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2023年10月26日【エネルギー】

豊田自動織機、出力50kW級の汎用型FCモジュール開発

NEXT MOBILITY編集部

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豊田自動織機・ロゴ

豊田自動織機は10月26日、燃料電池(FC)システムをパッケージ化し、フォークリフトや農業機械、建設機械などへの搭載が可能な、出力50kWクラスの汎用型燃料電池モジュール(FCモジュール)を新開発したと発表した。

 

なお開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」の下で行われているとのこと。今後は、FCモジュールのラインナップ拡充を進め、多様な用途での水素利活用促進に貢献していきたいとしている。

 

豊田自動織機は、脱炭素社会実現に向けた次世代エネルギーとして注目される水素の普及に向け、2016年に国内で初めて(※)FCフォークリフトを発売するなどし、その技術力を向上。

 

2021年には、さらなる水素利活用の促進を目的に、フォークリフト用FCシステムの発電に関わる部品をパッケージ化した8kWクラスのFCモジュールの開発を発表。

 

8kWクラスのモデルに於いて、エアコンプレッサーや水素循環ポンプなどの主要な構成部品を内製している強みを活かした最適設計によりコンパクト化を実現し、現在は発電機などへの適用に向けた実証実験を進めていると云う。

 

今回、新たに開発した50kWクラスは、8kWクラスをベースに燃料電池セルの増量などにより、出力を高めたもので、水素ステーションや配送網の整備を背景に、より出力の高い機器のFC化ニーズが高まる中、フォークリフトや農業機械、建設機械、工場用非常電源などの機器への搭載が想定されていると云う。

 

※豊田自動織機調べ。

 

[FCモジュール諸元]

<8kWクラス>
– サイズ(mm)(突起部除く):L542×W610×H440
– 質量(kg):113
– 定格出力(kW):8
– 定格電圧(V):DC48
– 定格電流(A):170
– 使用可能温度(℃):-20~40
– 短期保管温度(℃):-30~80

<50kWクラス>(新開発)
– サイズ(mm)(突起部除く):L925×W630×H837
– 質量(kg):360
– 定格出力(kW):50
– 定格電圧(V):DC300~DC400
– 定格電流(A):145
– 使用可能温度(℃):-20~40
– 短期保管温度(℃):-30~50

 

[FCモジュールの開発状況と用途]
<8kWクラス>
・進捗状況:実証中
・主な用途:フォークリフト/発電機。

<24kWクラス>
・進捗状況:開発中
・主な用途:フォークリフト/トーイングトラクター/発電機。

<50kWクラス>
・進捗状況:新開発
・主な用途:フォークリフト/農業機械/建設機械/発電機。

 

 

(参考)

■(豊田自動織機)豊田自動織機、汎用型の小型燃料電池モジュールを新開発 (2021年2月26日リリース)

■(豊田自動織機)「次世代のエコ・フォークリフト」で物流業界から水素社会の実現目指す (2022年9月13日発表)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。