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2021年4月26日【イベント】

TGR、2021年WRC第3戦の参戦結果を発表

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は4月25日、4月22日(木)~25日(日)にかけて行われた、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーの結果を発表した。

TOYOTA-GAZOO-Racing・ロゴ

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦した。

 

WRC初開催となった第2戦アークティック・ラリー・フィンランドが終了した時点で、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を堅持。ドライバー選手権では20才のロバンペラがWRC史上最年少記録でトップに立っていた。また、オジエとエバンスは、首位ロバンペラと8ポイント差で、それぞれドライバー選手権3位と4位につけていた。

 

クロアチアでWRCが開催されるのは今回が初めてであり、雪道や未舗装路を走行しない純粋な「フルターマックラリー」は、2019年8月のラリー・ドイチェランド以来となる。

 

 

 

 

DAY1 4/23

 

WRC初開催となるクロアチア・ラリーの初日は、サービスパークの南西エリアで4本のステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は99.82kmであった。WRCでターマック(舗装路)のステージだけを走行する「フルターマックラリー」が行われるのは2019年の8月以来であり、WRC初開催イベントであることに加え、今シーズンから新たにワンメイクタイヤとなったピレリ・タイヤを履いてのラリーとなるため、各チームともデータが十分ではない状態で競技初日を迎えることとなった。

 

夜中に降った雨は朝までに上がり、金曜日は早朝から好天。しかし、午前中のステージに関しては一部に濡れた路面が残り、また、ドライ路面であっても舗装の状態が刻々と変化する、非常にトリッキーなコンディションとなった。

 

開幕2戦が終了した時点でドライバー選手権3位につけているオジエは、午前中のSS3でエバンスとベストタイムを分け合った。さらに、午後の再走ステージではSS6、7、8と3ステージ連続でベストタイムをマーク。記念すべきキャリア通算600本目のベストタイムを記録し、エバンスを抜いて首位と7.7秒差の総合2位でデイ1を走破した。

 

ドライバー選手権でオジエと同ポイントのエバンスは、3本のステージで2番手タイムを刻み、SS3ではオジエとベストタイムをシェア。1日を通して安定した走りを続け、オジエと僅か0.3秒差の総合3位につけた。

 

また、ロバンペラはドライバー選手権のリーダーとして1番手でSS1に臨んだが、ステージ終盤の非常に滑りやすい右コーナーでコースオフ。ロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンに怪我はなかったが、クラッシュによるダメージがクルマのロールケージにまで及んだため、競技続行は不可能となりラリーからリタイアすることになった。

 

なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元はSS3終了時点で総合7位につけた。しかし、その後ジャンクションでのオーバーシュートやエンジンのストールによって遅れ、総合9位で初日を終えた。

 

<<クロアチア・ラリー デイ1の結果>> ※現地時間4月23日18時30分時点

1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 55m36.8s

2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +7.7s

3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +8.0s

4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +31.9s

5 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +54.8s

6 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m14.7s

7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +1m21.7s

8 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m31.5s

9 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m23.2s

10 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 R5) +3m17.6s

R カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)

 

 

 

 

 

 

DAY2 4/24

 

クロアチア・ラリーの2日日は、サービスパークの南西エリアで4本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は、今大会最長の121.92km。

 

前日に続きステージの上空には青空が広がり、ステージコンディションは1日を通してドライ。ヤリスWRCは全車がスペア1本を含む5本のハードタイヤを選択して午前のステージに臨んだ。オジエはまずオープニングのSS9でベストタイムを記録。順位をひとつ上げて首位となった。さらにSS12でもベストタイムを刻み、SS11を制した総合2位のエバンスに7秒差を築いて午前中のステージを終えた。

 

午後の再走ステージ1本目、オジエは右フロントタイヤにダメージを負いやや遅れをとったが、SS15でライバルとベストタイムを分け合い、さらにSS16でこの日4本目のベストタイムをマーク。エバンスに6.9秒差、総合3位のライバルに10.4秒差をつけている。

 

なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、SS10で今大会初のSSベストタイムをマーク。続くSS11では3番手タイムを刻み、さらにSS14で2回目のベストタイムを記録するなど1日を通してトップドライバーに匹敵する速さを示し、前日の総合9位から総合7位へと順位を上げた。勝田の活躍もあり、ヤリスWRCはデイ2の8本のステージのうち、7ステージでベストタイムを記録した。

 

<<クロアチア・ラリー デイ2の結果>> ※現地時間4月24日18時00分時点

1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h06m35.8s

2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +6.9s

3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +10.4s

4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +37.8s

5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m29.5s

6 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +2m23.8s

7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m46.5s

8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m51.8s

9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +7m06.0s

10テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +8m09.6s

 

 

 

 

 

 

DAY3 4/25

 

クロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークの北側で2本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は78.58km。

 

最終日もザグレブ周辺は好天に恵まれ、ドライコンディションでの戦いになった。デイ3は首位のオジエを総合2位のエバンスが6.9秒差で、総合3位のライバルが10.4秒差で追う状況でスタート。最初の2本のステージはエバンスが連続でベストタイムを記録し、リエゾン(移動区間)でのロードアクシデントでクルマの右サイドと空力パーツにダメージを負ったオジエを抜かし首位に立った。アクシデントでは怪我をした人が誰もいなかったため、オジエは競技を続行したが、ふたりのタイム差は最終ステージが始る前の時点で3.9秒、オジエと総合3位のライバルは4.1秒差であった。

 

そして迎えた最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とチームにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」。エバンスよりも先にスタートしたオジエは、渾身のアタックでその時点で最速のタイムを刻む。

 

エバンスは最後のセクションまで首位を守りきれるくらい速いペースで走行していたが、フィニッシュ付近のコーナーでラインが膨らみタイムロス。ベストタイムのオジエから4.5秒遅れの4番手タイムでステージを走り終え、僅か0.6秒差で総合2位に。オジエが、逆転で開幕戦モンテカルロ以来となる今季2勝目を獲得した。0.6秒というタイム差は、WRCの歴史において史上3番目の僅差であった。

 

オジエはパワーステージを制したことで、最大となる5ポイントをボーナスとして獲得。ドライバー選手権で首位に復帰した。また、エバンスはドライバー選手権で単独3位に。オジエとエバンスが1-2フィニッシュを飾ったことで、チームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルチームとの差を27ポイントに拡大した。

 

なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、安定した走りで最終日の4ステージを走行。前日よりもひとつ順位を上げ、開幕から3戦連続となる総合6位でフィニッシュした。

 

<<クロアチア・ラリー デイ3の結果>> 

1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h51m22.9s

2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s

3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8.1s

4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m25.1s

5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +3m09.7s

6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +3m31.8s

7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +3m58.8s

8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +4m28.2s

9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +10m00.8s

10テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +10m29.3s

 

 

 

 

 

 

次回のイベント情報

 

第4戦「ラリー・ポルトガル」は、5月20日から23日にかけてポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される。2年ぶりに開催されるこのイベントは、今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリー。

 

また、今シーズンからワンメイク供給されるピレリのグラベル用タイヤを装着して臨む最初のラリーとなるため、チームとドライバーにとっては新たなる挑戦となる。ポルトガルのステージは路面に砂や石が多く、1回目の走行では砂に覆われていた路面が、2回目の走行では砂が掃けて下から石が現れ、深い轍(ワダチ)も刻まれるなど、コンディションが大きく変わる点を特徴としている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。