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2019年10月25日【テクノロジー】

豊田合成とイービーエム社、次世代ゴム利用の医療シミュレータ

NEXT MOBILITY編集部

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豊田合成は、医療機器を開発する早稲田大学発のベンチャー企業のイービーエム社(※1)と、電気で動く次世代ゴムの「e-Rubber」で心臓の鼓動を再現する手術訓練シミュレータ「SupeR BEAT」を共同開発し、発売を開始した。

医療現場では手術の高度化に伴って安全確保の重要性が増し、手術訓練シミュレータの需要が高まっていると云う。特に、一定の研修を履修した医師を専門医として認める心臓血管外科専門医制度では、シミュレータなどでのトレーニングが義務化。

 

こうした背景から、豊田合成とイービーエム社は、心臓外科医の手技向上に向け実践的なシミュレータの開発と普及を目指し、2017年11月から連携してきた。

 

 

 

今回開発したSupeR BEATは、電圧のオン・オフに速やかに反応して伸縮するe-Rubberを用いることで、手術中の心拍を忠実に再現。

 

搭載したソフトウェアで数十通りの拍動パターンを組み合わせ、不整脈による複雑な心拍や、幼児の早い心拍など、様々な状況を想定した動作が可能で、実際の冠動脈バイパス手術(※2)に極めて近いストレスフルな手術環境も再現できると云う。

 

 

イービーエムHPより

イービーエムHPより

 

 

豊田合成とイービーエム社は、今後も医工連携の取り組みを推進(※3)し、医療の発展に貢献していくとしている。

 

 

※1:心臓外科領域を中心に手術訓練シミュレータ・人工血管などの開発やトレーニングシステムの構築を国内外で手がける。国内では心臓血管外科施設の約7割で採用され、米国・欧州・アジア諸国への販売実績も持つ。自社の手技トレーニングセンター「FIST」(福島市)を中心に、トレーニングの国際標準化を目指して、ハードとソフトの両面から医師たちと緊密に連携し開発を進めている。

※2:心臓の動脈硬化などで血流(酸素供給)が滞る「狭心症」や「心筋梗塞」を治す手術で、狭くなった動脈に別の動脈をつないで血流を確保する。患者の負担軽減のため、人工心肺を使わず心臓を動かしたまま手術する「オフポンプ式」が増えており、拍動する心筋表面の直径2ミリメートルの動脈を縫い合わせるため、高度な手技が不可欠となる。

※3:微妙な圧力を感知できる「e-Rubberセンサ」を鑷子(せっし:医療用ピンセット)に装着して、手術中の力加減のデータを収集・分析するなど、今後も手技トレーニングの更なる進化を図っていく。

 

 

■イービーエム株式会社:https://ebmc.jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。