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2021年3月30日【SDGs】

レクサス、EVコンセプトカーを世界初公開

NEXT MOBILITY編集部

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LEXUSは3月30日、EVコンセプトカー「LF-Z Electrified」を「LEXUS CONCEPT REVEAL SHOW」を通じて世界初公開した。

 

自動車業界は、100年に1度の大変革期を迎え、カーボンニュートラルや持続可能な開発目標(SDGs)への対応などの社会的使命の高まりに加え、顧客のライフスタイルや価値観も想像を超えるスピードで変化し、多様化している。

 

LEXUSは、2005年のRX400h発売以降、現在は世界約90の国と地域で9車種のHV車やEV車を販売しており、2020年末時点で累計販売台数は約193万台。2019年には、電動化技術を用いた基本性能の大幅な進化を実現するとともに、顧客へクルマがもたらす楽しさ、喜びを提供し続けることを目指した電動化ビジョン「Lexus Electrified」を発表した。

 

今回発表したEVコンセプトカー「LF-Z Electrified」は、電動化ビジョンLexus Electrifiedで目指す「車両基本性能の大幅な進化」を実現するため、EV専用プラットフォームを採用している。

 

また、モーター駆動力のレスポンスの良さを活用し四輪を自在にコントロールすることで、高度かつ自由度の高い運動性能を実現する、新たな四輪駆動力制御技術「DIRECT4」等を採用。LEXUSが培ってきた電動化技術と車両運動制御技術を融合し、ドライバーの感性に寄り添った走りの進化を目指したという。

LEXUSは、2025年までに、10以上のEV、PHV、HV等の電動車を含む、約20車種の新型や改良モデルの投入を予定。2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上回ることを目指している。

 

また、2050年には、全モデルラインアップにおける材料製造、部品製造・車両製造、物流、走行、廃棄・リサイクルの各段階を含めたライフサイクル全体でのカーボンニュートラルの達成を目指す。

 

Lexus Internationalの佐藤 恒治氏は次のように述べている。「今年発表する2車種の新型モデルを皮切りに、多様化するお客様のライフスタイルに彩りを添える愛車として、新しい価値を提供するモデルを続々と投入してまいります。モビリティ社会の未来を創るという強い意志を持ったこれからのLEXUSにどうぞご期待ください。」

 

 

■LF-Z Electrifiedの特長

 

電動化技術を活用し「Lexus Driving Signature」を深化
LF-Z Electrifiedでは、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元と高応答、高精度なモータートルク制御によって、エンジン、トランスミッションを介してタイヤを駆動するというパッケージングから解放され、車両の基本性能を大幅に進化。Lexus Driving Signatureをさらに高い次元へと引き上げたという。

 

バッテリーの車両フロア下への搭載によるフレームの高剛性化や低重心化により、路面からの微細な振動や不快な音を防ぎ、LEXUSの原点である静粛性と乗り心地も格段に進化させた。

 

また、新たな四輪駆動力制御技術「DIRECT4」は、高トルクモーターの駆動力を自在に制御することで、車両姿勢をコントロール。前後の駆動輪を独立して制御することで、FF、FR、AWDなど、走行シーンに応じた適切な駆動方式を提供する。

 

ステアバイワイヤの採用による運転状況に応じた直感的なステアリング操作と、「DIRECT4」の高応答、高精度な駆動力コントロールが組み合わさり、ドライバーの操作とクルマの挙動がよりシンクロした走行体験を提供するという。

 

 

 

 

 

進化するLEXUSのデザインを示唆するエクステリア
LF-Z Electrifiedは、EVならではの低いノーズから後方にピークを持たせた滑らかなキャビンを中心に、連続するシルエットで全体のフォルムを構成。高出力モーターの力を路面に伝える大径タイヤを4隅に配置している。

 

四輪の駆動力を自在に操る「DIRECT4」によって、駆動力配分がリニアに変化する躍動感のある走りを想起させるデザインを取り入れ、フロントタイヤからリヤタイヤへ淀みなく変化するドアの抑揚やタイヤ周辺の張り出したフレア形状といった面造形を施した。

 

リヤでは、クリーンでシンプルな水平基調のデザインに、張り出したタイヤを強調する造形を組み合わせ、駆動力を支える力強いスタンスを表現。また横一文字の薄型リヤコンビネーションランプに、新たにLEXUSロゴを配した表現とすることで、フロントとともに次世代のLEXUSを象徴するデザインとしたという。

 

 

 

 

 

 

 

新コンセプト「Tazuna」に基づくコックピットとインテリア
LEXUSが創業当初から根幹としてきた「人間中心」の思想をより高次元で具現化するため、新コンセプト「Tazuna」に基づくコックピットを設計。手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながらナビゲーションやオーディオ、ドライブモードセレクトなど、各種機能の操作を可能にした。

 

インテリアは、コックピットを中心に据えつつ、乗員に対し低い位置に配したインパネ等が爽快な抜け感と細部まで心をつくしたおもてなしの空間を表現しているという。また、天井のパノラマルーフには、開放感をもたらすロングガラスを採用している。

 

AR-HUDやメーター表示、タッチモニターなどドライバーへの情報は、一つのモジュールとして集約。ステアリング周辺に走行系機能を集約した。

 

 

 

 

移動体験をより豊かにする先進機能
・ドライバーの嗜好や行動特性を学習したAI
音声コミュニケーションにより、運転中の操作性向上に貢献するほか、ドライバーとの対話を通じて、好みや気分に合わせたドライブルートやレストランの予約等の提案を行う。

・デジタルキー
スマートフォンによるドアロック開閉などの車両操作に加え、従来型のキーの受け渡しをすることなく家族や友人がクルマへアクセスできるようになる。また、デジタルキーを介したサービス提供者によるクルマへのアクセスが可能になることで、クルマへの荷物宅配やカーシェア等の車両連動サービスの提供を可能にする。

・E-Latchシステム
ドアの開閉はよりスムーズに、そして安全なものにする。乗車時は、格納式ドアハンドルが、キーを所持した乗員が近づくと車両表面から自動的にスライドし、ハンドル内部のセンサーに触れるとドアの解錠、開扉をスムーズに行うことが出来る。降車時には、車内の開扉スイッチを押すことでドアを開くことが可能になるとともに、車両に搭載されたセンサーが周辺状況を監視し、接近する車両や自転車を感知した場合には、乗員に警告を発する。

・マークレビンソンのオーディオシステム
世界中のコンサート会場と同じ音響空間を車内に再現する機能を実現。車内のスピーカーを制御することで、ドライバーや乗員それぞれが音楽を楽しむのに理想的な環境にする。そして、ノイズキャンセリングを備えた次世代サウンドマネジメント機能により、座席間や車外との対話をスムーズにし、静かで快適な移動空間を提供する。

 

 

 

 

■LF-Z Electrified 主要諸元
– 全長(mm):4,880
– 全幅(mm):1,960
– 全高(mm):1,600
– ホイールベース(mm):2,950
– 重量(kg):2,100
– 航続距離[WLTP](km):600
– バッテリー容量(kWh):90
– 充電電力(kW):150
– 電池:リチウムイオン電池
– 冷却方式:水冷
– 0-100km加速(秒):3.0
– 最大速度(km/h):200
– 最大出力(kW)/最大トルク(Nm):400/700

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。