NEXT MOBILITY

MENU

2021年4月12日【イベント】

「PCCJ 2021」第1-2戦(岡山)決勝レポート

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

ポルシェジャパンとポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)委員会は、ポルシェカレラカップジャパン2021シリーズ第1-2戦の決勝を、4⽉10日(土)、11⽇(日)、岡⼭国際サーキット(岡⼭県)で開催した。

 

 

【第1戦 決勝】
天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20度 路面:33度(レーススタート時)

 

21年目のシーズンを迎えた2021年のポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)は、岡山国際サーキットで幕を開けた。午前中の予選では各クラスともコースレコードを記録する熱いタイムアタックが展開され、プロクラスは2020年3度目のシリーズチャンピオンを獲得した#24 近藤翼がポールポジションを獲得。2番手は昨年の岡山大会で2連勝を飾った#31 上村優太、3番手は2013年、2014年にPCCJ 2連覇を果たした#60 小河諒、4番手はポルシェジャパンジュニアドライバーの#91 大草りきが続く。

 

プロアマクラスのポールポジションは2020年のクラスチャンピオンである#25 内山清士、アマクラスは今シリーズがフル参戦初となる#62 Kumaがポールポジションを獲得。

 

 

 

 

16時、フォーメーションラップが開始され、再び全車がグリッドに整列して今シーズンの開幕レースのスタートが切られる。2番手スタートの#31 上村がポールポジションスタートの#24 近藤を抑え、1コーナーでトップに立つ。ポジションを奪い返したい#24 近藤は、バックストレートで#31 上村に並び掛けるも抜くことはできず、その背後には3番手の#60 小河が迫る。

 

トップ3台はテールトゥノーズ状態で周回を重ねていき、#24 近藤も何度か#31 上村に仕掛けていくが抜くことはできない。「今日のレースはスタートで前に出られたのがすべてだと思います。その後、何度か近藤選手が仕掛けてきましたが、それも抑えきることができ、優勝できて良かったです。明日もこの調子で連勝を狙って行きたいと思います」と、開幕戦を制した#31 上村は振り返る。

 

2位の#24 近藤は、「スタートでミスしたのが痛かったですね。上村選手を何とか攻略したかったのですが、抜くのが難しいコースですから……」と悔しさを滲ませる。3位は#60 小河、4位は#91 大草が入賞。

 

PCCJ初レースを終えた#91 大草は「初レースで自分の課題も見えてきたので、明日のレースではその反省点を生かしていきたいと思います」と語る。

 

 

 

 

 

プロアマクラスは、ポールポジションスタートの#25 内山がクラストップを一度も譲ることなく優勝を飾る。「スタートをうまく決めることができたのですが、後半はタイヤが厳しくなってきてしまい辛かったのです。が、IKARI選手から何とか逃げ切れて良かったです」と喜びを語る。

 

レース後半、#25 内山の背後まで迫るも2位に終わった#98 IKARIは、「前半はタイヤ温存で、後半に掛けていたのですが、最終ラップにハーフスピンを喫してしまいました」と残念がる。

 

また、アマクラスはポールポジションスタートの#62 Kumaと#36 Sky Chenが1周目に姿を消す波乱の展開に。トップに立ったのは、今シーズンPCCJ初参戦で予選2番手からスタートした#84 Masa TAGAで、そのままトップを譲ることなくゴール。「スタートをうまく決めることができ、落ちついてレースを戦うことができたと思います。本当に優勝できて嬉しいです」と語る。

 

 

 

 

 

 

【第2戦 決勝】
天候:晴れ 路面:ドライ 気温:17度 路面:23度(レーススタート時)

 

第2戦が開催された11日は、前日に引き続き朝から青空が広がる。10日(土)に行われた予選で記録されたセカンドベストタイムで決定したグリッドは、プロクラスのポールポジションに開幕戦を制した#31 上村優太が着く。

 

2番手には#24 近藤翼、3番手には#60 小河諒、4番手にはポルシェジャパンジュニアドライバーの#91 大草りきが続く。プロアマクラスのポールポジションは#98 IKARI、アマクラスのポールポジションは前日の開幕戦同様に#62 Kumaが獲得。

 

 

 

 

 

9時45分、フォーメーションラップがスタートすると全車路面の状況を確認しながらゆっくりとコースを1周。そして再びグリッドにマシンが整列し、レッドシグナルがブラックアウトでレースがスタート。2番手スタートの#24 近藤が好スタートを見せて1コーナーをトップで駆け抜け、ポールポジションスタートの#31 上村は2番手に。

 

第1戦と逆の展開となった第2戦の1周目は、ヘアピンで#31 上村がトップを奪い返すと、すぐに#24 近藤が抜き返す好バトルが続く。しかし、3周目に走路外走行により黒白旗が提示された#31 上村のペースが落ちてしまう。

 

ここで一挙にペースアップしたのが3番手の#60 小河で、徐々に#31 上村との差を詰めていき、10周目のアトウッドで仕掛けた#60 小河はそのまま抜き去り2番手に。その勢いで#60 小河はトップの#24 近藤を追いかけ、14周目に0秒377差と背後にまで迫るが、#24 近藤は逃げ切り今シーズン初優勝。「スタートで前に出られましたが、上村選手とサイドバイサイドの戦いになり、何とかトップを守りきることができました。でもレース終盤はタイヤが厳しくなっていたので、小河選手から逃げ切れて良かったです」と、優勝を喜ぶ。

 

2位の#60 小河は、「終盤、近藤選手の背後まで迫ることはできましたが、攻め切るには周回数が足りませんでした。でも、2戦連続で表彰台を獲得でき、今年の目標の第一段階はクリアできました」と振り返る。

 

3位でゴールした#31 上村は、レース後30秒加算のペナルティを科され、#91 大草が3位表彰台を初獲得。「まだまだ実力的に足らない部分があるので、次の富士までに練習をして戦えるようにしていきたいと思います」と語る。

 

 

 

 

 

プロアマクラスは、ポールポジションスタートの#98 IKARIが2周目の1コーナーでマシンを止め、第1戦を制した#25 内山清士がトップに立つ。レース中盤から#77 浜崎が背後に迫るも逃げ切って2連勝を飾る。「2連勝とチームのダブル優勝は嬉しいのですが、決勝になると慎重になって攻めきれなかったのが反省点です」と冷静にレースを振り返る。2位の#77 浜崎は、「内山選手に着いていくのがやっとで、オーバーテイクすることはできませんでした」と悔しがる。

 

一方、アマクラスはポールポジションスタートの#62 Kumaがトップをキープするも、その背後から#36 Sky Chenが終始プレッシャーを掛ける。そしてラストラップ、タイヤが厳しくなった#62 Kumaがアトウッドでハーフスピン。直後につけていた#36 Sky Chenがトップでゴールを駆け抜けて勝利した。「昨日は悔しい結果に終わってしまったので優勝できて嬉しいです。この調子で次戦以降も頑張っていきたいと思います」と語る。

 

 

 

 

PCCJ第3-4戦は5月3日(月・祝日)、4日(火・祝日)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催が予定されている。富士スピードウェイは、開幕前の合同テストが開催されるなど各ドライバーが走り込んでいるサーキットだけに、誰にも優勝のチャンスがあると言える。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。