ拡充を推進。これに加えて港湾エリアの大気改善に取り組むカリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)やCARB、AQMDの環境改善目標達成にも貢献していく構えだ。

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。