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2021年10月7日【テクノロジー】

鹿島、神岡試験坑道で自動化掘削を実証

NEXT MOBILITY編集部

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鹿島は10月7日、実坑道である神岡試験坑道(岐阜県飛騨市)にて、トンネル工事における全工種の自動化を実現すべく、「A4CSEL for Tunnel」の実規模施工試験を開始したと発表した。

 

鹿島は、建設業界における喫緊の課題である「熟練技能者不足」、「頻発する労働災害」、「他産業と比べて低い生産性」の抜本的な解決を図るため、「建設現場の工場化」を目指し、施工の自動化を中心とした技術開発を進めている。

 

こうした中、山岳トンネル工事においては、特に作業環境が厳しく、坑夫の経験に頼っていた切羽周辺の施工を、データに基づく自動化により安全性や生産性、施工品質を飛躍的に向上させることを目的に「A4CSEL for Tunnel」の開発を2018年から推進。これまでは、2018年11月に開設した模擬トンネル(静岡県富士市)を試験フィールドとして、基本動作の確認をしてきた。

 

「A4CSEL for Tunnel」は、建設機械の自動化による切羽周辺の無人化、ならびに工学的に裏打ちされた「上手な作業」を効率よく行う自動運転の実現により、安全性と生産性の向上を高度に両立させる施工システム。山岳トンネル掘削工事における一連の作業ステップである[1]穿孔 [2]装薬・発破 [3]ずり出し [4]アタリ取り [5]吹付け [6]ロックボルト打設の自動化技術で構成されている。

 

 

 

 

今回、神岡鉱業の協力のもと、同社が所有する試験坑道において、データに基づく独自の穿孔計画法により、自動穿孔作業から発破掘削までのステップを実施し、効率的穿孔・発破技術を実証する業界初の試みに挑戦することとなった。併せて、これまで開発してきた多くの自動化技術を実工事現場と同等の環境で実証し、それらの有効性および実用性も確認していく。

 

今後は、神岡試験坑道で2年間にわたって実施工での実証試験を行い、「A4CSEL for Tunnel」の各作業ステップの自動化を進め、順次実工事への導入を予定する。また、この実規模施工試験を通してデータに基づく最適化施工を実現できる人材を育成するなど、自動化施工に即した施工体制の構築も並行して進行するとしている。

 

 

■神岡試験坑道 工事概要
場所:岐阜県飛騨市神岡町
諸元:トンネル掘削321.3m 掘削断面積:アプローチ部43.9m2、自動化施工試験部73.5m2

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。